住宅の火災保険を考える【5】まとめ・意外な見直しポイントになるのが火災保険
今回で3回目です。これまでの2回はこちら↓です。
【1】これから住宅を購入・新築する予定
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5130/
【2】持ち家:住宅ローン返済中
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5139/
今回は「持ち家:住宅ローン返済済み・一括購入」のケースを考えます。
購入・建築して年月が経過しておられると、共済商品を活用されているケースが多いように感じています。一般の火災保険と同じく、火災共済もセット商品です。確かに保険料は安価なケースもあります。共済商品で注意してもらいたい大きなことを書いてみます。
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例えば建物2000万円に対して火災保険2000万円で加入していたとします。
民間の火災保険商品に水災補償とあわせて地震保険も加入していたとします。
・火災時 最高2000万円
・水災時 最高2000万円
・地震/津波時 最高1000万円
これが共済商品だといかがでしょうか。
さまざまな共済商品がありますので一例となりますことご容赦をお願いします。
・火災時 最高2000万円
・水災時 最高1000万円
・地震/津波時 最高400万円
当然ながら査定基準も異なるものもありますし一概には言えませんが、共済商品は火災に重点を置いているように感じます。反対に自然災害や地震の限度額は若干心もとないかもしれません。
民間の商品であれば、火災と地震だけに厳選することも可能です。
共済商品であれば、地震の補償をつけると自動的に自然災害の補償として水災等もついてきますので、本当に必要な補償だけを選び抜いて加入するというのは難しそうです。
火災以外の補償の限度額が民間の商品とは異なりますので、保険料が安く抑えられることは間違いありません。あわせて、割戻金のある商品も多いので、さらに割安感があるでしょう。
とはいえ、保険とは本当に何かが起こってしまったときに、金銭的に困るであろうことに対して備えて加入するものだと考えます。
火災・・・当然ながら本当に火事が起こり、建て直すのに2000万円かかるとして保険金が1000万円しか出てこなければ困ります。
水災・・・洪水や床上浸水が心配なエリアであった場合、大きな損害を受けて建て直すのに2000万円かかるとして保険金が1000万円しか出てこなければ困ります。
地震・・・地震による倒壊だけでなく、地震がきっかけでの火災に対して補償してくれるのは地震保険のみです。火災保険では補償されません。とはいえ、地震保険は建物の保険金額に対して最高でも半額までしか掛けられません。建物2000万円であれば地震保険は1000万円が最高額です。でも、共済では半額も出てきません。
いずれも、これらを大きく超える貯蓄をお持ちでしたら考え方はまた違ってきそうです。
あくまでも、どんな補償が必要で、どんな保険金額を設定するかがポイントです。
補償内容1つ1つに関する考え方は、お手数をお掛けしますが【1】と【2】のコラムを参照ください。
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今回はもう1つ保険金額の周辺に関する部分を考えてみます。共済商品の話題から離れます。
①免責金額
例えば、次のような設定があったとします。
1万円・3万円・5万円・10万円
先ほどと同じく、建物2000万円の設定で書いてみます。
火災が発生し全焼してしまったケースを考えます。
免責1万円 → 実際に受け取る保険金額2000万円
免責3万円 → 実際に受け取る保険金額2000万円
免責5万円 → 実際に受け取る保険金額2000万円
免責10万円 → 実際に受け取る保険金額2000万円
80%を超える損害があった場合は全焼とし、免責金額は反映されません。
何らかの保険事故が発生し、200万円の損害があったとします。
免責1万円 → 実際に受け取る保険金額199万円
免責3万円 → 実際に受け取る保険金額197万円
免責5万円 → 実際に受け取る保険金額195万円
免責10万円 → 実際に受け取る保険金額190万円
何らかの保険事故が発生し、15万円の損害があったとします。
免責1万円 → 実際に受け取る保険金額14万円
免責3万円 → 実際に受け取る保険金額12万円
免責5万円 → 実際に受け取る保険金額10万円
免責10万円 → 実際に受け取る保険金額5万円
確かに受け取れる保険金額が多いほうが助かるのは間違いありません。
しかしながら知ってもらいたいのは、免責金額の設定による保険料の違いです。
免責1万円と10万円では、保険料は結構違ってきます。
全焼規模だと免責金額に関わらず補償されるということを知ったうえで、どのように保険に加入するのか考えるてもらいたいのです。
他のパターンとして、風災・ひょう災・雪災においてのみ20万円以上、他は「0(ゼロ)」というような商品もあります。
このパターンでは何らかの保険事故が発生し21万円の損害があった場合には21万円出ますが、19万円の損害では1円も出ないという仕組みです。
先ほどの免責金額の考え方と同じく、さまざまなパターンでの保険料の違いを知ってもらいたいところです。
先ほどの繰り返しになりますが個人的には、保険とは本当に何かが起こってしまったときに、金銭的に困るであろうことに対して備えて加入するものだと考えます。
②各種諸費用に関する特約
事故時諸費用や残存物取り片付け費用というような名称です。
保険金の支払われる事故が発生した場合に、保険金額の10%や30%、限度額100万円や300万円などが別途出てくるものです。
自動的にセットされている商品や、いくつかパターンを選べるものなどもあります。
このあたりも、一度でいいので気にしてみてもらいたいです。
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今回の【3】では住宅ローンのないケースを考える、としています。
ローンが残っていないからといって、火災保険に加入しないという選択肢はなかなか無いと思います。かといって、手厚い補償が必要とは考えられないケースも多々あります。
現在加入されている補償内容のわかるものをぜひ一度チェックしてみてください。
ご意見・お問い合わせはこちらから。
https://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/inquiry/personal/
あわせて読んでいただきたいコラム
・住宅の火災保険を考える【1】これから住宅を購入・新築する予定
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5130/
主な補償の考え方について解説しています。
・住宅の火災保険を考える【2】持ち家:住宅ローン返済中
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5139/
新規加入のケースでもあてはまる「特約」について主に取り上げています。
・住宅の火災保険を考える【5】まとめ・意外な見直しポイントになるのが火災保険
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/5340/
考え方を改めてまとめています。
・病気やケガで長期間働けなくなってしまったときに ~長期就業不能所得補償保険~
http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/4319/
住宅ローンを組まれる人には必ず読んでいただきたいです。
日々をつづった日報はブログにて。【2009年9月より毎日更新中】
http://kyogokudemachifp.blog14.fc2.com/
<注記>
このコラムでは、あくまでも選択肢をお伝えしています。
最終的に決定される補償の種類や額はご自身の判断となりますことご理解をお願いします。
具体的な補償の考え方や見積りについては、お近くの保険会社や保険の代理店、不動産屋さんや工務店さん、ファイナンシャルプランナー(FP)等にご相談ください。
京極・出町FP相談の生命保険・損害保険相談はこちらから。
http://money-2nd.com/consulting/
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