運動した方がいいのは分かっている。でも始められない方へ|まず15分歩くことから

投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「毎日体操しているのに腰が痛い?仕事中に身体を動かした方がいい理由」 という内容です。
「腰痛があるので毎晩ストレッチをしている」「YouTubeを見ながら20〜30分は体操している」「整体や病院で教えてもらった運動も続けている」。それでも仕事を始めると腰が重くなり、夕方には痛みが強くなるという方は少なくありません。
中には、朝はそれほど気にならないのに、長時間座っていると腰からお尻がつらくなったり、坐骨神経痛のように脚まで痛みやしびれを感じたりする方もいます。また、パソコン作業が続くことで腰だけでなく背中まで張ってくるという相談もあります。
毎日これだけ体操しているのに変わらないと、「もっと長くストレッチした方がいいのかな」「筋トレが足りないのかな」と考えてしまうかもしれません。
しかし、ここで一度考えていただきたいのが、夜に身体を動かしている20〜30分だけではなく、それ以外の時間を身体がどのように過ごしているかということです。
夜にしっかり体操することは悪いことではありません。むしろ身体を動かす習慣として続けていただきたいことの一つです。一方で、朝から夕方まで何時間も同じ姿勢で仕事をして、その日の最後にだけまとめて身体を動かす生活になっているのであれば、日中の身体の使い方にも目を向ける必要があります。
今回はこれまで報告されている論文や研究も参考にしながら、なぜ毎日体操をしていても仕事中に腰痛や坐骨神経痛、背中の痛みを繰り返すことがあるのか、そして当院が仕事の合間に股関節や肩甲骨周辺を動かすことをおすすめしている理由について、整体院の視点から分かりやすくお伝えします。
1.毎日体操しているのに、仕事をすると腰が痛くなるのはなぜ?

夜に20〜30分ストレッチや体操を続けている方からすると、「これだけ身体を動かしているのだから、もう少し腰が楽になってもいいのでは?」と思うかもしれません。それでも仕事を始めると、数時間後にはまた腰が重くなってくることがあります。
このような場合、体操の内容だけを見直すのではなく、体操をしていない時間に何が起きているのかを考えることが大切です。
例えば、朝に車で通勤して会社に着き、その後はパソコンの前で仕事。昼休みも椅子に座って過ごし、午後も同じような姿勢で仕事を続け、帰宅するときには再び車を運転する。このような生活では、一日の中で身体を大きく動かす機会は思っている以上に少なくなります。
20分の体操だけで一日を考えない
仮に夜に20分体操をしていたとしても、それ以外の時間に座っている時間や同じ姿勢を続ける時間が長ければ、身体を動かす機会が少ない状態そのものは残っています。
だからといって、「夜の体操には意味がない」ということではありません。
夜の20〜30分の体操は続けながら、日中にも身体を動かす時間を少しずつ作る。
この考え方が、今回の記事で最もお伝えしたいポイントです。
2.気をつけたいのは「長時間、同じ状態が続くこと」

「座って仕事をしているから腰が痛い」と考える方は多いと思います。しかし、座ることそのものだけを悪者にしてしまうと、「正しい座り方をすれば大丈夫」「良い椅子に変えれば解決する」と考えやすくなります。
もちろん椅子や机の高さ、仕事中の姿勢を工夫することも大切です。ただ、それと同じくらい確認したいのが、身体が同じ状態のまま長時間過ごしていないかということです。
身体は本来、いろいろな動きを使って生活している
立つ、座る、歩く、振り返る、しゃがむ、手を伸ばす。このように日常生活では、本来さまざまな関節や筋肉を使いながら身体を動かしています。
ところがパソコン作業などでは、股関節を曲げた状態で座り、視線を画面へ向け、手元でキーボードやマウスを操作する時間が長くなります。仕事内容によっては、その姿勢を何時間も繰り返すことになります。
すると「身体をまったく使っていない」というよりも、使う場所や動きが偏った状態が長く続きやすくなります。
その状態から夕方になって立ち上がったときに腰が伸ばしにくい、歩き始めに腰やお尻がつらい、背中が張って伸びにくいと感じるのであれば、「もっと夜に体操しなければ」と考える前に、日中の過ごし方を振り返ってみることも必要です。
3.休憩時間も座ったままでは、身体を動かす機会は増えにくい

デスクワークの方に「仕事の途中で休憩していますか?」と聞くと、「ちゃんと休んでいます」と答える方は多くいらっしゃいます。
しかし詳しく聞いてみると、仕事中はパソコンの前に座り、休憩になったらそのまま椅子に座ってスマートフォンを見る。そして休憩が終わると、また同じ姿勢でパソコンへ向かうというケースがあります。
頭や目を休めるという意味では、それも休憩です。しかし身体の動きという点では、仕事中と休憩中で大きく変わっていない可能性があります。
「休む」だけでなく「一度違う動きを入れる」
そこで当院では、仕事の合間に必ず本格的な体操をしてくださいとはお伝えしていません。
一度椅子から立つ。少し歩く。股関節を曲げ伸ばしする。肩を回したり肩甲骨周辺を動かしたりする。それくらいでも、座ったまま同じ状態を続けることとは身体の使い方が変わります。
大切なのは、仕事中に完璧な運動をすることではなく、長く続いている身体の使い方を一度区切ることです。
「何分ごとに必ず運動する」「何回やらなければ意味がない」と難しく考える必要もありません。トイレへ行く、飲み物を取りに行く、コピー機まで歩くなど、普段の仕事の中にある移動も身体を動かすきっかけとして利用できます。
夜になってから20〜30分まとめて身体を動かすだけではなく、日中にも小さく身体を動かす機会を作る。そのような視点を持っていただきたいと思います。
4.仕事の合間に意識して動かしたい「股関節」

当院が仕事の合間に身体を動かす際、特に意識していただきたい場所の一つが股関節です。
デスクワークや車の運転では、股関節を曲げた姿勢が長く続きます。一方、日常生活では立ち上がる、歩く、階段を上る、しゃがむなど、股関節はさまざまな場面で使われています。
腰痛がある方では股関節の動きにも違いがみられることがあり、股関節への運動を取り入れることで短期的な痛みや身体機能に良い変化がみられる可能性も報告されています。ただし、これは「股関節が硬いから腰痛になる」「股関節を動かせば腰痛が治る」という単純な話ではありません。
腰が痛いからといって、腰だけを動かさない
例えば、長時間座ったあとに腰がつらいからと、腰だけを何度も曲げたり伸ばしたりしている方がいます。
しかし、座っている間に動きが少なくなっていたのは腰だけでしょうか。
長く座っていたのであれば、一度立ち上がって股関節を曲げ伸ばししたり、少し歩いたりすることで、座位とは違う身体の使い方ができます。腰だけを集中的に動かすのではなく、腰と一緒に働いている股関節にも動く機会を作ってあげるという考え方です。
特に「座っていると腰がつらい」「立ち上がると腰が伸びにくい」「仕事が終わる頃にはお尻まで重くなる」という方は、腰だけではなく股関節がどの程度動いているのかも確認してみる価値があります。
5.股関節と一緒に動かしたい「肩甲骨周辺」

もう一つ、当院が仕事の合間に動かすことをおすすめしているのが肩甲骨周辺です。
パソコンや書類に向かっていると、腕は身体の前にあり、視線も前方へ固定されやすくなります。下半身では股関節の動きが少なくなる一方、上半身でも肩や肩甲骨周辺、胸まわりを大きく動かす機会が減りやすくなります。
そのため、仕事中に腰がつらい方でも、腰だけではなく肩を回したり、腕を動かしたり、肩甲骨周辺を動かしたりして、上半身にも普段とは違う動きを入れてみることをおすすめしています。
背中の痛みや肩こりがある方にも共通する考え方
夕方になると腰だけでなく背中まで張る、肩や首も重くなるという方であれば、この考え方はさらに重要になります。
首や肩周辺の症状に対しては、肩甲骨周辺を含めた運動が痛みや身体機能に役立つ可能性も報告されています。ただし、ここでも「肩甲骨を動かせば腰痛や肩こりが治る」ということではありません。
股関節も肩甲骨も、それだけを動かせばいいという場所ではなく、長時間の仕事によって動かす機会が少なくなっている身体を、腰だけではなく全体から動かしていくために意識したい場所と当院では考えています。
腰が痛いから腰のストレッチだけをする。背中が痛いから背中だけを伸ばす。肩がこるから肩だけを揉む。このように症状がある場所だけを見るのではなく、その周囲を含めた身体のつながりを見ることも大切です。
6.腰痛・坐骨神経痛は「どこが痛いか」だけでなく「いつ出るか」を確認する

ここまで読むと、「では仕事中に股関節と肩甲骨を動かしておけば大丈夫なの?」と思われるかもしれません。
実際には、症状の出方は一人ひとり違います。
同じデスクワークでも、座って30分ほどすると腰が重くなる方もいれば、午前中は大丈夫なのに夕方になると痛くなる方もいます。腰だけではなく、お尻から太もも、ふくらはぎにかけて痛みやしびれが広がる坐骨神経痛のような症状が出る方もいます。
また、「座っているとつらいけれど立つと楽になる」「立っている方がつらくて座ると楽になる」「歩き始めは楽なのに長く歩くと症状が出る」など、姿勢や動作によっても違いがあります。
「何をするか」の前に「どうすると出るか」を見る
当院では腰痛や坐骨神経痛がある方を見るときに、痛い場所だけではなく、どの姿勢をどのくらい続けると症状が出るのか、その後に立つ・歩くなど身体の使い方を変えると症状がどう変化するのかも大切にしています。
ここが分からないまま、「腰痛にはこのストレッチ」「坐骨神経痛にはこの体操」と運動だけを増やしても、その方にとって必要な対策と合わないことがあります。
毎晩20〜30分体操しているのに変わらない方ほど、さらに新しい体操を追加する前に、一日のどの時間帯・どの姿勢・どの動作で身体に負担が集中しているのかを整理してみることが重要です。
これは背中の痛みについても同じです。仕事を始めて何時間後に張ってくるのか、座位と立位では違うのか、腰・背中・肩のどこからつらくなってくるのかを見ていくことで、身体の使い方を考える手掛かりになります。
7.体操を増やす前に、日中の身体の使い方を一度見直してみませんか?

毎日ストレッチや体操を続けていることは、とても良い習慣だと思います。その20〜30分をやめる必要はありません。
ただ、夜に身体を動かすことだけに意識が向き、朝から夕方までの仕事中に身体がほとんど動いていないのであれば、見直すべきなのは体操の種類や時間だけではないかもしれません。
夜に20〜30分しっかり体操する。
それに加えて仕事中にも一度立つ、歩く、股関節を動かす、肩甲骨周辺を動かすなど、身体が同じ状態のまま長く続かないようにする。
こうした小さな動きを一日の中に入れていくことも、身体への負担を考えるうえでは大切です。
頑張っているのに繰り返す方こそ、身体全体を確認する
それでも仕事をすると腰が痛くなる、座っているとお尻や脚までつらくなる、夕方になると背中まで張ってくるという場合には、「もっと体操を頑張らなければ」と考えるだけでなく、今の身体の状態そのものを確認してみてください。
股関節がどの程度動いているのか。腰や骨盤だけに動きが集中していないか。胸まわりや肩甲骨は動いているのか。立ち上がりや歩行では身体をどのように使っているのか。そして、仕事を始めてどのくらい経つと症状が出るのか。
身体のどこか一か所だけを見るのではなく、仕事中の身体の使い方と全身の動きを一緒に確認することが、繰り返している負担を考える手掛かりになります。
大分駅前整体院では、腰痛や坐骨神経痛、背中の痛みがある場所だけを施術するのではなく、股関節や骨盤、腰、胸まわり、肩甲骨などの動きや身体全体の連動を確認しながら、その方が日常生活や仕事の中でどこに負担をかけているのかを考えていきます。
「毎日体操しているのに腰痛を繰り返す」「仕事をするとまた坐骨神経痛が出てくる」「夜にストレッチすると少し楽になるけれど、次の日には背中や腰がつらくなる」。
このように自分でも身体のケアをしているのに状態が変わらず、何をすればいいのか分からなくなっている方こそ、一度ご相談ください。
体操をさらに増やす前に、今の身体に何が足りていないのか、仕事中にどのような負担が積み重なっているのかを一緒に確認していきましょう。
今よりも悪くなる前に、早めに身体の状態を整えておくことが大切です。


