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現状認識なき理想は、組織を迷走させる

内布誠

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テーマ:組織開発

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2026年の重要なリーダーシップトレンドとして、
「静かな崩壊(quiet cracking)」という現象が
注目されている。

従業員が職場に留まりながらも内面的に崩れていく
状態で、パフォーマンスの低下が表面化するまで
気づかれにくい点が特徴だ。

心理的柔軟なリーダーが率いるチームは心理的
安全性が高い傾向にある。

リーダーに求められる第3の要素は「現実のフィード
バックを受け止めること」だという。

組織の問題の多くは、「見えていなかった」ことから
始まる。

データが示す数字は悪くない。

会議では誰も異を唱えない。

しかし現場では、何かが静かに壊れていく——。

この「静かな崩壊」を防ぐために最初にすべきことは、
新しい制度を導入することでも、研修を充実させる
ことでもない。

「今、組織で起きていることを、しっかりと受け
止めること」——ただ、それだけだ。

現状認識なき理想は、組織を迷走させる

~「今起きていること」を受け止めることから、変革は始まる~

2026年、組織開発の現場で「静かな崩壊(quiet cracking)」
という言葉が注目されている。

従業員が表面上は職場に留まりながら、内面では静かに
崩れていく状態だ。

数字の上では問題がなくても、現場の空気は重い。

会議では誰も本音を言わない。リーダーは
「うちの組織は大丈夫」と思っているが、メンバーは
とっくに気づいている——。

この種の問題が深刻なのは、「見えにくい」という点だ。

だからこそ、組織変革の出発点は、制度でも研修でもない。

「今、自分たちの組織で何が起きているかを、しっかりと
受け止めること」——ここから始まる。

理想を持たないと、現状は変えられない


組織を変えたいと思うなら、まず理想を持つことが
必要だ。

「こういう組織にしたい」「こういうチームを作りたい」
という方向感覚がなければ、変革の努力はどこへ向かうか
分からない。

しかし同時に、現実を直視しないのは論外だ。

現実から目を背けたまま理想だけを語っても、それは
単なる現実逃避になる。

何も思い浮かばないまま「いい組織にしたい」と言う
だけでは、曖昧な妄想に終わる。

理想と現実——この両輪がそろって初めて、組織開発は
動き出す。

「今起きていること」を受け止める——これが最初の仕事


リーダーに持ってほしい「心理的柔軟性」の第3の要素
として、「現実のフィードバックを受け止めること」が
挙げられている。

現実から何が起きているかを直視することが、心理的に
柔軟なリーダーシップの根幹だとされる。

では、「現実を直視する」とはどういうことか。

数字を見ることではない。

表面上の報告を聞くことでもない。

メンバーの本音に、心と耳を傾けること——これが核心だ。

「最近、チームの雰囲気はどうですか?」と聞いたとき、
「まあまあです」という答えしか返ってこない組織は、
すでに危うい。

本音が言えない環境では、問題は見えず、変革は空振り
になる。

本音が聞こえてくる組織では、「実はこういう問題が
あります」「あの業務のやり方、ずっと気になっていました」
という声が上がる。

これこそが、変革の出発点になる生きた情報だ。

本音が聞こえない組織の共通点


2025〜2026年のHRトレンドとして「管理職の
罰ゲーム化」が注目を集めた。

組織の問題が「上司に言ったら損をする」という
構造になっているとき、本音は埋もれる一方だ。

なぜ本音が聞こえなくなるのか。

リーダーが「問題ない」という前提で動いているとき、
メンバーは問題を言い出しにくくなる。

上司が理想ばかり語り、現状の課題を指摘すると
「ネガティブな人」と見られる文化では、本音は死ぬ。

これが「現状認識なき理想」の組織が陥るパターンだ。

理想に向かって走りながら、足元で何が起きているか
を見ていない。

結果として、変革は表面的なものにとどまり、
根本的な課題は放置され続ける。

「身近な人たちの本音」が、理想を形にする


では、どうすれば本音を聞けるのか。

答えは、仕組みよりも「姿勢」にある。

リーダーが「今うまくいっていないことを教えてほしい」
と、率直に問える関係性があるかどうか。

「問題を言ったら怒られる」のではなく、「問題を言うと
一緒に考えてもらえる」という経験を、メンバーが積んで
いるかどうか。

メンバーが安心してアイデアを出し、リスクを取ること
や失敗から学ぶことを恐れずに行える環境をリーダーが
提供すれば、チーム全体の知性と創造性が向上する。

心理的安全性とコラボレーションを高めることで、
チームは市場の変化に迅速に適応し、イノベーションを
生み出す基盤を築ける。

身近な人たちの本音に耳を傾けることで、「何が理想的な
状況なのか」が見えてくる。

そして、「根本的に何を変えたらいいのか」も、自然に
明らかになってくる。

これが、組織開発の正しい順序だ。

組織変革の正しい順序


Step 1今起きていることを受け止める(現状認識)

Step 2身近な人の本音に耳を傾ける(対話・傾聴)

Step 3理想の状態を描く(ビジョン形成)

Step 4根本的に変えるべきことを特定する(課題設定)

Step 5具体的なアクションへ(変革実行)

多くの組織はStep 3から始める。あるいはStep 5
から入る。

しかし、Step 1とStep 2を省略した変革は、
やがて迷走する。

変革の土台は、現実の正確な認識だ。

その認識は、データではなく、メンバーの生きた声の
中にある。

今、あなたの組織で起きていることを
——あなたはどれだけ知っているだろうか。

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内布誠
専門家

内布誠(社会保険労務士)

ウチヌノ人事戦略事務所

特定社会保険労務士としての専門知識をもちつつ、会社の活性化と経営者・社員磨きのための研修を開催中。ワクワクする職場環境を目指して、全力でお手伝いいたします!

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