コーチング
介護保険の指定介護サービスには、実地指導という仕組みがあります。
介護保険法に基づく適正な介護事業運営ができているかどうかの、行政によるチェックですね。
日頃からしっかりとされている事業所さんにとっては、なんてことない通過儀礼のようなものですが、
けっこう多くの事業所は、いつ実地指導がくるか、戦々恐々としています。
私も、初めて実地指導を受けたときは、めちゃくちゃ緊張しました。
何回か経験して、コツというか、ポイントがわかってからは、そういう緊張感もなくなりました。
自分自身の勤める、あるいは経営する事業所、コンサルとして関わった事業所を合わせると、50回近く実地指導を受けてきました。
行政区もバラバラで、指摘される点、チェックポイントも地域によって、担当者によって全然違いますが、
ポイントをおさえておけば、どこで受けても同じです。
経験した実地指導の1/3くらいで、
「完璧ですね、地域のモデル事業所になってもらえませんか」
と担当者から言われた経験があります。
私自身がやりたい仕事かどうかを別にすれば、ある意味、最も得意としているのが、実地指導対策と言ってもいいかもしれません。
同業の知り合いは、実地指導対策の請負料金を、500万円に設定しています。
その額で依頼が来ているかまでは知りませんが、相場的には200万〜300万円のところが多いようです。
それくらい出しても依頼される事業所が後をたたないのが現状。
悪質なものでなければ、実地指導から指定取消にまで至るケースは稀ですが、
ちゃんとした知識がなかったばかりに、数百万、数千万単位で報酬返還になってしまった事例は少なくありません。
それを回避できるのであれば、500万円出して実地指導対策することにも価値があるのでしょう。
私が過去に引き受けた実地指導対策でも、とんでもない運営の仕方をしていたところもけっこうありました。
その運営方法を根本から変えて、実地指導に臨めるようにもっていくのは、本当に大変です。
中でも一番印象に残っているのは、経営委託を受けた事業所で、
現地に入って数週間で、行政の抜打ち監査が来たこと。
経験者ならおわかりかと思いますが、通常実地指導や監査は、2週間から1か月くらい前に事前連絡があります。
抜打ちで監査ということは、行政側からすると、完全に「クロ」というよほどの確証があるということ。
さすがに焦りました。
私が関わる以前の疑義を追求しに来たんです。
即指定取消しになってもおかしくない事案でしたが、私が関わってからの運営は完璧でしたので、
継続監査としてその後1年半行政の監視下で丁寧な運営を続け、運営継続を認めてもらえたことがありました。
コーチングコミュニケーションを指導するようになってから気がついたんですが、
実は、実地指導対策にもコーチング的要素が使えてしまう。
コーチングコミュニケーションは、人間関係の改善はもちろん、
組織の生産性も上がるし、営業力も格段に上がる。
さらに、実地指導も乗り切れる。
皆さんの研修をさせていただくのと同時に、私自身も日々学んでいます。
学べば学ぶほど、いろんな気づきがある。