父親の強い影響力のもとで育った後継社長

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:同族.家族経営の二代目社長のお助けコラム

同族.家族経営の会社において、父親(先代社長)の影響力が強い環境で育った後継社長が、決断よりも承認の確保を優先しがちになるのは、幼少期からの経験や同族経営特有の構造に起因します。以下、原因と手っ取り早く出来る改善策を整理したいと思います。

原因1.過去の成功体験と心理的依存

先代社長が辣腕経営者であった場合、その成功体験や築き上げた会社に対する強い思い入れは、後継者にとって大きなプレッシャーとなります。
後継社長は、幼い頃からその背中を見て育ち、無意識のうちに先代の「承認」を得ようとする傾向が強くなります。
その影響を受け、自身の決断が先代の意向に沿うかどうかが判断基準となり、「決断の責任」を負うよりも「承認の確保」を優先する心理が形成されてしまう傾向があります。

原因2.同族経営の構造的課題

同族経営は、所有と経営、そして家族関係が複雑に絡み合っているため、コーポレートガバナンスが効きにくいという課題を抱えています。
独裁的な経営体制:
先代社長が強いリーダーシップを持つ場合、ワンマン経営に陥りやすく、社内外からの意見が取り入れられにくい環境が作られがちです。このような状況では、後継者が自身の判断で行動しようとすると、先代からの介入や反対に合いやすく、結果として「承認」を得るための行動に終始するようになります。
非同族社員への影響:
身内びいきの人事や評価の不透明さも、後継社長が承認を得ようとする要因となります。非同族の従業員が忖度をしがちな環境では、後継者が先代の意向を汲み取り、それに従うことが「正しい」と認識されてしまう可能性があります。
人材育成の欠如:
親が子を甘やかし、敢えて苦労させない「ぬるま湯」のような環境で育った後継者は、自ら課題を克服する経験が不足しがちです。これにより、決断を下すための自信や能力が養われにくく、困難な状況に直面すると、承認を求めることで責任を回避しようとする傾向が強まってきます。

父と息子

手っ取り早くできる改善策

後継社長が「決断の責任」を負い、自律的な経営を行うためには、以下の施策を段階的に実行することが有効です。

後継者教育と権限移譲の明確化

後継社長が自律的な決断を下す能力を養うためには、計画的な教育と権限移譲が不可欠です。
社外での経験:
後継者に一度、同族企業ではない一般企業での勤務経験を積ませることは、非常に有効です。異なる企業文化や意思決定プロセスを経験することで、視野が広がり、自社を客観的に見る視点や、自身の判断力を養うことができます。
段階的な権限移譲:
後継者への権限移譲は、一気に行うのではなく、段階的に進めるべきです。まずは小さな決定から任せ、成功体験を積ませることで自信をつけさせます。その際、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えることが重要です。先代社長は過度な介入を避け、後継者の成長をサポートする姿勢を示すことが大切です。
職務権限規程の明確化
後継社長と先代社長(会長など)の職務権限を明確に定義し、文書化することが重要です。これにより、それぞれの役割と責任の範囲が明確になり、先代による過度な介入や、後継者の「承認の確保」への偏りを防ぐことができます。

公平な評価制度と組織文化の醸成

「身内びいき」をなくし、公平な組織文化を醸成することは、後継社長の自律性を促す上で不可欠です。
能力・成果に基づく評価:
同族社員、非同族社員に関わらず、能力や成果に基づいた公平な評価制度を導入し、それを徹底することで、社内の公平性が向上します。これにより、後継社長も自身の決断が公正な評価に繋がるという意識を持つことができます。
コミュニケーションの活性化:
コミュニケーションの活性化: 経営陣だけでなく、従業員全体で活発な意見交換ができるようなコミュニケーションの場を設けることも重要です。後継社長が多様な意見に触れることで、多角的な視点から決断を下す能力が養われていきます。

親が認める

結びに

これらの改善策を講じることで、後継社長は先代の「承認」に依存することなく、自らの責任で決断を下し、会社をより持続的に成長させる「真のリーダーシップ」を発揮できるようになるます。

上記のほかに、最も手っ取り早く出来る改善策としては、第三者に会社に入ってもらい直接の弊害を是正してもらう事です。社外取締役や社外監査役を登用し、経営の透明性を高めることです。「経営再建」等の場合でも、最も効果が高いと評価される手法となっています、必要に応じて活用することも肝要になってきます。






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上原輝夫
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上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・メンタルケア・終活を応援、サポートします。お客さまにとって何でも話せる気軽で身近な相談相手を目指しています。

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