コラム
エンディングノートでは絶対に『争続』は防げない! その3つの理由とたったひとつの解決策とは?!
2016年10月6日 公開 / 2018年9月19日更新
テレビや新聞・雑誌をはじめ各種団体が開催するセミナー等においても、終活の名の下にさかんにエンディングノートの作成を勧めているようです。なるほど、正面から死に対して向き合うことを避ける日本人の気質をよく捉えた手法に感心する一方、いまや新たな相続トラブルを引き起こす引き金となっていることに危惧感を持っています。
専門家が作成に関与し、書店に並んでいる有料のものから、金融機関などが開催するセミナーなどで無料配布されるものまで様々ありますが、およそエンディングノートとは『自分にもしものことがあった場合に、伝えておきたいことをまとめておく』ものをいうようです。
確かに、エンディングノートは遺言書と違って、形式や内容に定めがないため本人の思ったことを自由気ままに記すことができるのは利点です。つい先日のことですが、あるテレビ番組の中で高齢の女性が『自分が亡くなった後のことや、葬儀・埋葬に関する事項や財産の所在やその分け方についてしっかりと希望を書いてあるから安心だ』と信じて疑わない様子で話している姿を拝見しました。
しかし、残念ですが、(1)このようなノートの記載をもって、その通りに払い戻しや解約手続きに応じてくれる金融機関は、私の実務経験上はひとつもありません。必ず、相続関係者全員の戸籍類や遺産分割協議書の提出を求められます。そして、(2)法的効力がない以上は、その記載に従うかどうかもあくまで関係者の自由であり、無用なトラブルを未然に防ぐ効力もまたほとんど期待できません。さらには、(3)これらのノートの保管はもちろん、記載された内容の実現を一体誰に託すというのでしょうか。そもそもきちんと保管されるのか、書かれたとおりに実現されるのか、法的効力がない以上これまた関係者の善意に期待するしかなく、何とも心もとない運任せのようなことになってしまうことでしょう。
では、どうすればいいのでしょうか。それは、あなたの想いが十分に込められた『法的効力のある遺言書』を作成してあなたがこの世を去るまでしっかりと保管してもらうことです。そして、あなたがこの世を去った後、あなたに成り代わってあなたの意思を確実に客観的に遂行してくれる責任者として行動してもらうのです。そのためには、あなたの人生観をしっかり受け止めて死生観をも共有できる良心的な代理人を立てておくことでしか実現する方法はない、と私はこの数年間の経験から断言できます。
それから、本当の遺言書は決して無味乾燥な法律文書ではありません。なぜ遺言を作成しようと思ったのか、どのような形で財産を分けてほしいのかだけでなく、大切な人への感謝の気持ちなどを付言(ふげん)という形で盛り込むことができるのです。私が42歳の時に書いた遺言書をお見せしながら、あなたの想いがたくさん詰まった感動の遺言書となるように一緒に考えていくことをお約束します。
代表 加藤俊光が書いた遺言書を見ながら相談をしたい! いますぐまちなかステーションに相談する
だからこそこれからも私は、遺言者の不安や想いが理解できる法律専門職として、ひとりでも多くの方に元気なうちから『想いを伝える遺言書』を書くことを推奨し続けていきます。
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