コミュニケーションにおいて大事なこと
元来、ちょっとしたことをよく覚えているほうでして、
いつ、誰が、誰にこんなことを言っていた、というのを鮮明に記憶しています。
それが役にたつこともありますが、
ほとんどの場合、言った本人が忘れているので、逆にトラブルになることのほうが多い。
例えば、上司や先輩が何気なく言った言葉を覚えていて、私は愚直にそれを仕事で実行するんですが、
言った上司や先輩から、
「なんでそんなことするの?」
と指摘され、
「◯◯さんがそう言ったので」
と返答すると、
「いや、そんなこと言ってない。人のせいにするな!」
と怒られたり。
なので、自分自身、あまり役に立たない能力だなと思うことの方が多い。
そんな中でも、自分を褒めてあげたくなる時があります。
上司として、部下の何気ない一言を覚えていて、ココというタイミングでそれを承認してあげられた時。
昔、デイサービスの責任者をしていたとき、飲み会の席でスタッフの1人が、
「私は話し下手なので、利用者さんと話すのが怖い」
と言っていたことがありました。
それから1年以上経ったある時、そのスタッフが同乗する送迎車の運転をする機会がありました。
その時、彼女が利用者さんの話に耳を傾け、その話に一生懸命リアクションしている姿をバックミラー越しに見て、ふと飲み会での言葉を思い出しました。
利用者さんを降ろし、事業所に帰る道中、
「昔は利用者と話すのが怖いって言ってたけど、しっかりと利用者さんの話を聴いて、対応できるようになってるし、努力したんやね」
と伝えると、彼女が泣き出しました。
1年以上前の自分の話を覚えていて、努力に気づいてくれたのがうれしかったそうです。
最近、歳のせいか記憶力の低下が気になってきていて、
そこに加えて、次から次へといろんな人の話を聴くので、どんどん頭から抜けていく。
あの頃のように、何気ない一言を覚えていてあげられる自分でいたい。