変形性股関節症で膝が痛くなる原因|股関節と同じ側・反対側に痛みが出るのはなぜ?

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「キャリーケースを引くと片方の膝が痛い原因|旅行中の体の傾きと歩き方の関係」という内容になります。
旅行や帰省でキャリーケースを引いて歩いていると、普段はそれほど気にならないのに、片方の膝だけが痛くなることがあります。
「荷物はキャスターが支えているのに、なぜ膝が痛くなるのだろう」
「右手でキャリーケースを引いているのに、反対側の左膝が痛むのはなぜ?」
「旅行中に歩きすぎただけなのか、それとも膝が悪くなっているのか」
このような疑問や不安を感じる方も少なくありません。
キャリーケースは、手提げバッグのように荷物の全重量を持ち上げ続ける必要がないため、一見すると身体への負担が少ないように思えます。しかし実際には、ケースの方向を調整し、横へ振られないように支えながら歩く必要があります。
そのため、何も持たずに歩いているときと比べて、腕の振り方や体の傾き、骨盤の動き、左右の歩幅が変わりやすくなります。さらに旅行中は、普段より長い距離を歩くことに加えて、駅の階段や坂道、硬い床、慣れない靴などの条件も重なります。
キャリーケースを引いたときに片膝が痛む場合、膝だけに問題があるとは限りません。荷物を引く姿勢によって生じた体の傾きや、股関節・足首を含めた歩き方の変化が、片方の膝へ負担を集中させていることがあります。
今回は、旅行の荷物を持って歩くと片膝が痛くなる理由について、身体に負担が加わる過程から詳しく解説します。
目次
1.キャリーケースを引くと片膝が痛くなる理由

キャリーケースを引く動作では、荷物の全重量を腕で持ち上げているわけではありません。しかし、キャスターが付いているからといって、身体に負担がかからないわけではないのです。
キャリーケースは常に一定方向へ進むとは限りません
何も持たずに歩く場合、両腕は左右交互に振られ、胸や骨盤も歩行に合わせて自然に回旋します。左右の脚を交互に前へ運びながら、身体全体でバランスを保つのが通常の歩行です。
一方、キャリーケースを引くときは、片方の腕を身体の斜め後方へ伸ばした状態になります。ケースが真っすぐ動いているときでも、引いている腕には後方への力が加わります。
さらに、駅の床の継ぎ目や点字ブロック、道路の小さな段差などにキャスターが引っかかると、ケースは急に減速したり、横へ振れたりします。そのたびに身体はケースの動きを修正しなければなりません。
まず腕や肩でケースの方向を調整し、その動きが胸郭や骨盤へ伝わります。そして、傾いた身体を倒れないように支えるため、片方の脚に体重が集中します。
この動きが数歩だけであれば、大きな問題にならないこともあります。しかし旅行中のように、キャリーケースを引いた状態で長い距離を歩くと、同じ修正動作が何度も繰り返されます。
ケースを引く、身体が傾く、片脚で支える、膝が負担を受けるという流れが積み重なり、片方の膝に痛みが現れやすくなるのです。
また、ケースが重いほど、動き始めに必要な力や、進行方向を変えるときに必要な力も大きくなります。空港や駅の平らな床では問題がなくても、屋外の舗装路や坂道へ出た途端に膝が痛くなる場合は、キャスターを動かすための負担が増えている可能性があります。
2.片手で引くと体の重心はどう変わる?

キャリーケースを片手で引くと、身体の左右に同じ動きが起こるわけではありません。引いている側の腕が後方に残りやすくなるため、胸や骨盤の回旋にも左右差が生まれます。
腕が後ろに残ると胸の動きが制限されます
通常の歩行では、右脚が前へ出ると左腕が前へ振られ、左脚が前へ出ると右腕が前へ振られます。この腕と脚の交互の動きによって、身体の回旋が滑らかに行われます。
しかし、右手でキャリーケースを引いている場合、右腕は身体の後方に残ったままになります。右腕を前へ振ることができないため、右肩や胸の動きが制限されます。
胸の回旋が小さくなると、身体は別の場所で動きを補わなければなりません。その結果、骨盤を必要以上に回したり、上半身を左右へ傾けたりして、ケースを引きながら前へ進もうとします。
骨盤の動きが変わると足の運びも変わります
骨盤の回旋に左右差が出ると、左右の脚を同じように前へ出しにくくなります。
片方の歩幅が短くなったり、片脚だけ外側へ回して出したり、キャリーケースへ足が当たらないように足幅を広げたりすることもあります。
また、ケースを引いている側へ上半身が傾く場合もあれば、ケースの重さへ対抗するために反対側へ身体を傾ける場合もあります。
どちらの傾き方であっても、身体の中心は左右どちらかへ移動します。その状態で歩き続けると、膝へかかる力も左右均等ではなくなります。
キャリーケースを片手で引く動作では、腕だけが通常と違うのではありません。胸郭、骨盤、股関節、膝、足首まで、歩行全体の使い方が変わります。
外から見ると普通に歩いているようでも、身体の中では片方の脚が体重を支え続けたり、もう一方の脚が方向を修正したりしています。この小さな左右差が長時間続くことで、片膝の痛みにつながります。
3.引いている側とは反対の膝が痛むこともある

キャリーケースを右手で引いていると、右膝へ負担がかかると考える方が多いかもしれません。しかし、実際には右手で引いているのに左膝が痛むこともあります。
引いている側と痛む膝の側は、必ずしも一致しません。
反対側の脚が身体を支える場合があります
右手でケースを引いたとき、ケースの重さによって身体が右後方へ引かれるとします。そのままでは身体が傾いてしまうため、反対側の左脚に体重を移し、身体を支えることがあります。
この状態では、左脚で身体を支えている時間が長くなります。歩くたびに左膝へ体重が乗り、膝の内側や前側へ負担が集中しやすくなります。
一方で、右脚はキャリーケースの進行方向を調整するように使われることがあります。右脚を外側へ開いたり、歩幅を小さくしたりして、ケースが足へ当たらないようにするためです。
つまり、片方の脚は身体を支え、もう片方の脚は方向を調整するというように、左右の脚で異なる役割を担うことがあります。
痛みは負担が集中した場所に現れます
膝に痛みが出る側は、キャリーケースを持っている側だけで決まるものではありません。
もともと足首が硬い側、股関節が動きにくい側、過去に膝を痛めた側、普段から体重をかけやすい側など、身体の状態によって負担が集中する場所は変わります。
引いている側の膝には、ケースの方向を変えるためのねじれが加わりやすくなります。反対側の膝には、身体を支えるための圧力が加わりやすくなります。
そのため、右手で引くと右膝が痛む人もいれば、左膝が痛む人もいるのです。
大切なのは、痛む膝だけを見るのではなく、キャリーケースを引いたときに身体がどちらへ傾き、どちらの脚で支え、左右の足がどのように動いているかを確認することです。
4.旅行中は歩行量・段差・坂道が重なりやすい

旅行中の片膝痛は、キャリーケースを引く動作だけで起こるとは限りません。旅行では、普段の生活にはない複数の条件が同時に重なるため、膝への負担が一気に増えやすくなります。
普段より長く歩くことで疲労が蓄積します
普段は車で移動することが多い方でも、旅行中は駅や空港、観光地、宿泊施設などを歩いて移動します。
歩き始めは問題がなくても、歩行時間が長くなると、お尻や太ももの筋肉が疲れてきます。脚の筋肉が疲れると、股関節や足首を使って衝撃を吸収することが難しくなり、膝が衝撃を受け止める割合が増えます。
さらにキャリーケースを引いていると、左右の腕振りが制限され、歩幅にも左右差が生まれます。通常の歩行だけでも疲労が蓄積するところへ、荷物による姿勢の変化が加わるため、片膝へ負担が集中しやすくなります。
その結果、歩いている最中に膝の内側が痛む、歩き始めに前側が痛む、休憩後の最初の一歩がつらいといった症状が出ることがあります。
階段では体重と荷物を持ち上げる力が必要です
駅や観光地では、階段を利用する場面も増えます。
階段を上るときは、身体と荷物を上方向へ持ち上げる必要があります。片手でキャリーケースを持ち上げながら階段を上ると、上半身が片側へ傾き、片脚へ体重が集中します。
階段を下りるときは、前へ倒れないように身体を支えながら、膝を曲げて衝撃を受け止めなければなりません。キャリーケースの重さが加わると、下りるたびに膝の前側や太ももへ強い制動力が必要になります。
特に、片方の膝へ体重をかけて一段ずつ下りる癖がある場合は、同じ膝に負担が集中します。
坂道では上りと下りで負担が変わります
上り坂では身体が後ろへ残りやすくなるため、前へ進むために股関節や膝を強く伸ばす必要があります。後方にあるキャリーケースを引くことで身体がさらに後ろへ引かれると、膝や太ももへ負担が増えます。
下り坂ではケースが前へ進もうとするため、身体が引っ張られないように速度を調整しなければなりません。膝を曲げた状態でブレーキをかける動きが続くため、膝の前側や内側に痛みが出やすくなります。
坂道では、ケースの重さに加えて身体の加速や減速を調整する必要があるため、平らな道よりも膝への負担が大きくなります。
駅や空港の硬い床も影響します
駅や空港、ショッピングモールなどの床は硬く、長時間歩くと足元からの衝撃が蓄積します。
本来は足首や股関節が動くことで衝撃を分散しますが、疲労や身体の硬さによって動きが小さくなると、その衝撃が膝へ伝わります。
キャリーケースを引くことで身体が傾いている場合、左右の脚へ同じように衝撃が加わるわけではありません。体重が偏っている側の膝へ、床からの衝撃が繰り返し加わります。
このように旅行中の膝痛は、単に「歩きすぎたから」ではありません。長い歩行、階段、坂道、硬い床、荷物を引く姿勢が重なることで、普段よりも複雑な負担が片膝へ集中します。
5.膝だけでなく股関節・足首の動きも関係する

歩くときに膝だけが動いているわけではありません。足首、膝、股関節、骨盤は、それぞれが連動することで身体を前へ運び、着地の衝撃を吸収しています。
キャリーケースを引いたときに片膝が痛む場合も、膝そのものだけでなく、股関節や足首の動きを確認する必要があります。
足首が硬いと膝が方向を調整します
歩行中は、足を着いたあとに足首が前方へ曲がり、身体が足の上を通過します。
足首が十分に曲がらないと、身体を前へ進めるために、かかとを早く浮かせたり、足を外側へ向けたり、膝を内側へ入れたりする動きが起こります。
何も持たずに歩いているときは目立たなくても、キャリーケースによって身体が左右へ引かれると、足首の硬さを膝のねじれで補いやすくなります。
その結果、膝の内側や外側へ繰り返し負担が加わります。
股関節が動かないと膝の曲げ伸ばしが増えます
脚を前へ出したり、身体を前へ押し出したりする動きには、股関節の動きが必要です。
股関節が後ろへ伸びにくいと、歩幅が小さくなり、膝から下だけを前へ出す歩き方になります。反対に、股関節を外側へ開きにくい場合は、キャリーケースを避けるために膝や足先だけを外へ向けることがあります。
股関節で方向を変えられない分、膝がねじれながら曲げ伸ばしを繰り返すことになります。
骨盤の傾きが左右の膝への負担を変えます
骨盤は、左右の脚へ体重を受け渡す土台です。
キャリーケースを片手で引いて骨盤が片側へ傾くと、一方の股関節へ体重が集中します。股関節で体重を受け止められなければ、その下にある膝が負担を引き受けます。
そのため、膝へ施術を行って一時的に楽になっても、足首や股関節、骨盤の動きが変わっていなければ、次の旅行で再び同じ側の膝が痛むことがあります。
膝は足首と股関節に挟まれた関節です。上下の関節が十分に動かないと、膝が衝撃の吸収や方向転換を必要以上に引き受けます。
キャリーケースを引くときだけ片膝が痛む方ほど、膝だけでなく、身体全体の歩き方を確認することが重要です。
6.普段と違う履物の影響もあります

旅行中は、普段とは違う服装や履物を選ぶことがあります。
サンダルやヒール、底の薄い靴、新しく購入したばかりの靴などで長時間歩くと、足元の安定性や衝撃の受け止め方が普段と変わります。
そこへキャリーケースを引く動作が加わると、膝には複数の負担が同時にかかります。
サンダルは足元が安定しにくくなります
かかとが固定されていないサンダルでは、歩くたびに足が履物から離れないよう、足の指へ力を入れる必要があります。
足の指へ力が入り続けると、足首の動きが小さくなり、足裏全体で滑らかに体重を移動しにくくなります。また、サンダルが脱げないように歩幅を小さくしたり、足を持ち上げずにすり足になったりすることもあります。
その状態でキャリーケースを引くと、上半身は荷物によって傾き、足元はサンダルによって不安定になります。身体を安定させるために膝周辺の筋肉へ力が入り続け、歩いた後に膝の前側や内側が痛むことがあります。
ヒールは重心を前方へ移動させます
ヒールのある靴では、かかとが高くなることで体重が前方へ移動します。
前へ倒れないように膝を軽く曲げた状態で歩きやすくなり、太ももの前側や膝周辺へ負担がかかります。
さらにキャリーケースは身体の後方にあります。足元では重心が前へ移動し、腕は荷物によって後ろへ引かれるため、上半身と下半身で異なる方向の力を調整しなければなりません。
この状態で長時間歩くと、膝を曲げたまま身体を支える時間が増え、膝の前側に重さや痛みが出やすくなります。
底の薄い靴は床からの衝撃を受けやすくなります
底が薄く、クッション性の少ない靴では、硬い床からの衝撃が足裏へ直接伝わります。
足首や股関節が十分に動いていれば衝撃を分散できますが、旅行中の疲労やキャリーケースによる身体の傾きがあると、片方の膝へ衝撃が集中することがあります。
新しい靴の場合は、足になじんでおらず、靴ずれを避けるために歩き方が変わることもあります。痛い場所をかばって足の外側へ体重をかけると、膝にもねじれが加わります。
外から見れば、普段と違う靴を履き、キャリーケースを引いて歩いているだけに見えるかもしれません。
しかし身体には、履物による足元の不安定さ、荷物による上半身の傾き、普段より長い歩行、硬い床からの衝撃など、いくつもの負担が同時に加わっています。
旅行中の片膝痛は、一つの大きな原因で起こるというより、小さな負担が重なって限界を超えた結果として現れることが多いのです。
7.旅行のたびに片膝が痛くなる方へ

旅行中に片膝が痛くなった場合、歩きすぎや年齢のせいだけで終わらせるのではなく、キャリーケースを引いたときの身体の使い方まで確認することが大切です。
キャリーケースを片手で引くと、腕が後ろへ残り、胸郭や骨盤の回旋に左右差が生まれます。さらに、ケースの方向を制御するために身体が傾き、左右の歩幅や体重のかけ方が変わります。
そこへ長時間の歩行、階段、坂道、硬い床、サンダルやヒールなどの履物が加わることで、片方の膝へ負担が集中します。
そのため、旅行のたびに同じ膝が痛む方は、膝だけでなく、骨盤の傾き、股関節の硬さ、足首の動き、左右の体重のかけ方まで確認する必要があります。
旅行後に痛みが出た方は、痛みが落ち着くまで待つだけではなく、旅行中に生じた身体の傾きや筋肉の緊張を整えることが大切です。
痛みが一度落ち着いたとしても、身体の使い方が変わっていなければ、次に長く歩いたときや荷物を持ったときに、再び同じ膝へ負担が集中します。
また、これから旅行を予定しているものの、普段から膝の重だるさや歩き始めの違和感がある方は、痛みが強くなるまで我慢する必要はありません。
旅行前に骨盤・股関節・足首の動きを整え、左右の脚へバランスよく体重をかけられる状態をつくることで、当日の歩行や移動に備えやすくなります。
せっかくの旅行で、「膝が痛くならないか」「最後まで歩けるか」と不安を抱えながら過ごすのはつらいものです。
楽しく旅行当日を迎えるためにも、今よりも悪くなる前に身体の状態を確認しておくことが大切です。
大分駅前整体院では、痛みが出ている膝だけを見るのではなく、キャリーケースを引く姿勢や歩き方を踏まえ、骨盤・股関節・足首を中心に身体全体のバランスを確認しています。
旅行中や旅行後に片膝が痛くなった方、旅行を控えていて普段から膝の痛みや重だるさに不安を感じている方は、大分駅前整体院へご相談ください。


