金融機関が融資に消極的になる会社
銀行や信用金庫あるいは政府系の金融機関では、顧客からの借入の申込みについて、3期分の決算書において「返す」チカラ、いわゆる返済財源が、備わっているかどうかを審査のポイントとしてチェックをします。この返済財源にあたるのが「キャッシュフロー」と呼ばれるものです。キャッシュフローとは、1年間の経営で、新たに蓄積されたお金のことを指します。
では、具体的に、1年間の収支でプラスになり蓄えられたお金は、先ず、利益として計上されます。その利益に応じて税金を支払いますので、利益から税金相当額を差し引いた「税引後利益」がキャッシュフローを構成します。次に、キャッシュフローを構成するのが「減価償却費」です。減価償却費は経費項目で計上がされていますが、同じ経費の「給料」や「水道光熱費」のように手元からおカネが出ていかない、支払いが発生しない経費です。キャッシュアウトしていないから、その分だけ、使えるお金が溜まっていという見方で、キャッシュフローを次に構成しています。
仮に「税引後利益」が120万円で「減価償却費」が50万円であれば、キャッシュフローは170万円となり「返済財源」として年間170万円の返済が可能であるとの見方が成り立ちます。例えば、収支トントンの決算で、税引後利益が10万円だった場合は、プラス減価償却費50万円で、キャッシュフローは60万円となります。税金をなるべく、支払いしたくないと、利益を極端に抑え節税し過ぎると、借入の際は、返済財源を低く見積もられます。
返済財源が小さくなったことで、思うような借入が出来ず、資金繰り全般が厳しくなったケースがあります。社長さんは、今後の借入のことも考慮して、ある程度の利益を確保しながら、経営を舵取りしていく責任があります。
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