地方企業を活かす知財戦略…(1)
今回は、商標のお話しです。商標(商品名)の重要性について、少し古いエピソードですが、分かりやすいエピードのため、改めて紹介してみたいと思います。有名なエピソードのため、ご存じの方も多いと思います。
レナウンから発売された紳士用抗菌防臭靴下「通勤快足」(登録商標)です。発売当初のネーミングは「フレッシュライフ」でした。決して悪いネーミングではないため、当初もそこそこの売上がありましたが、その後は、売上が減少しました。そこで、商品名を「通勤快足」に変更しました。基本的な中身は変わりません。
そうしたところ、その年の年間売上は、13億円に、2年後の売上は、45億円の大ヒット商品に大化けしました。中身はそのままで商品名を「フレッシュライフ」から「通勤快足」に変更しただけです。
このように、商品名(商標)は、「良い名前」はもちろんのこと、どれだけ消費者の感覚を掴むかのインパクトが重要であり、ネーミングの選定には、単に「感じの良い名前」だけではなく、消費者の感覚を考慮した一捻りも二捻りも必要というよい例です。
私は、よくお客さんに話すことがあります。女性は赤ちゃんを生み育てることができます。男性は赤ちゃんを生むことはできませんが、商品を生んで育てることができます。子供に名前を付けるときは、色々な角度から真剣に悩むと思います。そうであれば、商品に名前を付けるときも、色々な角度から真剣に悩んで当然であると思います。
「通勤快足」以外でも「缶煎茶」→「お~いお茶」も同様のエピソードを持っています。皆さんも「商品名」=「お金」の観点から自社商品の商品名を見直してみてはいかがでしょうか。
(画像はレナウンのHPから引用)