「社員以上に働いているように見えない」後継社長の原因と改善策

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:先代社長から後継社長への「不満」を改善する方法

家族経営において、後継社長が「社員以上に働いているように見えない」「何をしているのか分からない」と社員から見られてしまうことがあります。こういった状況は企業文化や士気に大きな影響を与えます。
後継社長の姿勢は、社員の行動規範となり、組織の推進力を左右します。なぜ後継社長は「働いている雰囲気」が出せないのか。その原因と、手っ取り早くきる改善策を以下に整理したいと思います。


原因①:業務内容が「見えない仕事」である

社長業務は、戦略立案・資金調達・外部交渉など、目に見えづらい仕事が多く、現場の社員からは「何をしているのか分からない」と映りがちです。特に後継社長がデスクワーク中心で、現場に顔を出さない場合、働いている実感が伝わりにくくなっていきます。

改善策:業務内容の「見える化」と共有

社長自身の業務を「今週の社長タスク」として社内掲示板や朝礼で共有します。たとえば「〇〇社との交渉」「新規事業の企画」「資金繰りの見直し」など、具体的に伝えることで、社員は社長の仕事の重みを理解できます。さらに、週報や月報で成果を報告することで、働いている姿が可視化されます。

社員以上の仕事

原因②:現場との接点が少なく、距離感がある

後継社長が現場に顔を出さず、社員との会話も少ない場合、「社長は何をしているのか分からない」「自分たちとは別世界の人」という印象を持たれます。これは物理的・心理的な距離が原因です。

改善策:現場訪問と「雑談の場」の定期化

週に1回でもよいので、社長が現場を訪問し、社員と軽い雑談を交わす時間を設けます。たとえば「最近忙しいね」「この工程、工夫してるね」など、業務に関心を持つ姿勢を見せることで、社員は「社長は現場を見ている」「一緒に働いている」と感じます。雑談は信頼構築の第一歩になります。

原因③:仕事の優先順位が曖昧で、動きが鈍い

後継社長が何から手をつけるべきか迷っている場合、行動が遅くなり、結果として「働いていないように見える」状態になります。これは意思決定のスピードと実行力の問題です。

改善策:「週次タスクの明確化」と「即行動ルール」

毎週月曜日に「今週やるべき3つのこと」を明確にし、社内に宣言します。そして「決めたことは即日着手する」というルールを自分に課すことで、行動力が高まり、社員にも「社長は動いている」という印象が伝わります。宣言と実行のセットが、信頼を生みます。

原因④:社員との「役割の違い」が伝わっていない

社長の仕事は社員とは異なるため、単純な比較では「働いていない」と誤解されがちです。これは役割の違いが社内に浸透していないことが原因です。

改善策:「役割の違い」を教育する場の設置

社内研修や朝礼で「社長の役割とは何か」「社員との違いは何か」を説明する機会を設けます。たとえば「社員は現場を動かす、社長は会社の方向を決める」といった明確な言葉で伝えることで、誤解が解けます。役割の違いを理解することで、社長の働き方にも納得感が生まれます。

パイオニア

結びに

後継社長が、社員以上に働いているように見えないのは、銀行交渉や戦略立案等が社員から見て、認識がしにくく、見えにくいことや役割が違うことに起因しています。また、後継社長自身が何から手をつけていいかわらないケースもあります。後継社長は存在感と行動力が、組織の信頼と推進力を生み、社員の行動規範となりなりますので、率先垂範して、効果も踏まえながら日々実践していくことが肝要になってきます。


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上原輝夫
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上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・メンタルケア・終活を応援、サポートします。お客さまにとって何でも話せる気軽で身近な相談相手を目指しています。

上原輝夫プロは琉球放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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