60歳ちょっと前の方、自宅のリ・ボーンを考えてみては?
「暮らし方の問題」なのか?
今年もいよいよ引っ越しシーズンとなりました。
賃貸アパートやマンション、賃貸戸建ては入退去が活発に行われます。
そんなとき、大家さんと賃借人との間でトラブルになることが多いわけです。
・クロスの剥がれ
・畳の家具跡
・押入の中のカビ
・結露による水シミ
賃借人による明らかな不注意や故意による損傷は、当然敷金より差し引かれてしかりですが、
大家さんあるいは管理業者からは、納得しかねる言葉が。
「あなたが持ってきたファンヒーターによって、結露が生じたため」
「湿気が出る暖房器具(石油ファンヒーター)なんか使っちゃいけないに決まってんでしょ」
「換気不足によって結露したため」
「洗濯物を室内に干していませんでしたか?」
つまり、すべて賃貸人の暮らし方の問題だと言うのです。
ゆえに、
「敷金からのお金を使ってリフォームしますので¥〇〇万ほどかかりますからご了承ください。
はい、ここにハンコ押してください」
という流れに。
「元々ついていたエアコンでは冬暖かくならないからファンヒーター入れなきゃどーしよーもなかったんです!」
「アルミサッシだから結露して当然でしょ?なんでウチらのせいにされなきゃいけないの?」
「換気扇は24時間運転していた」
などの理由は、あれやこれやでもみ消され、結局クロスの張替え費用やカビやシミの処理費用まで敷金から引かれてしまうという理不尽さ。
納得はできないが、立つ鳥跡を濁さずの格言通り、
「まあ仕方がないか。もめるのも時間の無駄だし」と泣き寝入りするしかないか・・・。
断熱不足が原因ではないのか?
住み手が追加で暖房器具を持ち込まなければならないほど断熱力が弱く、
元々ついていたエアコン暖房では足元がスースーしてとてもじゃないが暮らせません。
(そもそも暖房器具が賃貸住宅に備わっていないのは、暖房が家電製品として位置付けられており、TVや冷蔵庫と同等に扱われているということに端を発しているようです)
ましてやアルミサッシなのですから、冬はひどい結露になることは自明の理です。
室温10℃以下でまともな生活ができますか?
賃貸だから我慢せよ、とでも?
結露したらいちいちふき取るのだぞって、そんなこと出来るわけないでしょうに。
しかし賃貸住宅は、あくまで大家さんあるいは管理業者が収益を求めるものですので、
いかに安くつくるか
いかに空室をつくらないか
いかに出費を抑えるか
いかに預かった敷金を奪い取るか
という仕組みになっています。この辺りは賃貸に暮らしたことがある方はもう分かってますよね?
だから断熱材なんて最低限でよいのだ。
みてくれが良ければ入居者はいつかくるだろう。
サッシなんて開けばなんでもいい。
とにかく断熱なんてどうでもいいことだ。
この辺の相場は¥〇〇万って決まってんの!
もっといい暮らししたきゃ、自分で家建てればいいじゃないか。
冬、ちゃんとあったかい賃貸住宅のニーズは高まっている
賃貸はあくまで一時的なものとし、将来は一戸建て新築で暮らしたい、という日本人のマイホーム信仰はすでに崩壊しつつあります。
20~30歳台の人々にとって、仕事は転職が当たり前になり、テレワークも働き方の当然のスタイルになっていますので、住宅ローンを組んで一戸建て住宅に縛られたくないのです。
「賃貸でも良質なもので価値がしっかりあれば、多少高くても戸建て建てるよりダンゼンいい」
欲しい価値の最たるものとして、「冬あったかい」ことだとはヒアリングの中でよく言われています。
アパートオーナーさん、大家さん、
空室をつくらないため、
賃貸人に喜んでもらうため、
今、賃貸住宅がやるべきは”省エネリフォーム”だと思います。
多少家賃が上がったとしても、暮らし心地が良くなり、健康に暮らせることにつながり、
賃貸人・賃借人のお互いのトラブル防止にもなる。
賃貸希望者に受け入れられる土壌はそろっていると感じます。
集合住宅は断熱改修工事にはとても適しています。一戸建てに比べると断熱する面積が少なくてできます。
これは賃借人からのオーダーであり、地球からのオーダーでもあるのです。
省エネは地球温暖化抑制にもなります。ゼロカーボン化に貢献します。
グリーン住宅ポイントなる補助制度も活用できます。
省エネに貢献するリフォームは、銀行からの融資も受けやすいです。
他物件との差別化を図らなければ空室は埋まりません。
日本は2050年、ゼロカーボン化を宣言しました。
長野県も「気候非常事態宣言 2050ゼロカーボンへの決意」を昨年発表しました。
新築住宅はゼロエネルギー住宅や超省エネ住宅に完全に向かっています。
一戸建ての断熱リフォームも需要が高まってきています。
あとは賃貸オーナーさんの改心が必要だと感じています。