ちょっとしたことを

太田英樹

太田英樹

テーマ:コーチングコミュニケーション

元来、ちょっとしたことをよく覚えているほうでして、
いつ、誰が、誰にこんなことを言っていた、というのを鮮明に記憶しています。

それが役にたつこともありますが、
ほとんどの場合、言った本人が忘れているので、逆にトラブルになることのほうが多い。

例えば、上司や先輩が何気なく言った言葉を覚えていて、私は愚直にそれを仕事で実行するんですが、

言った上司や先輩から、

「なんでそんなことするの?」

と指摘され、

「◯◯さんがそう言ったので」

と返答すると、

「いや、そんなこと言ってない。人のせいにするな!」

と怒られたり。

なので、自分自身、あまり役に立たない能力だなと思うことの方が多い。

そんな中でも、自分を褒めてあげたくなる時があります。

上司として、部下の何気ない一言を覚えていて、ココというタイミングでそれを承認してあげられた時。

昔、デイサービスの責任者をしていたとき、飲み会の席でスタッフの1人が、
「私は話し下手なので、利用者さんと話すのが怖い」
と言っていたことがありました。

それから1年以上経ったある時、そのスタッフが同乗する送迎車の運転をする機会がありました。

その時、彼女が利用者さんの話に耳を傾け、その話に一生懸命リアクションしている姿をバックミラー越しに見て、ふと飲み会での言葉を思い出しました。

利用者さんを降ろし、事業所に帰る道中、

「昔は利用者と話すのが怖いって言ってたけど、しっかりと利用者さんの話を聴いて、対応できるようになってるし、努力したんやね」

と伝えると、彼女が泣き出しました。

1年以上前の自分の話を覚えていて、努力に気づいてくれたのがうれしかったそうです。

最近、歳のせいか記憶力の低下が気になってきていて、
そこに加えて、次から次へといろんな人の話を聴くので、どんどん頭から抜けていく。

あの頃のように、何気ない一言を覚えていてあげられる自分でいたい。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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