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小野由樹子

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小野由樹子(おのゆきこ) / キャリアコンサルタント

株式会社キャリアアシスト

コラム

長時間労働に苦しんでいる人は、転職を視野にいれるべし!

2018年6月17日

テーマ:後悔しないキャリア形成

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

コラムキーワード: 糖尿病 食事

最近話題になっている「働き方改革」で最も注目されているのは長時間労働の改善です。企業の規模や職種によって職場の状況は異なると思いますが、基本となる労働時間は等しく法律で決められています。

新しい仕事に慣れずに時間がかかってしまう場合は、慣れてしまえば定時内で終わらせることができるようになるでしょう。また、ある時期に作業量が増えるなどの一時的な理由で残業時間が増えてしまうのであれば、月単位・年単位で法定労働時間を調整すれば問題ないです。

ところが、過剰な残業が常態化しているケースでは、企業が労働基準法違反であるだけでなく、職場環境が悪化し、社員の心身の健康が蝕まれています。会社の皆が頑張っているからとか、期待されているからとか、自分がやらないと誰もやらないから、などと思いつめて仕事を頑張り過ぎてはいませんか?長時間労働は自覚が無いままに疲労を蓄積させていきます。

疲れが取れなくなった、眠れない、食欲がないといったの症状が出始め、会社を「辞めたい」と思ったら、いったん職場から離れましょう。会社に申し出ても長時間労働の改善が望めない場合は、転職を視野にいれる必要があります。

法定労働時間とは

労働時間は法律で「1日8時間・1週40時間」と定められています。これ以上働く必要があるときは、労使間で書面による協定を締結することが労働基準法第36条で定められています(36協定)。決定事項は別途「36協定届」として労働基準監督署に提出しなければいけません。

また、協定が締結されても、何時間でも残業してよいという訳ではありません。時間外労働の限度時間は「1か月45時間・1年360時間など」とされています。今後この基準は、労働基準法改正にあたって明確に「1か月45時間・1年360時間」が「法律による上限(原則)」として定められます。
※特殊な職種や臨時的な特別な事情がある場合はこの限りではありません。

毎日の労働時間として考えてみると、9時〜17時の勤務で1時間の昼休みがあるようなケースは、18時までの残業は法定時間内で納まりますが、昼休みのないケースでは36協定が必要になります。

そして、36協定があっても、特殊なケースでない限り1か月45時間内と考えると、1日2時間ほどの残業しか認められていないことになるのです。仕事が忙しくて毎日終電で帰るのがあたりまえ、と思っている人は、それを認めている会社を「おかしい」と思うべきでしょう。

なお、本来なら自己都合退職は失業保険が下りるのは申請から3か月先ですが、離職直前の6か月間のうちの「連続する3か月で45時間」「1か月で100時間」「連続する2か月以上、時間外労働を平均して1か月80時間」のいずれかを超えて退職した場合、離職を余儀なくされた「特定受給資格者」と認められて、会社都合退職と同等の条件で失業給付が受けられます。

長時間労働は心と体を蝕む

長時間労働が続くと、常に睡眠時間が不足する上に、深夜に食事をとることが多くなるので胃もたれで睡眠が浅くなり朝も辛くなります。それでも支障なく仕事ができるうちはあまり深刻に考えないので、体力・気力に自信のある人ほど長時間労働に慣れて常態化してしまいます。
 
そのうち、体のだるさがとれなくなり、仕事上でささいなミスが出るようになります。また、精神状態が不安定になって、イライラや不安から仕事上やプライベートでの人間関係に問題が起き始めます。

そして、常に全身に倦怠感があり、頭もボーっとして仕事で大きなミスを起こしたり、人間関係のトラブルが絶えなくなったりしてきます。さらに深刻になると、全てにおいて気力がなくなり、うつ病が発症して最悪の場合は自死にいたることもあります。

健康面でも、疲労や食欲の低下とともに免疫力が落ちて感染症にかかりやすくなったり、がんや、糖尿病・心臓病などの生活習慣病の発症につながったりすることも考えられます。こちらも、重篤な場合は死に至ります。

ここで怖いのは、長時間労働が続いて正常な思考ができなくなることです。疲れがとれない、人間関係がうまくいかないなどの状態になったとき、会社を「辞めたい」と思ったときに、ことの深刻さに気づかなければ前述のように取り返しがつかなくなってしまいます。できるだけ早く休暇をとって今後の働き方を考え直しましょう。

これからの時代に長時間労働は成立しない

現在(2018年6月)、日本政府の最重要課題とされている働き方改革では、長時間労働をより厳しく制限する法案が検討されています。労働者の心身の健康を守ることはもちろんですが、他国と比べて労働効率が悪いことも改善されるべき課題となっています。

さらに、労働を取り巻く状況は刻々と変化し、長い時間同じ職場で行動を共にして、社員一丸となれば会社の業績をどんどん上げることができて個人の生活が右肩上がりになる、という時代はもう過ぎてしまいました。

今は、「時短」の中でいかに効率的に働くかが主流になっています。必ずしも会社で仕事をする必要がない場合、テレワークや裁量労働制・フレックスタイム制を採用するなど、働き方も多様化しています。

長時間労働の不当性を訴えて改善を求めても、「法律で決められようがウチはウチ」、「時短なんて言ったら仕事なんかできないよ」、などと言うような上司のいる会社は先がないかもしれません。早急に辞めて、転職視野に入れた行動を開始しても良いでしょう。

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