住宅の火災保険を考える【4】賃貸

伊藤俊輔

伊藤俊輔

テーマ:住宅取得/火災保険


 今回で4回目です。これまでの3回はこちら↓です。
 【1】これから住宅を購入・新築する予定
    http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5130/
 【2】持ち家:住宅ローン返済中
    http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5139/
 【3】持ち家:住宅ローン返済済み・一括購入
    http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5171/

 今回は「賃貸」のケースを考えます。
 賃貸では仲介業者さんの紹介で、特にワンルームであれば2年で○万円というような契約が多いと思います。ワンルームでも細かなことをつっこめば各社で若干違いがありますが、今回はファミリータイプでの事例で書いてみたいと思います。

 ちなみにマンションの保険料は安価です。一戸建ての賃貸であれば、保険料はそれなりですので、きちんと調べておきたいところです。
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①家財
 コラム【1】でも家財については取り上げましたが、特にファミリータイプの賃貸でポイントになるのは家財の保険金額設定です。

 例えば、4人家族で世帯主の年齢は30代後半というようなケースだと、計算式を基にそれに適合した家財は○○○万円です、というような設定の仕方です。仮に万が一、火災が発生してしまった場合の補償です。過剰ではない金額設定にすることで保険料を押さえられる可能性もあります。

 また、賃貸専用のセット商品の場合は、セット商品なので割安なケースもありますが、水災や風災・ひょう災・雪災、不注意による家財の破損・汚損などまで補償されています。火災と地震だけでOKだというようなケースであれば、個別に保険商品を調べる必要があります。
 あまり手間暇をかけすぎるのもよくないかもしれませんが、保険料に1万円を超える差が出ることもあります。選択肢はぜひ知ってもらいたいです。


<以降の項目は賃貸専用のセット商品であれば当然ついてくるものなので気にしていただく必要はありません>

②建物
 賃貸の場合、建物部分は借家人賠償責任特約というものでカバーします。
 建物部分の通常の補償は家主さんが保険を掛けています。ただし、借りている人が火を出してしまった場合は、その賠償責任を負わねばならなくなりますので、そのための補償です。
 この特約は非常に安価ですので、少し多めの保険金額で加入するのが通例となっているように感じます。極端に高額になっていないかのみチェックが必要ですが、ほとんどのケースでそんなことはありませんので、おそらくスルーしてもらって問題ないと思います。


③個人賠償責任保険特約
 特にマンションであれば必須です。水漏れで階下の部屋に損害を与えた、ベランダから何か落としてしまって通行人にあたってケガをさせたなどを補償します。

 他にも、最近よく言われる自転車で相手にケガをさせてしまった場合の補償もこれです。自動車保険や共済商品で加入しているようでしたら、重複しても二重の補償はありませんので、1つでカバーできています。


④地震保険
 家財への地震補償は必要に応じて加入しておかねばなりません。賃貸の場合は最初から補償されているケースは少ないように感じています。保険料は知ったうえで選択するかしないかを考えたいところです。
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 賃貸の場合は、これまで【1】~【3】で解説してきたような金額の大きさにはなりません。とは言いましても自身の所有物ではないものを「借りる」わけですので、漏れなく加入しておく必要がありますし、必ずお金のかかってくる固定費です。固定費は整理できる可能性が高いです。

 ちなみに、賃貸住宅の仲介業者さんは火災保険の知識を持ち合わせておられないケースがほとんどです。契約時に当然のように火災保険の申込書も用意されているようなことがほとんどだと思いますが、ぜひとも一度その内容を確認しておきたいところです。

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  https://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/inquiry/personal/

 日々をつづった日報はブログにて。【2009年9月より毎日更新中】
  http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/

 <注記>
 このコラムでは、あくまでも選択肢をお伝えしています。
 最終的に決定される補償の種類や額はご自身の判断となりますことご理解をお願いします。
 具体的な補償の考え方や見積りについては、お近くの保険会社や保険の代理店、不動産屋さんや工務店さん、ファイナンシャルプランナー(FP)等にご相談ください。

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