リスクマネジメントのデメリット3/5~不確実性はなくせない?~|不安をゼロにするより、変化に強い企業をつくる
リスクマネジメントってなに?
リスクマネジメント(Risk Management)とは、企業や組織、プロジェクトなどが直面する「不確実なこと(リスク)」をきちんと整理して、なるべく小さくしたり、うまくコントロールしたりするための考え方や取り組みのことをいいます。
かみ砕いて言うと、「起こるかもしれない危険をあらかじめ考えて、安心できるように工夫しておくこと」です。
ちょっと日常生活の例で見てみましょう。
例① スマホの管理
リスク:スマホを落として壊す/なくす/データが消えるかも?
対策:
・ケースやストラップをつけて落下を防ぐ
・クラウドにバックアップを取っておく
・保険や保証サービスに入っておく
・小さな傷なら気にしない
・いっそスマホを持たない、という選択もあり
例② 料理をするとき
リスク:包丁で指を切る/火でやけどする/料理を焦がすかも?
対策:
・慣れるまではゆっくり切る
・鍋つかみや耐熱手袋を使う
・火災保険に入っておく
・少し焦げても「まあいっか」で済ませる
・外食やデリバリーに切り替える
こうして見てみると、リスクへの向き合い方は大きく分けて次の4つ。
・避ける(やらない・持たない)
・軽くする(工夫や道具でリスクを減らす)
・移す(保険や第三者に任せる)
・受け入れる(ある程度は仕方ないと割り切る)
これがリスクマネジメントの基本的なスタンスです。
企業にとってのリスクマネジメントの目的
もちろん、会社や組織ではもう少しスケールが大きくなります。大切なのは、次のような目的を意識することです。
・損失やトラブルを防ぐ、または小さくする
・組織を長く続けられるようにする(サステナビリティ)
・ステークホルダーから信頼される
・法律やルールを守る(コンプライアンス)
・お金や人材といった経営資源をうまく配分する
そして、「目的以上にやりすぎる必要はないし、目的に届かない対策も意味がない」ということはとても重要です。
リスクマネジメントは、一度に完璧にできるものではありません。 まずは現状を知り、優先順位をつけて、一歩ずつ取り組んでいくことが大切です。 「心配ごとをゼロにする」のではなく、「上手につき合っていく」。 それがリスクマネジメントの本質なのかもしれません。



