受容と訓練
以前、顧問先への出張で地方に行ったとき、予定時間より少し早く到着したので、近くのコンビニに入った。
ペットボトル飲料を1本を持ち、レジへ向かう。
最近はだいたいどこのコンビニでも、床にラインや矢印が書いてあり、
どこでレジ待ちすればいいかわかりやすいんですが、そこのコンビニには何も書いてない。
とりあえず、一番早く進みそうなレジの前に並んだ。
目印がないとはいえ、ソーシャルディスタンスも考えたほうがいいなと思い、
前の人と少し距離を空けて並んでいました。
さぁ、次は私の番というところで、
入口から入ってきた年配のおじさんが、レジの前に立ち、店員さんにタバコの番号を伝えた。
「マジか?」
と思っていると、店員さんも、列に並ぶよう促すわけでもなく、普通にタバコを探している。
アドラー心理学ベースのコーチングコミュニケーションを教えている立場としては、
これくらいのことで腹を立ててはいけない、
とは思えず、瞬間的にイラッとした。
文句の一つも言いたいものの、タバコを買いにきたおじさんはもう立ち去ってしまったし、
私のイラだちの矛先は店員さんに向いてしまった。
気持ち的には、
「並んでる客がいるのはわかるでしょ?どうして『列にお並びください』が言えないの?」
と声を荒げたいところ。
さすがにそれはしない。
そんなことをすれば、私も店員さんも周囲も嫌な空気になるのはわかる。
かと言って、このまま何事もなく店を出るほど人間ができていないので、やはり一言言いたい。
店員さんは、私が持ってきたペットボトルのバーコードを読み取りながら、
「袋はどうされますか?」と聞いてきたので、
「袋のことを気遣ってくれてありがとう!さっきのおじさんに、列に並ぶように言ってくれていたら、さらにうれしかったよ!」
とアサーションしてみた。
すると、その店員さんは、
「あ!ごめんなさい。そうですよね。気にはなったんですけど、怖そうな人だったんで、つい・・・。気をつけます」
と言ってくれた。
それを聞いて、
「そうかぁ、確かに少し怖そうだったね。ありがとう、気づいてくれてたんやね」
と、おじさんが怖そうだったという話で少し盛り上がり、お互い笑顔で別れました。
我慢するでもなく、
イヤミを言うでもなく、
怒鳴るでもない。
お互い気持ちよくなれる「ポジティブな本音」
そんな言葉がけができるようになったら、世の中平和だね。