管理部署に「参謀」はいますか?②~外部参謀を活用することで得られるメリット~
「売上増は七難隠す」……売上が好調なときには、業務の非効率や組織の不整合、制度の不備など、さまざまな問題が見えにくくなるという意味です。数字の伸びがすべてを覆い隠し、「うまくいっている」と錯覚してしまうのです。
(「売上は全てを癒す」という言葉もあります。)
しかし、ビジネスの世界において成長は永遠ではありません。市場の変化や競合の台頭、経済の波によって、売上が鈍化する局面は必ず訪れます。そのとき、これまで見過ごされていた「七難」が一気に表面化し、企業の足を引っ張ることになります。ちなみに東京商工リサーチの調査によると、2023年倒産企業の平均寿命は23.1年とのことです。「七難」が企業寿命を左右する要因にもなりかねません。
【データ】株式会社東京商工リサーチ TSRデータインサイトより
このようなリスクを回避するためには、売上が伸びているときこそ、内部の課題に目を向け、組織の基盤を整える必要があります。特に、バックオフィスの整備は、企業の持続的成長に欠かせない要素です。
バックオフィスとは、経理・人事・総務・法務・情報システムなど、企業の運営を支える部門です。これらは直接的に売上を生むわけではありませんが、企業の「地盤」として、安定した成長を支える重要な役割を担っています。
たとえば、業務の非効率が放置されれば、時間とコストが無駄になります。コンプライアンスの不備は法的リスクを招き、人材管理の弱さは離職率の上昇につながります。これらは、売上が落ち込んだときに深刻なダメージとなるのです。
だからこそ、売上が好調な今こそ、バックオフィスの整備に取り組むべきです。業務のデジタル化、制度の見直し、内部統制の強化などを通じて、見えない競争力を育てることが、企業の持続的成長につながります。
「売上増は七難隠す」という言葉を、単なる警句ではなく、未来への備えとして捉えること。それが、強い企業づくりの第一歩です。



