“なんとなく経営”からの脱却 ― 経営理念が中小企業を強くする理由|明確な方向性が従業員の力を一つにする
中小企業は従業員が10人を超えると「経営理念の必要性」が高まります。データから見える成長の壁と、理念を実務に活かすヒントを解説します。
社員数が増えて「壁」を感じていませんか?
「社員が10人を超えた途端、チームのまとまりが弱くなった」「売上は伸びたけど、社員のベクトルがそろわない」――そんな経験はありませんか?
中小企業にとって、人数が増えることは喜ばしい一方で、組織の一体感が揺らぎやすい“成長の壁”に直面するタイミングでもあります。
データが示す理念の必要性
商工中金の調査では、従業員10人以下の企業での経営理念保有率は40.2%。ところが、そこを超えると必要性を感じる経営者が一気に増えていきます。年商規模においても同様の傾向が見られます。
規模拡大にともない、社長の考えが直接伝わりにくくなり、自然体でまとまっていた組織に「隙間」が生まれるのです。
【データ】商工中金景況調査2025年5月調査トピックス より
理念が「組織の隙間」を埋める
社員が数名の頃は、日常の会話や働き方で社長の想いが自然に浸透していました。
しかし10人を超えると、社長の声が行き届かなくなり、社員同士の価値観もバラつき始めます。
その隙間を埋めるのが経営理念です。理念は社員を同じ方向に導く共通言語となり、自律的な行動を促す力を持っています。
理念を「実務で使える言葉」にする
理念は作っただけでは機能しません。
•採用で活用:理念に共感する人材を選ぶ
•評価制度に反映:理念に沿った行動を評価する
•日常で共有:朝礼や会議で理念を繰り返し語る
理念を実務で使えるツールに変えることで、社員のモチベーションが高まり、成長のスピードが加速します。
10人超えは「理念導入のタイミング」
データが示すように、経営理念は大企業になってから考えるものではありません。従業員10人を超えたら必要性を意識すべき“経営の軸”です。
今のうちに理念を定めておくことが、組織を次のステージへ導く大きな一歩になるでしょう。
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