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饗庭多嘉男プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

ひとつの空間をステップを使い広く見せるスキップフロア

饗庭多嘉男

饗庭多嘉男

テーマ:こだわりの趣味と住宅設計

限られた敷地を広く使えるスキップフロア

スキップフロアとは、小上がりとも呼ばれ、フロアとフロアをつなぐ階段の途中に設けたスペースのことです。

高さの設定は自由で、階段が数段しかない場合もありますし、1階と2階の中間にあるスキップフロアは中2階と呼ばれます。

スキップフロアを作ることで、デッドスペースを有効活用することができます。また空間が連続するので、部屋を広く見せることができ、デザイン的にも面白い空間となります。もともとは都市部の狭小地向けの工法ですが、一般の住宅に取り入れるメリットもたくさんあります。

スキップフロアのメリット

たとえば収納スペースです。家づくりを考えているほとんどの方が収納を重視しています。しかし収納スペースを広くとれば、部屋が狭くなってしまいます。小屋裏などのデッドスペースを利用する方法もありますが、ハシゴを使っての昇降が大変で、しまい込んだら最後、取り出すのが面倒で、よっぽど使用頻度の少ないものしか保管できなくなります。

しかし、吹き抜けのリビングにスキップフロアを作った場合、階段を数段昇るだけ。入れやすく、取り出しやすい、しかもひと部屋分もある収納スペースが確保できます。

また、スキップフロアは、仕切りがないので開放感があります。通常、1階と2階は階段によって分断されますが、あいだにスキップフロアを設けることによって、家全体がゆるやかにつながるため、いつも家族の気配を感じながら過ごすことができます。

階段の移動が苦にならないのもメリットです。さらに、昇降距離が短いので安全性が高いです。子どもさんの遊び場や、お父さんの書斎、趣味の空間など、活用方法はいろいろ考えられます。

スキップフロアのデメリット

段差を利用するスキップフロアは、バリアフリーとは逆の発想です。したがって、高齢者や車椅子の方には不便かもしれません。

また開放的な空間なので、その分エアコンが効きにくく、光熱費が高くなる可能性があります。遮音性も低いので、生活する時間帯が違う家族がいると音が気になることがあります。

キッチンとつながっている場合は臭いも伝わります。さらに施工が難しく、使う部材も多くなりますので、一般的な戸建てを建てるよりもコストも日数もかかる可能性が出てきます。
スキップフロアは個性が強い分、住む人を選びます。日々の生活パターンと、家族構成、これからのライフスタイルを考慮して、検討されることをおすすめします。

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