配偶者とのお金の意識の違いを乗り越えるために⑥
大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
「先生、主人がお金の話になると嫌な顔をするんです。」
FPとしてご相談を受けていると、このようなお話をよく伺います。
・家計簿は自分だけが見ている
・老後資金の話をすると話題を変えられる
・「何とかなるだろう」と言われて終わってしまう
一方で、ご主人からは、
「妻に任せているから大丈夫だと思っていた。」
という言葉を聞くこともあります。
どちらが悪いということではありません。
実は、お金に対する考え方や役割が違うことは、多くのご夫婦に共通する悩みなのです。
相談事例「老後の話をするとケンカになります」
今回ご紹介するのは、58歳のBさん(仮名)のご夫婦です。
お子さんは社会人となり、ご夫婦二人の生活が始まっていました。
Bさんは家計を長年管理してきたため、
「退職後の生活費は足りるのか」
「年金だけで生活できるのか」
ということが気になり始めました。
そこである日、ご主人に、
「退職金のことを一度話さない?」
と声をかけたそうです。
しかし返ってきた言葉は、
「まだ先のことだろう。」
それ以来、お金の話をすると気まずい空気になってしまい、話し合いができなくなってしまったといいます。
「家計に無関心」ではなく「考えるきっかけがなかった」
私は、ご主人にもお話を伺いました。
すると、意外な答えが返ってきました。
「妻がしっかり管理してくれているから、自分は心配しなくていいと思っていました。」
つまり、ご主人は無関心だったのではなく、
「任せていることが信頼だ」と考えていたのです。
一方でBさんは、
「一緒に考えてほしい。」
と思っていました。
同じ家庭でも、お互いの受け止め方には大きな違いがあったのです。
夫婦で「知っている情報」が違う
このご夫婦で整理してみると、
Bさんは、
・毎月の生活費
・預貯金
・保険
・教育費
まで把握していました。
しかし、ご主人は、
・退職金の見込み
・年金額
・退職後の働き方
を中心に考えていました。
つまり、
見ているお金が違っていた
のです。
だから話がかみ合わなかったのです。
老後資金は「どちらか一人」で考えない
50代までは、
家計をどちらか一人が管理していても問題ないかもしれません。
しかし、退職後は夫婦二人で生活していく時間が長くなります。
だからこそ、
・生活費はいくら必要か
・年金はどのくらい受け取れるか
・何歳まで働くか
・旅行や趣味にどのくらい使いたいか
こうしたことは、
夫婦で共有しておくことが大切です。
話し合いは「数字」から始めない
「じゃあ、今日から家計簿を見せよう。」
そう思われるかもしれません。
でも、実はおすすめしません。
数字だけを並べると、
「足りる」「足りない」
という話になり、意見がぶつかりやすくなります。
まずは、
「退職したら何をしたい?」
「旅行はどこへ行きたい?」
「どんな暮らしが理想?」
そんな未来の話から始める方が、自然に会話が広がります。
目的が見えると、お金の話もしやすくなるのです。
「正しい・間違い」で話さない
ご夫婦のお金の話で一番避けたいのは、
「あなたは間違っている。」
という伝え方です。
例えば、
「もっと貯金しないとダメでしょう。」
ではなく、
「私は将来こういうことが少し心配なんだ。」
と、自分の気持ちを伝えることが大切です。
お金の話は、家計の話であると同時に、
価値観の話でもあります。
だからこそ、相手を否定しないことが大切なのです。
今日の小さなアクション
今夜、こんな質問をしてみてください。
「退職したら、一番楽しみにしていることって何?」
お金の話をするのではなく、
未来の話をしてみましょう。
その先に、
自然と家計や老後資金の話がつながっていきます。
FPからのワンポイントアドバイス
私はご相談の際、最初から「家計簿を見せてください」とは言いません。
まずお聞きするのは、
「10年後、どんな暮らしをしていたいですか?」
という質問です。
理想の暮らしが見えると、
必要なお金も見えてきます。
お金は目的ではなく、
理想の暮らしを実現するための手段だからです。
まとめ
夫婦のお金の考え方が違うことは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、
・相手を変えようとしないこと
・将来の暮らしを一緒に考えること
・少しずつ情報を共有すること
です。
50代は、夫婦で「これからの人生」を話し合う絶好のタイミングです。
家計を整えることは、人生を整えること。
その第一歩は、「お金の話」ではなく、「未来の話」から始めてみてはいかがでしょうか。
私の家庭では「まず健康」
老後は二拠点生活を目指しています・・・。
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