別れの季節に想う 『それぞれの人生の転機をそっと見つめる駅のような法律専門職でありたい』
先日のこと、事務所で書類作成をしていると「ある人に作ってもらった書類があるのですが、法的に不備がないかちょっと見てもらえませんか」と電話が入りました。
開業して8年、このような問い合わせはもちろん初めてではありません。正直なことを言ってしまうと、忘れたころにポツリポツリとやってきます。きちんと数えているわけではありませんが、感覚的に言えばおよそ一年に1回くらいでしょうか。思い返してみても、内容証明から遺言書、各種契約書までいろいろありましたが、今回は遺産分割協議書でした。
あらためて冷静に分析してみると、このような人には共通している点がいくつかあることに気付きました。
1 決して親しいという間柄ではない、どこかで一度か二度会ったことのある知り合いレベル
2 手の空いているときにちょっと見てほしい、つまりお金がかかるなら頼みたくない
3 こちらが必要とする経緯や事情を隠す、あるいは小出しにする
今回の方も、やっぱり上記3つに当てはまりました。長い付き合いのある人を介しての「知り合い」なのであまり無下な対応をするわけにもいかず、一度だけという約束で時間をお取りしてお話を伺いましたが、どこのどなたが作った書類なのかはっきりお答えにならない(知り合いに紹介してもらったとある専門家と言ってましたが、専門家が作ったにしてはあまりにもお粗末な出来上がり、素人があちこち調べて切った貼ったで慌ててこしらえたとしか思えない代物でした)、とりあえず不備があるかどうかだけを見てほしい、根拠となる添付書類はほとんど省略してあるうえに個人情報が特定される事項にはいくつか黒塗りがされている始末でした。
はっきり言ってしまうと、一読しただけでもあちこち不備だらけ。それも一つや二つではない。その上、内容的にも経緯や事情、根拠に不明な記載がいくつもあり、その点をお聞きしても今ひとつはっきりしないばかりか、あまり突っ込まれたくない思いがミエミエでむしろはぐらかす場面も。
これでどうでしょうか?と言われても、とてもではありませんが法律専門職としては回答のしようがありません。ましてや、不備があったら教えてほしい、できれば直してほしいだなんて?!
この部分はこういう記述に改めたほうがいい、ここにこのような記述を挿入した方がいい、ここは削除してもいいでしょう、そんなことをやってしまったら、無償で書類を作成することと何ら変わりなくなってしまいます。根拠となる付属書類や添付書類の確認・照合、事情や経緯の聞き取り、そうした作業をした後で改善案の提案、どんなに少なく見積もっても数時間、場合によっては半日を要します。むしろ、私が真っ新な状態から作成した方が早いくらいです。法律専門職として、このようなレベルのお話に無償で数時間ないし半日を費やすわけにはいかないのです。
そこで、まちなかステーションでは、書類の確認をしてほしいという方に対しては、(1)こちらが必要とする付属書類、添付書類とともに、(2)確認してほしい書類の原本を1週間お預かりする、(3)費用は最低5万円から(分量や難易度によって異なる場合もあります)、の3つの条件に同意をいただければ、書類の確認と内容修正のご提案をお引き受けしています。
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