○道路に始まり道路で終わる○
コウモリの存在は瑕疵か?
事例)
買主Aさんは、中古住宅を購入し、入居後すぐに屋根裏にコウモリが多数棲息して
いることを発見した。屋根裏には大量の糞が残されていた・・・。
この場合、買主Aさんは売主Bさんに対して瑕疵担保に基づく損害の賠償を請求
することはできるのか?
○屋根裏にコウモリが生息していることが、建物の瑕疵と言えるのか?
買主が売主に対して、瑕疵担保責任を追及するには、
・売買対象物件に瑕疵があること。
・その瑕疵が隠れたものであること、通常の注意では発見できないこと。
が必要となります。
また、買主が売買契約を解除するには、その瑕疵によって買主が契約した目的
を達成できないことなどが必要となります。
ちなみに、瑕疵担保責任は無過失責任なので、コウモリの存在について売主が
知っていた否かや、過失は必要とされていません。
このケースの場合、コウモリは害獣とまでは言えませんが、一般的には不気味な
存在であり大量の糞などは、清潔さや快適さを大きく損なうものとなります。
よって、契約の解除までは請求できませんが、コウモリの駆除に要する一部費用
などは請求できる可能性はありそうです。(私的な考えですが。)
シロアリの発生もよく問題になりますが、虫や小動物の被害も瑕疵担保責任の
対象となることがありそうです。
ちなみに、媒介業者はコウモリの存在を疑うべき事情がなかった場合には、特に
媒介上の注意義務を怠ったとは認められないと思います。
売買契約締結時の「物件状況確認書(告知書)」はトラブル防止の重要な書面
になりそうです。
現状有姿と瑕疵担保責任。
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