「社長として」と「息子として」の線引の難しさ
同族.家族経営の会社において、親子がある出来事をきっかけにすれ違い、何年も話さないまま「あのとき一言が言えていれば」と後悔するケースは、決して珍しくありません。
これは、親子という特殊な関係性ゆえに、感情的なしこりが残りやすく、ビジネス上の問題と家庭内の感情が混ざり合ってしまうことに起因します。以下で原因と手っ取り早くできる改善策を整理したいと思います。
目次
原因1.「言わなくてもわかるだろう」という誤解
長年一緒に過ごしている親子だからこそ、「言わなくても気持ちは伝わるはず」「私の意図は理解しているだろう」という誤解が生じやすくなります。
特に、日本の文化においては、多くを語らずとも以心伝心で通じ合うことを美徳とする傾向があります。
しかし、ビジネスの場においては、明確な言葉で意図を伝えなければ、誤解やすれ違いが生じやすくなります。
感謝や承認の言葉を伝えるタイミングを逃したり、厳しい指導の意図が伝わらなかったりすることで、溝が生まれてしまうことがあります。
改善策1.「きっかけ」を意識的に作る
1. 短時間でも「仕事以外の」会話を試みる
いきなり深い話をするのは避け、まずは「仕事に関係ない」短い会話から始めてみましょう。天気や趣味、最近のニュースなど、当たり障りのない話題からで構いません。
ポイントは「会ったら必ず一言何か話す」というルールを自分の中で設けることです。例えば、朝の挨拶の後、ほんの数秒でも良いので、何かしら言葉を交わすことから始めてみましょう。これにより、話さない期間が長引くことを防ぎ、会話のハードルを少しずつ下げられます。
2. 感謝や承認を具体的な行動で示す
言葉での表現が難しい場合は、行動で示すことも有効です。例えば、父親であれば、息子が関わったプロジェクトの成果を社内で共有し、彼の努力を具体的に称賛する。
息子であれば、父親の長年の功績や経営手腕について、他の社員や社外の関係者との会話の中で肯定的に言及するといった間接的な方法も効果的です。これにより、間接的に互いの「想い」が伝わる可能性があります。
原因2.プライドと感情の衝突
父親は、会社を一代で築き上げてきた自負や、後継者である息子への期待が非常に大きいものです。そのため、息子が自分の意見と異なる行動をしたり、期待通りの成果を出せなかったりすると、感情的に厳しく当たってしまうことがあります。
一方で息子も、父親に認められたいという強い思いがあるからこそ、自分の個性や努力を理解してもらえないと感じると、反発心や諦めの気持ちが芽生えます。
互いのプライドが邪魔をして、素直な気持ちを伝えられず、感情的な衝突が起こりやすくなります。
改善策2.第三者の介入を促す
1. 家族会議の「設定役」を依頼する
もし、親子双方に信頼されている親族や友人、あるいは会社の幹部社員がいれば、その人に間に入ってもらい、あらためて「親子で話し合う機会」を設定してもらうことを検討したほうがベストです。
この際、話し合いのテーマを「特定の出来事」ではなく、「今後の会社について」や「お互いの気持ちのすれ違いを解消したい」といったポジティブな方向性に設定してもらうことが重要です。第三者がいることで、感情的になるのを防ぎ、冷静な議論を促すことができます。
2. 事業承継専門家や経営コンサルタントへの相談
親子間の感情的な問題が根深く、自分たちだけでは解決が難しいと感じる場合は、事業承継の専門家や経営コンサルタントといった外部の力を積極的に活用しましょう。
彼らは客観的な視点から問題点を分析し、感情的になりがちな親子の対話をファシリテーションする役割を担えます。
例えば、専門家を交えて事業承継計画を立て直すという名目で、親と子が話し合う場を設けることも有効な手段です。外部の専門家は、親子間の感情的なしこりを解きほぐし、事業承継をスムーズに進めるための調整役としても機能します。
原因3.時間の経過による溝の深化
一度感情的なすれ違いが生じると、時間が経つにつれてその溝は深まり、修復が困難になる場合があります。特に、お互いに歩み寄ろうとしないまま時間が過ぎてしまうと、「今更、何を話せばいいのか」「自分からは切り出せない」という心理状態になり、コミュニケーションを再開するきっかけを失ってしまいます。
社内で親子ゲンカが繰り広げられると、周囲の社員も巻き込み、会社の雰囲気が悪くなり、経営にも悪影響を与えかねません。
改善策3.自身の内面を見つめ変化を受け入れる
1. 過去の出来事を冷静に振り返る機会を持つ
物理的・精神的に距離を取ることができている状況であれば、一度、感情的になった原因となった「あの出来事」について、冷静に振り返る時間を持ってみましょう。
当時の相手の状況や、自分の立場から見えていなかった側面はなかったか、客観的に考えてみることが大切です。この自己分析は、感情の整理に繋がり、次のステップへの準備となります。
2. 「伝える」努力を諦めない
たとえ、一度はすれ違ってしまったとしても、「あのとき一言が言えていれば」という後悔を繰り返さないために、たとえ不器用でも「伝えようとする」努力を諦めないことが重要です。完璧な言葉やタイミングを待つのではなく、勇気を出して一歩踏み出すことが、関係修復の第一歩となります。
結びに
同族家族経営における親子の歴史は、会社の歴史そのものです。深く刻まれた溝を埋めるには時間と努力が必要ですが、上記の手っ取り早い改善策を試すことで、再び対話の糸口を見つけ、関係修復への道を歩み始める努力を始めていきましょう。
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