借家の給湯器が故障、設置したのは前の入居者!修理費の負担は誰なのか?

宮本裕文

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修理費の負担は家主か現入居者か?


●借りている一戸建ての住宅に設置されている給湯器が故障しました。給湯器のメーカ
ーに連絡したところ、出張料と修理費で3万円前後かかるとのこと・・・。

●家主に連絡したところ、「その給湯器は、前の入居者が設置したもので残置物となり、
私には修理義務が無い。」といわれました。
(以前はシャワーがなく、家主の承諾を得て前入居者が設置した。)
家主に修理費の負担義務はないのでしょうか?

前入居者の設置物に関しては、契約前に特約を結ぶことも多くあります。例えば、「給湯
器は前の入居者が設置したものです。使用は構いませんが故障したときの修理費等は、
新たな借主の負担となります。」などです。

修理費の借主負担特約がある場合でも、一般的には軽微な修理費、つまり少額の負担
だと考えられています。
3万円前後の修理費は、一般に軽微で少額とはいえません。
従って、特約がある場合でも家主の負担が妥当かと思われます。


(では、前入居者が残した設備等についての考え方は)

●家主は、前入居者が設置した給湯器を残したままでの退去を認めているので、この
給湯器は前入居者から家主に無償で譲渡され、所有権も家主に移転したものとみなさ
れます。

やはり、給湯器は家主のものとなり、現入居者に対して通常の使用ができる状態にす
る義務が生じ、修理負担をするべきだと考えられます。


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