経営者が見落としがちな“社内の小さな声” ― ハラスメントを防ぐ第一歩|信頼が生まれる職場は「声を聴く」ことから始まる
コンプライアンスやパワハラ対策を形だけで終わらせない。企業内で自然に浸透させ、社員の心に響かせるための実践的なポイントを紹介します。
ルールを作っても、なかなか浸透しない…
「コンプラ研修をやっても反応が薄い」「パワハラ防止規程を作ったけれど形だけ」
そんな声を経営者からよく聞きます。
整備した制度が現場に根づかないのは、社員にとって“自分ごと”として感じられていないから。
せっかく時間とコストをかけて取り組んでも、理解されていなければ意味がありません。
経営者としては、無理なく、そして自然に意識を浸透させたいところです。
日常に溶け込む仕組みをつくる
中小企業では、複雑な制度よりも日常の中に組み込む工夫が効果的です。
次の3つの方法は、どの企業でもすぐ始められ、継続しやすい対策です。
•経営者・管理職が「感謝の言葉」を意識して発信する
「ありがとう」「助かったよ」といった言葉を日常的に伝えることで、職場全体の雰囲気が和らぎます。感謝が自然に交わされる職場は、ハラスメントの芽が生まれにくくなります。
•ミス共有を「改善提案の場」に変える
ミスを責めるのではなく、「どうすれば防げるか」を話し合う文化をつくる。
失敗をオープンにできる職場は、安心して意見を出せる組織に変わっていきます。
•匿名の“声ポスト”を設ける(紙・フォームいずれも可)
気軽に意見や不安を伝えられる仕組みを整えましょう。
経営者が必ずコメントを返すルールにすれば、信頼の循環が生まれます。
こうした小さな取り組みの積み重ねが、社員の意識を変え、結果的に職場全体の信頼を底上げします。
管理部門の経験から言えば、“日々の運用の積み重ね”こそが浸透の鍵です。
続けやすい仕組みから始めてみませんか
コンプラやパワハラ対策は、経営リスクを防ぐだけでなく、社員の信頼を育てる機会でもあります。
特別な仕組みをつくる必要はありません。小さな工夫を重ねることで、確実に社風は変わっていきます。
「自社に合った形で進めたい」と感じたときは、気軽にご相談ください。
実践しやすい方法を、一緒に考えていきましょう。
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