登記と公信力

宮本裕文

宮本裕文

登記の公信力。


「公信力」 コトバンク引用
○権利の存在を推測できるような外形がある場合には、真実の権利が存在しないときにも、
その外形を信頼して取引をした者に対し、真実の権利が存在したのと同様の効果を認める
効力。

(登記の内容が真実でない場合)
●民法では「登記の公信力」を採用せず、たとえ登記の内容を信じて取引したとしても、その
権利は取得できないとされています。

例えば、Aさんが登記事項証明書を確認して、土地の所有者がBさんであると信じて購入した
場合であっても、実際はBさんが不正な手段で登記内容を変更していて、真実の所有者が別
に存在する場合には、Aさんは所有権を取得することはできません。これは、真実の権利者の
利益を保護するためとされています。

Bさんに売買代金を支払ってしまった場合は、Aさんの責任で返還請求を行わなければならない
こととなります。

従って、ある人から不動産を買受けようとする場合、取引の相手方が真実の所有者か否かを、
登記事項証明書だけで調査するのは不十分であり、権利者になった経緯の聞き取りや、登記
済証(登記識別情報通知等)の確認が必要となります。

また、取引の前日には念のため登記事項証明書を取得し、権利の移動がないか等の調査も
重要です。

●「登記に公信力がない。」とは、登記を信じて取引をしても権利は守られないということです。



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宮本裕文(宅地建物取引業者)

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