もう会社を辞めたい!上手くいかない職場の人間関係は、辞める・辞めないの重要なポイント

小野由樹子

小野由樹子

テーマ:後悔しないキャリア形成

会社を辞めたいと思う理由の多くは人間関係です。気の合う人達ばかりではないとはいえ、毎日が苦痛だとしたら、なんらかの対策を考えなければいけません。単に反りが合わないというのであれば、我慢のしようもありますが、継続的に嫌がらせを受けるなど度を超した行為は問題です。

「辞めたい」と思ったとき、その理由を冷静に考えて、どう対処したらいいかを考えましょう。客観的な考え方ができないほど心身ともに疲労してしまっている場合は、職場からいったん離れて休暇を取るべきです。

いずれ、自分の中で解決できることなのか、会社のしかるべき部署に相談することなのか、社外の公的組織に訴えるべきものなのかを見極めて対処しましょう。曖昧にしてしまうと、精神的ダメージが取り返しのつかないところまでいってしまうかもしれません。

転職理由の上位にくる「職場の人間関係トラブル」

学校で問題になっている「いじめ」に相当するような、集団で一人をターゲットにして攻撃するなどということは、さすがに会社の中で起こるとは考えにくいですが、ダメージでいえば、同じようなことが起こっているかもしれません。

現代社会で問題になっているのは、職場でのハラスメント。上司など上の立場の人が嫌がらせをする「パワハラ」、一方的な思い込みから陰湿に責める「モラハラ」、性的な言動で嫌がらせをする「セクハラ」です。

パワハラのパターン6つ

パワハラ(パワーハラスメント)には以下のようなパターンが考えられます。
①身体的な攻撃…物を投げつけられて体に当たった、蹴られたり殴られたりした、胸ぐらをつかまれたなど。
②精神的な攻撃…同僚の前で罵倒された、必要以上に長時間にわたって繰り返し執拗に叱責されたなど。
③人間関係からの切り離し…理由なく他の社員との接触や協力を禁じられた、挨拶しても無視された、会話をしてくれない、根拠のないうわさを流されたなど。
④過大な要求…終業間際に膨大な量の仕事を毎日押しつけられる、達成不可能なノルマを常に与えられるなど。
⑤過小な要求…本来の職は与えられず掃除などの些細な雑用を必要以上に強要される、仕事を何も与えられないなど。
⑥個の侵害…不在時に机の中を物色される、スマホを盗み見される、休みの理由をしつこく詮索するなど。

以上のパターンを複数行なう場合もあります。①は明らかに問題ですが、②〜⑥は見極めが必要なケースがあります。②は、上司となんとなく気が合わずにいたが、あるとき突然、怒鳴られたとか説教されたなどと言う場合は、お互いの中で何かストレスになるものを貯め込んでいたことが考えられます。

③〜⑤は、たまたまそうなった、というケースがいちがいにパワハラにはあたらない可能性もあります。。明らかに意図的なものを感じたとき、具体的に示せる記録をとっておきましょう。⑥はもしかしたら、上司が親しさの度合いを勘違いしているかもしれません。嫌がらせを受けていると感じるかどうかがポイントになりそうです。

モラハラ・セクハラについて

モラハラ(モラルハラスメント)は、パワハラと違って権力や優位性とは関係なく行なわれます。学校のいじめに近いかもしれません。モラハラをする側は、単に気に入らないなどの私的な理由で、言葉や態度でターゲットを不安に陥れたり、支配したり、人格を傷つけたりします。

セクハラ(セクシャルハラスメント)には、「対価型」と「環境型」があります。「対価型」は、上司が部下の体を触るなどの性的暴力をした際、拒否されたり抗議されたりしたために、解雇、降格、減給など明らかに不当な処遇をしたなどの場合です。「環境型」は、日常的に性的な話題を声高にしたり、体に触れたりして職場環境が不快なものになっているなどの場合です。

セクハラは、上司が部下に、男性が女性に、だけに限定される行為ではありません。また、個人の性的指向(対象となる相手の性別)や性自認(性別に対する自己認識)に対する差別的な言動もセクハラになります。

辞める前にやってみること・相談先について

職場の人間関係で悩んでいたら、すぐに相談できる人に話しを聞いてもらいましょう。そのときに解決の方法をいっしょに考えてもらえるかもしれません。

何かのきっかけで関係がこじれたのであれば、相談者に間に入ってもらって話し合う機会を持ちましょう。自分の思い込みであった場合は、どうしてそのように思ったのかを冷静になって分析し、相手に対する態度を変えてみるなど対処法を考えましょう。

ハラスメントに遭っていると感じたら、社内の相談窓口に申し出ましょう。社内で解決できないようであれば、労働基準監督署内の総合労働相談コーナーなどの外部機関に相談しましょう。その上で、会社が何もしてくれないということが分かったら、転職を考えた方がよさそうです。ハラスメント対策は雇用者である会社に義務づけられているのです。

転職ですべてが解決するわけではない

人間関係に疲れて職場を去れば、そのときは精神的に解放されますが、いずれ、別の会社で働かなければいけません。新しい職場に問題が全くないとも限らないのです。まずは、前職での状況を冷静に把握して、同じことにならないような職場を見つけることです。

転職はあくまで前向きに、自分のやりたいことを実現できる職場に移るのだと思って、転職先を探しましょう。

ハラスメントで心身が疲労している場合は、休養をとり、場合によっては医療機関で治療を受けて万全なコンディションに戻ってから新しいスタートを切りましょう。

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小野由樹子
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小野由樹子(キャリアコンサルタント)

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社会の中で個々が持つ潜在的な思いや課題を明確にすることで、もっと輝く生き方や働き方の実現を目指します。組織では、キャリア構築や人間関係の課題解決、ライフワークバランスの具体化などにも繋がります。

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