アドラー心理学「主体論」という考え方

太田英樹

太田英樹

テーマ:組織改革

15年以上前の話ですが、有料老人ホームの営業マンをしていました。

大学生の頃に、一般企業の内定をもらいながら、営業をしたくない一心でドタキャンし、老人病院の総務職に就いた私。

そんな私が、同じ介護業界とはいえ、30歳を過ぎてからわざわざ営業職として転職した理由は、

介護業界でのあらゆる仕事、現場、管理、運営、指導、総務、経理、経営、営業のすべてを網羅する、

本物のスペシャリストになりたかったのが一つ、

現場で精神的に病んでしまい、完全に環境を変えてゼロから没頭できることをしたかったのが一つ。

まったく知らない仕事ですから、余計な先入観をもたずに、教わったことをただひたすら実践するのみ。

営業の師匠の下でみっちり鍛えられ、半年後、師匠の指導も受けながら新規施設の営業リーダーを兼務することになりました。

毎日、既存施設の営業をして、新規施設の営業リーダーとしてメンバーの活動管理もする。

当時、妻と結婚して1年目で、新婚だったんですが、
あまりの忙しさに、職場近くのビジネスホテルに泊まる日々で、自宅に帰るのは週1回くらい。

当時の私の頭の中には、自分の担当する老人ホームの入居者をいかに獲得するか、それしかなかった。

朝から日が暮れるまで外回りし、事務所に戻って、その日の営業報告と、翌日の準備をしてると、気づけば午前零時。

もう終電もないので、ビジネスホテルに泊まり、朝からまた営業。その繰り返しでした。

師匠とは夜中でも電話で営業の話をするのが普通だったので、
自分がリーダーを務めるチームメンバーに対しても、なんの躊躇もなく夜中に電話していました。

ある日、午前零時にメンバーに電話したとき、相手から言われました。

「その話、今じゃないとダメですか?時間を考えてください。非常識です」

と。

今思えば、
そりゃそうだよね、寝ていて当然、それをわざわざ起こしてまで話すことではないって思います。

でも、当時の私の頭の中では、

「え?なんで?何が悪いの?仕事でしょ?入居者増やしたくないの?」

と、まったくメンバーのことが理解できなかった。

私は、私の目線で、私が大事だと思うことを一生懸命にやっていただけです。

それを否定されても、否定する人がおかしいとしか思えない。

相手の邪魔したり、いじめたりしてやろうという気持ちはまったくない、悪気はまったくない。

なので、否定されても、その否定を受け止めることができない。

あなたの周りにもいませんか?理解に苦しむ言動で、周囲を困らせている人。

昔の私と同じで、その人は悪気はないんだと思います。

自分の信念で行動してるだけなんだと思います。

なので、否定しても受け入れられません。

いくらあなたの指摘が正しくても、あなたから見ていくら相手が酷い言動をしていてもです。

否定から入っては、受け入れられない。

だったら?

否定しても変わらないなら、承認する。

承認した上で、要望を伝える。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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