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コラム

耐震や断熱リフォームした方々のホンネ

2014年12月30日

テーマ:断熱改修・耐震改修の手順

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 耐震補強

実家で暮らすことに拒否反応

このコラムを、帰省した実家で読んでくれている人もいるでしょう。

「寒いから実家には長居したくない」
「おばあちゃんたち、よくあんなに寒いところに住んでるよね~」という子供たちのつぶやき。
「このうちは大きな地震が来たら絶対つぶれちゃうよ。その時は周りも絶対つぶれるから、そんときゃそんときだ」
そんな本音が聞こえてきます。

”あの家で同居するのはいやだ”
そんな若奥様の本音もちらほら。

広くて寒い、物もごちゃごちゃあるし間取りも使いずらい。
台所の流し台も低くて腰が痛いし、お風呂もカビだらけで気持ち悪い。







ここでいっしょに暮らすんだったら、壊して建て替えるんだったらアリだけど・・・。

でもウチはお金もない。うちの旦那、稼ぎ悪いし、ボーナスももう何年も出てない。
この先教育費も相当かかるだろうし、ムリして借金したくない。

********************************

これまで耐震・断熱リフォーム工事をさせていただいた多くの方の、お会いした最初のご意見です。

だから最低限、キッチンとお風呂だけはリフォームして欲しい。予算は200万以内で!


耐震? は~っ?? 断熱? そんなの無意味。だってこの家あと何年もつの!?


勝手な思い込みから、いちど「まてよ・・・」と考えてみる


・実家はリフォームする価値がないほど古びている
・耐震、っていうけど相当なお金がかかるはずで、到底うちは無理
・断熱が大事っていうけど、どのくらい効果があるのか分らない。古い家を暖かくするなんてできっこない
・とにかく借金はいやだ。もう一生アパート暮らしでいいと割り切っている(自分に言い聞かせている)
・住宅ローンって新築だけで、リフォームはリフォームローンで、だいぶ金利高いんでしょ?

~そんな風に勝手に思い込んでいませんか?

その家がもう築30年だろうが40年だろうが100年だろうが、家は必ず資産です。
評価額がほぼゼロだとしても、かつてその家は大金をかけて、職人たちの手によってつくられました。

当然その時の流行りや作り手の技量にもよりますが、私の調査によると、
”まったくもうこりゃだめだ”、とサジ投げする家はありません。
少なくとも向こう30年程度は、ちゃんと暮らし続けることができる耐久性を持った家です。

使っている材料の質や施工レベルに問題なければ、木造の家は100年くらいはちゃんともつのです。
しかしその間、ノーメンテナンス、ノーリフォームというわけにはいきません。
定期的な点検で不具合を早期発見・解決し、製品寿命がきたら交換できること。またそうした維持管理修繕のために月々積立金を準備してゆくことが必要です。それはリフォームだろうが新築だろうがマンションだろうが必ず必要。


ここで大事なのはあなたの”思い込み”をいったん取り除くことです。
そして少なくとも以下の1項目にでもあなたの気持ちの琴線に触れる事柄があれば、まずは専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談してみる価値があります。

・アパートで家賃を払い続けてはいるが、正直ばかばかしい
・実家にいずれ同居しなければ、と考えてはいるが、まだ両方とも元気なのでいずれ・・・
・マイホーム欲しいにはほしいが、実家の建物を建て替えるとしても、壊すだけでウン百万。2世帯住宅の新築でサンゼンマンは最低かかる。とてもとても・・・私には無理。そんなにたくさん借金したくない
・住宅ローンは借金以外のなにものでもない
・実家はいずれ廃墟になるかもしれないが、自分にはどうすることもできない
・両親が亡くなったら、いずれその土地は更地にして売却するしかない

ファイナンシャルプランナー(FP)にもいろんな考え方の人がいるかと思いますが、
あなたが思い込みの呪縛から逃れ、家族の意向を踏まえ心を開けば、きっと将来のライフプランについてあなた以上に考え、検討し、経験や実績をもとにアドバイスしてくれるはずです。

住宅ローンを抱えている人のほうがお得!?


無借金で一生を過ごし、買い物はすべて現金。
土地と建物もお金がそこそこたまったら、そのお金+親からの援助でローンは数百万に抑えたい。
そんなことはだれもが理想として思っています。

呪縛から逃れ、FPの方に将来のライフシミュレーションを見てもらい、資金計画に見合ったリフォームを行うのが大吉です。

これまでご相談いただいた方々のほとんどは、定職がアリさえすれば、住宅ローンを背負うことが前提ではありますが、
とても安心で快適な生活環境を耐震・断熱・水廻りリフォームを手に入れております。

エコリノベーションとか大規模リフォームと呼ばれる住宅再生のための工事はリフォームローンではなく、新築住宅に適用されるのとあまりそん色ない金利でローンが組める場合がほとんどです。

そして、住宅ローン減税という措置が使えますので、その年のローン残高に応じた還付がありますので、所得税が戻ってくるんです。(残高の1%、しかも10年間!)毎月給与から引かれている所得税が全額返ってくる、なんて人もいます。さらに所得税で控除しきれなかった分は住民税も、なんてこともありえます。

世の中を支えている財源はもちろん税金なので、税収が減っては日本もいよいよダメになってしまうので、あまり大きな声では言えないのですが・・・、たとえ現金をある程度蓄えた人であっても、そのお金は手元に残しておき、住宅ローンをわざわざ組んで建物を購入したり、リフォームするんです。さらに現在の住宅ローンは、本当に金利が少ない。どうしてこれで銀行はやってゆけるのかと思うほどで1%台は当たり前。その上税金が戻ってくる。こんなにおいしい話はないんじゃないかと思うわけです。


さらに手厚い補助金や控除


耐震改修には市町村単位で補助制度がある場合がほとんど。
それなりに費用をかけて工事を行わないと当然ダメですが、水廻りのリフォームをやるようであれば一緒にやればコストダウンできることもしばしばです。耐震改修を誘発するために、耐震補強とセットで行われる水廻りなどのリフォームにも補助金がついてくる場合もあります。
また、バリアフリー改修や省エネ改修などは固定資産税にも影響。工事を実施した翌年に減額措置があります。

◆来年度も見込める助成制度◆
・長期優良住宅化リフォーム
・高性能建材導入補助金
・無料耐震診断→耐震補強工事補助金
・耐震補強工事に伴うリフォームに対する補助金
・県産材利用リフォームに対する助成
・住宅エコポイント

これらのほとんどは予算枠が当然あるので、新年度(4月~6月)から公募開始されます。毎年応募殺到しますので、計画はゆとりを持って、冬の間に行わないと当然間に合いません。


補助金がもらえて、税金が戻ってきて、こんなに冬暖かくて、地震が来ても安心で、新築に比べてずいぶん費用も抑えられて・・・・、「実家を引き継ぐ」ってことができる環境にある方は、本当にうらやましいなぁ、と私は毎回打合せをしていて感じます。

ただ、新築並にお金が膨らんでしまっては元も子もありません。
同等規模(同じ床面積)を建て替え新築する場合の費用の1/2以下を目安としてください。
この場合、新築する場合の坪単価は70万円を目安に考えて下さい。(次世代省エネ基準相当の断熱性能)

例) 延床面積が40坪の木造住宅であれば、建て替え新築する費用の参考として
   40万×70坪=2800万円
   さらに解体費は最低¥3万/坪と考えて下さい。
   3万×40坪=120万
   合計2920万

∴大規模リフォーム・エコリノベーションをする際の総工費目安=2920×1/2=  
       ¥1460万以下で考える~向こう30年程度は十分に耐久できるレベル


<簡略計算>~冬暖かく、また年間暖房用ランニングコストが¥2000/坪 程度の断熱性能をもたせるのであれば坪単価40万円以下を目指してください。
例) 延床面積40坪の木造住宅であれば
  40万×40万=1600万以下で!
このくらいまでできれば、冬快適な住環境で、灯油や電気代もさほど気にならないはずです。

このくらいの借入金額であれば、年齢にもよりますが月々10万は超えません。アパートの家賃並みで月々支払いの負担もあまり感じないと思います。だって新築した人の半分くらいの負担なんですから!






~工事を終えた方々の本音~
「断熱材、ここまでやるんだ、って正直思った。でもやればやっただけ暖かい」
「こんなこと教えてくれるんだったら誰だってやるんじゃない?」
「補助金の枠が少なくて、しかも先着順とは知らなかった。あんまりPRしたら一時に集中しちゃうんじゃないか?」
「客の立場からは、リフォームをして本当に暖かくなるのか、不安だった。もう一度リフォームするわけにはいかないので」
「冬の暖かさが以前とまるで違う。結露がなく、朝起きるのがとっても楽。コタツもいらないね」
「工事中はつらかったけど、こんな風に蘇るんだったら一時のこと。のど元過ぎたらナンタラ、ってやつだけどね」
「こんなに良くなってしかも補助金がもらえて、税金も戻ってくるんじゃ、なんだか申し訳ないね」

この記事を書いたプロ

塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(株式会社Reborn)

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