中小企業における経営理念の現状①
前回に引き続き、『商工中金景況調査2025年5月調査トピックス 中小企業の企業理念等について』をもとに、中小企業の経営理念(以下、企業理念で統一)について分析します。
以下グラフは、『企業規模別(従業員数・年商)の企業理念「保有状況」データです。
どちらにおいても、規模が拡大するにつれて企業理念保有率は上昇しています。
組織が大きくなり、経営者の目が全社員に直接届きにくくなるにつれて、共通の価値観や指針として理念の重要性が高まると推測されます 。
また以下グラフは、『企業理念見直しの必要性および新規作成の必要性をどう考えているか』の企業規模別データです。
【理念がある企業:見直しの必要性】
31〜50人規模の企業が27.9%と最も高く、ここをピークに規模が大きくなるほど必要性は低下しています。
30〜50人規模は組織の転換期にあたり、既存の理念が実態に合わなくなる「成長痛」のような段階で見直しの機運が高まるのではないでしょうか。
【理念がない企業:新規作成の必要性】
従業員規模が大きいほど必要性を感じる割合が高まっています。
規模が拡大すればするほど、組織運営上の課題(採用や教育の軸がないなど)をより深刻に感じやすくなるため、作成意欲が高まると考えられます 。
30〜50人の壁
従業員規模31〜50人の企業は、理念策定率が大きく跳ね上がっている(11〜30人の58.1%から31〜50人の69.5%へ)ことや、最も「理念の見直し」を必要としている(27.9%)ことが読み取れます。30〜50人規模は理念の「策定」と「再定義」の双方が活発化する、組織の最重要局面であると言えます。
そろそろ従業員が30人を超えそうな経営者さま、自社の理念を再確認してみてはいかがでしょうか。
※2025年テーマ別コラム
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