家族間の会話が仕事中心になりプライベートが失われる

上原輝夫

上原輝夫

テーマ:同族.家族経営の心理的.感情的な悩み後悔

同族家族経営の会社で、家族間の会話が仕事中心になりプライベートが失われる問題は、多くの経営者家族が直面する課題です。以下に原因と手っ取り早く出来る改善策を整理したいと思います。


家族の会話が仕事中心になる原因

境界線の曖昧さ

同族.家族経営では、家庭と仕事の境界線が曖昧になりがちです。特に、自宅が職場と兼ねている場合や、家族が常に一緒にいる環境では、自然と仕事の話題がプライベートな時間にも持ち込まれやすくなります。
家族間の意見の衝突がそのまま職場の対立になり、逆に職場での意見の衝突が家族の対立を引き起こしたりします。

役割の混同

家族社員やメンバーが、経営者、従業員、配偶者、子供といった複数の役割を同時に担うため、それぞれの役割に応じた適切なコミュニケーションが難しくなります。家庭での会話が、会社の指示や業務報告の場になってしまうことがあります。

経営者の意識

「社員は家族」という経営理念を持つ経営者もいますが、これが「家族も会社の構成員」という意識にすり替わり、「家族だからこそ常に仕事の話をすべき」という考えにつながることもあります。結果として、家族のプライベートな時間や感情が尊重されにくい環境に置かれてしまいます。

後継者育成への焦り

特に、後継者と目される家族に対しては、経営者としての能力を早期に身につけさせたいという焦りから、仕事の話題が優先され、プライベートな会話が後回しになる傾向があります。

家族ミーティング

手っ取り早く出来る改善策


1. 物理的・時間的な境界の明確化

最も手っ取り早い改善策は、物理的・時間的に仕事とプライベートの境界を明確にすることです。

「仕事モード」と「家族モード」の切り替え: 出勤・退勤の時間を明確に設定し、家に着いたら仕事の話題は持ち込まないなど、家族間でルールを決めます。例えば、「夕食中は仕事の話をしない」「週末は仕事の連絡は最低限にする」といった取り決めが有効です。

物理的な区画の創設: 可能であれば、自宅内に仕事専用のスペースを設け、そこから出たら仕事の話はしないというルールを徹底します。これにより、空間的な区切りが意識の切り替えを促します。

「ノー・ビジネス・タイム」の導入: 家族全員で楽しめる「ノー・ビジネス・タイム」を週に数時間設定し、その時間は一切仕事の話をしない、というルールを徹底します。この時間は、純粋に家族として過ごすための時間と位置づけます。

2. コミュニケーションルールの設定

議題の明確化: 家庭での会話と仕事に関する会話を意図的に区別する訓練を行います。家庭内会議を設ける場合でも、事前にアジェンダを共有し、仕事の議題と家庭の議題を明確に分けて議論します。

「仕事の話は会社で」の徹底: 家族の間でも、仕事に関する重要な議論や意思決定は、会社の会議室や業務時間内に行うという意識を徹底します。家庭内での気軽な会話に仕事を持ち込まないよう意識します。

感情と役割の分離: 家族だからこそ感情的になりやすい側面を認識し、仕事の話をする際は「経営者として」「上司として」と役割を意識して話すよう努めます。プライベートな関係性に仕事の感情的な側面を持ち込まないようにします。

3. 家族会議の質の向上

定期的な家族会議の開催(ビジネスとプライベートを分ける): ビジネスに特化した定例会議と、家族のプライベートな情報共有や親睦のための「家族会議」を明確に分けて開催します。後者の家族会議では、仕事の話は禁止とし、趣味や健康、休日の予定など、個人的な話題に集中します。

議題設定とファシリテーション: 家族会議の議題を事前に共有し、特定の人が一方的に話すのではなく、全員が発言しやすい雰囲気を作ります。時には外部の人間(コンサルタントなど)をファシリテーターとして招き、話し合いの方向性を調整してもらうことも有効です。

4. 外部の目を活用する

社内体制の整備: 家族以外の従業員が意見を言いやすい環境を整えることで、家族間のコミュニケーションが業務の中心になりすぎることを防ぎ、社内全体の風通しを良くします。これにより、家族が「仕事は会社で完結する」という意識を持つよう促します。

メンターや顧問の導入: 家族経営の外部に、経営や家族関係について相談できるメンターや顧問を置くことで、家族間の問題が会社の経営に影響を及ぼす前に解決策を見つける手助けとなります。外部の客観的な視点は、家族だけでは気づきにくい問題点や改善策を提供してくれます。

5. 家族の「意味」の再構築

共通の趣味や活動: 仕事以外の共通の趣味やレジャー活動を家族で定期的に行う機会を設けます。これは、家族が「会社の一員」としてではなく、「家族」として楽しむための時間であり、そこから生まれる共通体験は、家族の絆を深めることにつながります。

変革

結びに

家族であっても、それぞれが独立した個人であり、それぞれのプライベートな時間や空間、趣味嗜好を尊重する意識を持つことが重要です。仕事の話題に偏らず、相手の個人的な関心事にも耳を傾ける努力が必要です。

同族家族経営における仕事とプライベートの境界を明確にし、家族が「家族」であることの意味を再確認していけば、健全な関係に戻れる日が必ずやってきます。




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上原輝夫
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上原輝夫(経営・生き方・終活カウンセラー/行政書士)

行政書士ヒューマンサポートオフィス

資格と前職での経験、これまでの実績を最大限に活かし、「会社と家族の相談相手」として、経営・メンタルケア・終活を応援、サポートします。お客さまにとって何でも話せる気軽で身近な相談相手を目指しています。

上原輝夫プロは琉球放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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