役割と責任の不明確さが同族.家族経営を苦しめる

同族・家族経営の会社であるからこそ、明確な役割分担が曖昧になることがあります。例えば、親族間の「甥・姪」「いとこ」「親子」「兄弟」などの関係が、仕事上の「社長」「部長」「社員」といった役職と入混じることで、役割と立場が混在し指示系統や責任が不明瞭になります。

また、重要な意思決定が会社外で親族や家族の集まり等、非公式に行われることがあり、関係者が蚊帳の外に置かれます。「家族メンバー」が聖域化され、親族や家族社員のパフォーマンスや行動に問題があっても、注意や是正がなされず、他の従業員との間に不公平感が生まれます。



改善策としてアドバイスしているのが、先ず、 役割と責任を「見える化」することです。家族・非家族を問わず、業務上の役割、責任範囲、意思決定権限を文書化し、社内で共有できるようにしなければなりません。これは信頼構築の第一歩になります。

次に、 公式な意思決定プロセスを導入しましょう。会議を定期的に開催し、議事録公開性にし、社員であれば誰でも閲覧できるようにしておくことで、透明性と参加感が高まります。親族や家庭で決めたことも、業務へ反映する前に必ず会議で話す習慣が大切です。

また、社内での定期的なアンケートの実施や懇談会、1on1ミーティングを通じて、非家族社員の声が意思決定や運営に反映される取り組みも必須です。「同族・家族経営の外にいるけど、組織をつくっている一員だ」と感じてもらうことが肝要です。

同族・家族経の会社には“見えない力学”があるからこそ、丁寧な言語化とより密接な対話がとても重要になってきます。




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