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饗庭多嘉男

住み心地を高める建築のプロ

饗庭多嘉男(あいばたかお)

有限会社アイバ工務店

コラム

吹き抜けのあるリビングのメリットとデメリット

吹き抜けの最大の魅力は開放感と明るさ

家族が集うリビングは、家の中でもっとも居心地の良い場所でありたいもの。
では「居心地の良さとは何か?」といえば、大切な要素としてまず「開放感」が挙げられます。次に「明るさ」です。吹き抜けは、居心地の良さの2大要素をかなえる優れた空間演出といえます。

吹き抜け構造は1階と2階を分断しないので、高窓や天窓からも自然光を取り入れることが可能です。冬場、太陽光の差し込む角度が下がっても、日中の明るさを確保でき、明るく健康的な空間が実現します。夜は星空を見上げる楽しみもあります。

リビングに吹き抜けを取り入れて、2階に設けた子ども部屋とリビングがひとつの空間としてつながるようにすると、家全体に一体感が生まれ、家族とのコミュニケーションが取りやすくなります。いつも人の気配を感じられ、家族間のほどよい距離感を保つことができるのも吹き抜けのいいところです。
さらに、吹き抜け部分は床がないので延床面積に算入されないこともメリットとして挙げておきましょう。

吹き抜けのデメリット

吹き抜けのデメリットとして、よく「寒い」ということが挙げられます。確かにエアコンでの暖房は、暖かい空気が上に上がっていくため、効率が悪いと言わざるを得ません。

しかし、高気密、高断熱の家づくりをして、床暖房などを取り入れ、さらに晴れた日の日中は日差しによる自然の暖房で暖かくなるよう窓の配置を工夫すれば、省エネ効果も得られます。

寒いというデメリットは家づくりの工夫によって、解決できる問題ではないでしょうか。また、天井が高いので窓や照明の掃除、メンテナンスが困難となります。届きやすい場所に照明を設置する、汚れにくい窓ガラスを採用するなどの配慮が必要です。

また調理中の臭いが上の部屋に上がってくる、音が響きやすいといったことがデメリットとして挙げられますが、これは先ほど述べたように、お母さんが食事の支度をしていることが伝わるなど「家族の気配を感じることができる」というメリットに変えることができるでしょう。

ライフスタイルに合わせたプランニング

以上のように、吹き抜けにはメリットもデメリットもあります。
人によって感じ方は千差万別ですし、家の立地条件によっても優先順位は変わってきます。

たとえば、日当たりの悪い家などは、吹き抜けを取り入れ、天窓、高窓を設けたほうが良い場合がありますし、敷地が広く横の広がりを確保できる場合などは、吹き抜けにこだわらなくてもいいと思います。

また2世帯・3世帯と、生活時間の違う家族が同居する場合や、プライバシーを重視する場合は、避けたほうが無難かもしれません。家族構成やライフスタイルに合わせて、どのような家にしたいのかを、専門家を交えてよく考えてみましょう。

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