後継者選びを長く放置すると

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:同族.家族経営の心理的.感情的な悩み後悔

同族.家族経営の会社で後継者選びを先延ばしにした結果、家族間の深刻な対立につながることがあります。以下に原因と手っ取り早く出来る改善策を整理します。


後継者選びの先延ばしが引き起こす問題

1. コミュニケーション不足と不透明な意思決定

後継者に関する話し合いを避けることで、家族内で誰が、いつ、どのように事業を引き継ぐのかが不透明になります。家族それぞれが異なる期待や不安を抱くようになり、不信感や不満が募ります。
特に、親族内承継では、経営者の子供や親族が後継者となることが多いですが、後継者候補が複数いる場合に誰が引き継ぐのか、明確なコミュニケーションがないと親族間のトラブルに発展しやすくなります。

2. 準備不足による混乱と事業への悪影響

事業承継には、後継者の育成、株式や資産の移転、税金対策など、様々な準備が必要です。これらを先延ばしにすると、いざ承継が必要になった時に十分な準備ができず、社内が混乱したり、会社の業績が悪化したりするリスクが高まります。
例えば、経営者の突然の体調不良などにより、急な承継が必要になった場合、準備不足が顕著になります。

3. 公平性の欠如と感情的な対立

後継者選びが明確でないまま時間が経過すると、特定の家族が優遇されているように見えたり、他の家族が不当に扱われていると感じたりする可能性があります。
特に、株式の相続を巡る問題は親族トラブルの大きな原因となり、後継者に経営権を集中させることが困難になるケースも発生します。

4. 経営者のリーダーシップの低下

後継者問題を避ける経営者は、結果的に会社の将来に対するリーダーシップを発揮できていないと見なされることがあります。これは従業員の士気にも影響を与え、会社のガバナンスが機能不全に陥る可能性も秘めています。

承継する

手っ取り早い改善策

1. 早期の事業承継計画策定と後継者への意思確認

事業承継は、経営者が60歳前後(平均年齢は60代)になったら検討を始めるのが一般的ですが、5〜10年程度の準備期間が必要とされています。現在の経営者の年齢が若くても、早期からの準備が極めて重要です。

引退時期の明確化: まずは、現経営者が「何歳で引退したいか」を明確に設定し、家族や関係者に伝えます。
後継者の早期選定と意思確認: 後継者候補をできるだけ早く選定し、本人に「会社を継ぐ意思と覚悟があるか」を継続的に確認します。後継者の適齢期は40代が良いとされており、この時期に承継すると満足度が高いという調査結果もあります。

事業承継計画の策定: 後継者の選定、育成、株式・資産の移転、税金対策、資金計画など、事業承継に関する具体的な計画を「事業承継計画書」として作成します。これにより、家族全員が将来の方向性を共有し、不透明さを解消できます。

2. 透明性の高いコミュニケーションの徹底

家族間での情報格差をなくし、オープンな対話の場を設けることが重要です。

定期的な家族会議の開催: 事業承継に関する公式な家族会議(ファミリーボード)を定期的に開催し、全員が参加して意見を述べられる機会を設けます。そこでは、会社の現状、経営課題、後継者育成の進捗、株式や資産に関する情報などをオープンに共有します。親族トラブルの多くはコミュニケーション不足に起因するため、透明性が不可欠です。

役割と期待の明確化: 後継者だけでなく、他の家族メンバーに対しても、会社での役割や将来の関わり方、あるいは会社から離れる場合のサポートなど、それぞれの期待と役割を明確に話し合い、合意を形成します。これにより、家族間の貢献度に対する不公平感を軽減します。

3. 多様な承継方法の検討と情報提供

親族内承継に固執せず、複数の選択肢を検討することも有効です。

親族外承継の検討: 親族に適任者がいない場合や、本人の意思がない場合は、従業員や役員への承継(親族外承継)を検討します。この場合、後継者が株式を買い取る資金が必要になることがあります。

M&Aの検討: 親族にも社内にも後継者が見つからない場合は、M&A(第三者への事業承継)も有力な選択肢となります。特に業績が好調なタイミングであれば、M&Aによって有利な条件で会社を譲渡できる可能性があります。M&Aは従業員の雇用維持や事業の存続にもつながります。

情報提供と教育: 各承継方法のメリット・デメリット、必要な準備、税制優遇(事業承継税制など)など、客観的な情報を提供し、家族全員が知識を深める機会を設けます。
外部専門家の積極的な活用
家族だけでの解決が難しい問題には、第三者の客観的な視点と専門知識が不可欠です。

事業承継の専門家への相談: 税理士、弁護士、公認会計士、中小企業診断士、M&A仲介会社などの専門家は、事業承継計画の策定、税務対策、法務面でのアドバイス、後継者育成の支援、M&Aの仲介など多岐にわたるサポートを提供してくれます。

相続問題の専門家への相談: 相続に関するトラブルが予想される場合は、弁護士や税理士に相談し、遺言書の作成や遺留分対策など、法的な側面からの準備を進めます。

4. 納税資金の確保と節税対策

事業承継には、高額な贈与税や相続税が発生する可能性があり、納税資金の確保が重要です。
早期の税務対策: 株式評価額を下げる対策や、事業承継税制の活用など、税理士と連携して節税対策を早期に実施します。

若手社長

結びに

後継者選びの先延ばしは、会社の存続だけでなく、家族関係そのものを危うくする可能性があります。上記の手っ取り早い改善策を参考に、早めに具体的に行動を起こすことが、円滑な事業承継と家族の永続的な幸福のためには不可欠です。




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上原輝夫
専門家

上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・メンタルケア・終活を応援、サポートします。お客さまにとって何でも話せる気軽で身近な相談相手を目指しています。

上原輝夫プロは琉球放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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