- お電話での
お問い合わせ - 075-708-5826
コラム
【事業者】設計図と著作権侵害
2021年4月16日 公開 / 2021年6月7日更新
質問
取引先が当社の製品と同じ機械を作って販売しています。
以前に設計図を渡して製造を検討してもらったことがあるので、その設計図をコピーしたのではないかと思います。
製品である機械について特許などを持っていない場合、設計図の著作権に基づいて機械の販売を差し止められないでしょうか。
回答
著作権は、著作物の創作によって発生します。
そして設計図は、「学術的な性質を有する図面」として、著作物にあたる場合があります。
その設計図が著作物であると言うには、それが「思想又は感情を創作的に表現したもの」でなければならず、図面に表された表現に創作性が必要です。
たとえば,独特な切り取り方で内部構造を表した図面のような場合が考えられます。
設計図から作る製品に優れた創作があることと、設計図自体の創作性とは異なります。
製品に創作性があっても、それで設計図に創作性があることにはなりません。
設計図が独特な表現をあった場合、その設計図の著作権によって、製作した物の販売を差止められるでしょうか。
基本的に、図面の著作権によって差止められるのは、その図面の複製行為に限られます。
図面をもとに物を製作することは図面の複製にあたりませんので、図面の著作権を侵害することになりません。
したがって、販売を差し止めることもできないということになります。
ただし、建築図面の場合は、図面に従って建築物を完成することが「建物の著作権」を侵害することになります。
もちろん、その建物に芸術性があって著作物と認められる場合に限ります。
物自体に模倣をされたくない創作が含まれているのであれば、特許や意匠登録を事前にしておくべきです。
図面をコピーされたくないのであれば、取引先に渡す前に秘密保持契約などをきちんと結んでおくべきでしょう。
関連するコラム
- 定年後の再雇用 ~定年制度の終焉~ 2023-02-24
- 【著作権】工業製品と著作権 2021-05-21
- 【民法】改正と定型約款 2020-05-29
- 「収入のための残業」の削減 ~働き方改革~ 2023-02-17
- ”訴訟ゼロ”経営を維持する秘訣 2022-06-30
カテゴリから記事を探す
拾井央雄プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
※申し訳ございませんが電話相談は実施しておりません。
※リモートワーク中は、発信専用番号(着信しません)"070-5044-3569"からお電話を差し上げることがございます。
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。
拾井央雄のソーシャルメディア