自動車保険の見直し方法
大分で活動しているファイナンシャルプランナーの三重野徹です。
「子どもが大学を卒業したら、もっと貯金できると思っていたんです。」
FP相談で、50代の方からよく聞く言葉です。
大学の授業料や仕送り、塾代、習い事など、長年家計を圧迫してきた教育費。
「あと○年で終わる」と、その日を目標に頑張ってきた方も多いでしょう。
ところが、いざ教育費が終わってみると、
「思ったほど貯金が増えていない」
「むしろ毎月何に使っているのか分からない」
そんな状況になっているご家庭は意外と少なくありません。
今回は、実際の相談をもとにしたモデルケースから、
教育費終了後の50代の家計をどう立て直せばよいのかを考えてみましょう。
相談事例「月8万円浮くはずだったのに…」
今回ご紹介するのは、大分市の54歳の女性。
ご主人と二人暮らしで、お子さんは大学を卒業して社会人になりました。
大学時代は、学費や仕送りなどで年間100万円以上の負担がありました。
そのため奥様は、
「子どもが卒業すれば、毎月7~8万円くらいは老後のために貯められる」
と考えていたそうです。
ところが、卒業から1年以上たっても、預金残高は思ったほど増えていません。
奥様から出た言葉が、
「教育費はなくなったはずなのに、お金が残らないんです。」
でした。
家計を整理すると見えてきたこと
そこで、教育費がかかっていた頃と現在の支出を一緒に比較してみました。
すると、いくつかの変化が見えてきました。
例えば、
・外食が少し増えた
・夫婦の旅行が増えた
・車を買い替えた
・自宅の修繕費がかかった
・子どもへのちょっとした援助が続いている
一つひとつを見ると、決して「無駄遣い」と言えるものではありません。
問題は、教育費が終わったことで生まれた余裕が、いつの間にか別の支出に置き換わっていたことでした。
人は「余ったお金」を自然には貯められない
「教育費がなくなったら、その分は自然に貯金できる。」
そう思ってしまいがちですが、実際にはなかなかそうはいきません。
例えば毎月8万円の教育費がなくなったとしても、その8万円を先に貯蓄へ移さなければ、
「少しくらい使っても大丈夫」
という感覚が生まれやすくなります。
月1万円の外食、月1万円の趣味、少し良い買い物……。
一つひとつは小さくても、年間で見ると大きな金額になります。
家計には、収入や余裕が増えると、それに合わせて支出も増えやすいという特徴があります。
だからこそ、教育費終了後は家計を一度リセットする必要があります。
私が提案したのは「全部貯める」ではありません
奥様には、
「教育費として払っていた8万円を、これからは全部貯金してください」
とはお伝えしませんでした。
長い間、子育てや教育費を優先してきたのですから、
これから夫婦で旅行をしたり、自分たちの楽しみに使ったりするお金も必要です。
そこで一緒に考えたのが、
「貯める・備える・楽しむ」の3つに分ける方法です。
例えば月8万円の余裕ができたなら、
・4万円……老後資金
・2万円……住宅修繕や車など将来の支出
・2万円……旅行や趣味など楽しむお金
というように、最初から役割を決めます。
大切なのは、この金額そのものではありません。
「余ったら貯める」から「先に行き先を決める」へ変えることなのです。
50代には「これから必要になるお金」もある
教育費が終わった50代は、老後資金を増やす大きなチャンスです。
しかし、すべてを老後資金に回せばいいわけでもありません。
これから10~15年の間には、
・自宅のリフォーム
・車の買い替え
・親の介護
・子どもの結婚
・医療費
など、まとまった支出が発生する可能性があります。
そのため、
老後まで使わないお金と、 老後までに使う可能性があるお金
を分けておくことが大切です。
ここを分けずにNISAやiDeCoなどへ資金を回してしまうと、必要なときに現金が足りなくなる可能性があります。
資産形成を始める前に、まず「お金の役割」を整理する。
これが50代の家計では非常に重要です。
相談者の家計に起きた変化
家計を整理した奥様は、教育費終了後に生まれた余裕の一部を、自動的に老後資金へ回すようにしました。
そして残りは、将来の大きな支出と夫婦の楽しみのために確保しました。
すると、
「使ってしまったらどうしよう」
という不安が少なくなったそうです。
なぜなら、
「使っていいお金」と「残しておくお金」が分かったからです。
家計改善というと、支出を減らすことばかり考えがちです。
しかし本当に大切なのは、お金に役割を持たせることなのです。
50代は「老後資金づくりのラストスパート」ではない
50代になると、
「あと10年しかない」
と焦る方もいらっしゃいます。
でも私は、
「まだ10年ある」
と考えてほしいと思っています。
例えば教育費終了後、毎月5万円を10年間積み立てれば、運用益を考えなくても600万円です。
毎月3万円でも360万円になります。
大切なのは、急いで大きく増やそうとすることではありません。
教育費として出ていたお金の一部を、少しずつ「自分たちの未来のためのお金」に切り替えること
です。
今日の小さなアクション
教育費が一段落した方は、ぜひ一度計算してみてください。
「教育費が終わって、毎月いくら家計に余裕ができた?」
そして、そのお金を
貯める・備える・楽しむ
の3つに分けてみましょう。
完璧な金額でなくても構いません。
お金の行き先を決めるだけで、家計は大きく変わります。
FPからのワンポイントアドバイス
教育費が終わった直後は、50代の家計を見直す絶好のタイミングです。
私なら最初に確認するのは、
「教育費として出ていたお金は、今どこへ行っていますか?」
ということ。
ここを確認すると、家計改善のヒントが見つかることがよくあります。
そして、もう一つ大切なのは、全部を老後のために我慢しないこと。
今を楽しむお金と、未来を守るお金。その両方をつくる。
これが50代からの家計管理では大切です。
まとめ
「教育費が終わったのに貯金できない」
その原因は、必ずしも浪費ではありません。
教育費がなくなったあと、そのお金の次の行き先を決めていなかっただけかもしれません。
50代は、
子どものためのお金から、自分たちの人生のためのお金へ。
家計の主役を切り替える時期です。
教育費終了を「家計がラクになった」で終わらせず、
これからの10年をどう過ごすのか、一度お金の流れを整理してみてはいかがでしょうか。
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