愛情は安売りしちゃダメ?
以前、テレビの情報番組で
「夫の実家に帰省するのが憂鬱」
という話題を取り上げていました。
「帰省ブルー」と呼ぶようですね。
全部は見ていないのですが、
番組で取り上げられていたのが
料理を一品持ち寄ることになり、
ビーフシチューを作っていったけど
お姑さんが食卓に出してくれなくて
「あら、忘れてたわ」と言われた。
絶対にわざとに決まっている!
せっかく作って持って行った料理を
出してくれなかったのは、
ショックですよね。
そして、もう一つが
子どもにお年玉をくれるのはいいけれど
「これでお金がなくなった」
と言われるのがイヤなので、帰省しなくなった。
そうすると、
姑がお正月にやってくるようになったけれど
相変わらずお年玉をあげて
「お金がなくなった」と言う。
きっと、息子を溺愛している姑が、
嫌味で言っているに違いない
せっかくなら、気持ちよくお年玉を
いただきたいものです。
わざわざ持ってくるのですから
お姑さんが好きであげているのでしょうが
なんだか、もらう方が
悪者のような気になってしまいますね。
●出来事をつらくしているのは?
さて、両方とも
この出来事をつらくしている
共通点が一つ、あります。
それは「推測」をしていること。
今までの相手の言動や、
これまでの家族の歴史の文脈から
「きっと、こうにちがいない」
と推測しがちになりますが
実は「推測」って、
ほとんど当たらないんです。
当たっていたとしても、
100%その通りということは
ほとんどありません。
もしかしたら、
本当にビーフシチューを
出し忘れていたのかもしれないし、
何か他の理由が
あったのかもしれません。
それは意外と、
こちらには予想もつかない理由だったりします。
●たとえば、こんな理由かも
ビーフシチューを出さなかったのは、
たとえば、健康上、
ビーフシチューが食べられない人がいて、
それを出すことで、
お嫁さんと食べられない人が
お互い気まずい思いをするのを
避けようとしていたり。
あるいは、メニュー的に、
今日ではなく、
翌日のメインにしようと思っていたり。
まあ、それならそうと
言えばいいのですが、
お姑さんも気を使ったり、
説明しづらくて
「忘れてた」で済ませてしまった、
ということもあります。
●「認めてほしい」こともある
たしかに、息子さんを溺愛しているのかも
しれないですが
それと「これでお金がなくなった」
という発言は
あまり関係ないかもしれません。
人に何かを渡すときに
照れ隠しなのか、
素直に振る舞えない人って
意外といるものです。
必要以上に謙遜する人もいれば
こんなふうに言うことで
相手からのお礼や感謝を受け取る嬉しさを
隠そうとする人もいます。
あるいは、逆に
「感謝してほしい」「認めてほしい」
という気持ちが
言わせていることもあります。
●伝え方のコツ
つまり、「推測」をやめて、
とりあえず
「聞いてみる」
「自分の気持ちを伝える」
ということがオススメです。
「なかなか言えないのよ」
ということかもしれませんが、
それは
「聞く・伝える」=「相手を責める」
と思っているときです。
相手を責めない伝え方ができれば、
別に相手は不快にならないし、
こちらの疑問も解消します。
相手を責めない伝え方のコツは
「事実のみをシンプルに言う」
ということ。
たとえば
「お義母さん、
私のビーフシチューが出てなかったんですが、
何かあったんですか?」
と、責めるのではなくシンプルに聞くと、
相手も理由を言いやすくなります。
それでも「あら、忘れてたわ」と言われたら
「そうなんですね・・・。
一生懸命作ったので、食べてもらえなくて、
とても悲しかったです」
こういう言い方なら、
相手を責めることなく、
自分が傷ついた気持ちを伝えることができるので、
安全です。
●自分の気持ちを「事実」として伝える
お年玉をもらって
「お金がなくなった」と言われたときは
「実は前から、
毎回、お金がなくなったとおっしゃるので
申し訳なく思っていたんです。
私もつらいので、
これから、お年玉はいただかなくても大丈夫です。
手ぶらで遊びに来てください」
というように
「お金がなくなった」と言うお義母さんを
責めるのではなく、
その言葉が自分をつらくする、
ということを、
事実として伝えることができます。
そうすると、お義母さんも
悪気なく言っていたかもしれないことが
実は相手を傷つけていた、ということに
気づいてくれるかもしれません。
推測をやめて、
わからないことは聞いてみる。
そして、
自分の気持ちも事実として伝えてみる。
そうすると、
必要以上に不快な気持ちに
振り回されなくなります。
ぜひ、お試しくださいね。
帰省前に、
コミュニケーションのコツを身に着けたい方は、
こちらも参考にしてくださいね。