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【民法】改正と保証契約

拾井央雄

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テーマ:中小企業の攻め方・守り方


民法の保証に関する規定は保証人保護の観点から改正が続いています.
今回も、個人保証の要件が厳しくなる方向で改正がされています。
ポイントは、
①公正証書の作成、
②情報提供義務、
③極度額の定め、
この3つです。

公正証書の作成

公正証書が必要になるのは、事業資金の借入れについて、経営者等以外の個人と保証契約をする場合です。

手続きとしては、保証契約を締結する日までの1か月以内に、保証人本人が公証役場に行き、保証する意思を明確にした公正証書を作成しなければなりません。
このような公正証書がなければ、保証契約は無効になります。

借主が法人の場合は、その理事、取締役、執行役、議決権の過半数を有する株主が「経営者等」に該当します。
借主が個人の場合は、共同経営者、その事業に従事している主債務者の配偶者が「経営者等」該当します。

情報提供義務

事業に関連する主債務について、個人に保証を頼む場合、主債務者に情報提供義務があります。
この場合の主債務は、金銭債務に限りません。

情報提供義務として、主債務者は、財産や収支の状況などの情報を、保証を依頼する個人に提供しなければなりません。

主債務者が情報を提供しなかったり事実と異なる情報を提供した場合、債権者がそれを知っていたのであれば、保証人は保証契約を取り消すことができます。

保証契約後も、主債務者が期限の利益を喪失した場合における債権者から保証人への通知義務や、保証人から請求があった場合における情報提供義務が規定されています。

極度額の定め

個人が根保証をする場合、極度額の定めが必要になります。
書面によって極度額を定めておかなければなりません。

主債務の種類は、特に限定されていません。
取引基本契約の他、賃貸借契約の保証の場合にも書面で極度額を定めておく必要があります。

書面による極度額の定めがなければ、個人根保証契約は無効となります。

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拾井央雄
専門家

拾井央雄(弁護士)

京都北山特許法律事務所

エンジニア15年〜弁理士5年と弁護士としては異例の経歴を持ち、技術系分野に精通。知的財産や技術系法務のエキスパートとして数多くの事業者を支援。また自身が住職である立場から宗教法人のサポートも手掛ける。

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