<エンゲル係数が急上昇しています!>
たんす預金が3カ月連続で減っているようです。
次のグラフの<タンス預金>をご覧ください。
なぜでしょう?
長期化する物価高に加えて、今年7月の新札の切り換えを控え、現行の紙幣を手放す動きが活発になっていることが要因のようです。
現在のたんす預金残高は2023年12月時点で59.4兆円です。凄い金額です。
2023年度の税収が約70兆円ですからそれに近い額です。
物価高で現金を保有していれば価値が目減りするため、たんす預金の伸び率は昨年4月から低下傾向にあり、10月以降はマイナスに転じています。
このたんす預金は、もともと匿名性が高い資産です。今回の減少したたんす預金の行先は、「匿名性を確保出来、かつインフレ耐性の高い金に向かうのではないか?」と分析されているようです。一部が株式市場に向かう可能性もあるようです。
タンス預金の59.4兆円を国民一人当たりにすると約48万円になります。
日銀によれば、日本は現金大国で家計の金融資産に占める現預金の割合(2023年)は、日本が54.2%、米国12.6%、ユーロ圏35.5%で突出しています。
インフレ長期化という要素も加わり、賃金が上がっているものの実質賃金は21カ月連続で低下しています。
毎月の赤字を補うために、個々の家庭がたんす預金を取り崩す動きも、残高減少の原因になっている可能性があるようです。