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相続問題に精通した専門職として、素晴らしいエンディングを迎えるための選択肢を示します

加藤俊光

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テーマ:時々雑感【平塚|法律専門職の視点】

 先週末に『平塚の在宅ケアを考える会』の定例会に出席しました。通称『ひらざい』と呼ばれているこちらの会は、市内で在宅医療支援を専門にされている昭和クリニックの上野善則先生を中心に、訪問看護師や薬剤師・ケアマネージャー・介護福祉士・介護ヘルパーなど在宅医療に直接携わる専門職の方はもとよりバリアフリーのリフォームの専門家などの幅広い層がメンバーになっている有志参加型の学習会です。私は、昨年から様々なところで『相続を争続にしないために』をテーマにお話をさせていただいておりましたが、ご縁があって『ひらざい』の定例会でお話しさせていただいたのをきっかけに入会させていただきました。

 さて、今回の定例会は、第一部のフリートークでピースクリニック中井の永山先生とピースハウス病院の齋藤先生をお囲みして緩和ケアやホスピスの現状、地域とホスピスのつながりについてのお話がありました。そして、第二部では薬剤師の寺山先生より『市民活動から学んだこれからの地域ケア』と題してご講演がありました。私は、医療・福祉に直接携わる専門家ではありませんが、人生のエンディングに携わっておられる他業種の方と接することで、貴重で得がたい経験をさせていただいていると感謝している次第です。

 そんな『ひらざい』の定例会ですが、今回の感想を一言で述べるとすれば、『選択肢』と表現できるのではないかと捉えています。

 原則として終末期にどのような治療やケアを受けるかということは自己決定権の範疇にあり、本来であれば各人が自由な意思によって決定すべき問題でなければならないはずです。

 しかしながら、私を含めた医療関係者ではない一般の人間からすれば、もし仮に自分らしく自然な最期を迎えたいと考えたとしても一体誰に相談したらいいかわからないのが現実でしょう。さらにまた、誤解と批判を恐れずに申し上げれば、自分らしい自然な最期を迎えたいという方がおられたとしても、その想いを正面から受け止めることのできる医療・福祉分野の専門家の方がどれだけいらっしゃるでしょうか。
 
 もっとも、このように一般の方にとって『誰に相談したらいいかわからない』あるいは『その想いを受け止める能力のある専門家が不足している』という状況は、実は私の専門分野である相続・遺言の分野でも起こっています。

 どうしてこのようなことが起こってしまうのか、原因はいろいろあるとは思いますが、ひとつの原因としてはそれぞれの分野の専門家が一般の方に向けて適切な情報や的確な選択肢を発信していないことにあるのではないでしょうか。

 思うに、専門家が有する知識や経験は専門家自身が独り占めして満足するのでなく、地域はもちろんそれを必要とする方々にどんどん発信・提供し役立ててもらうべきものです。

 とすれば、それぞれの分野の専門家は、情報を必要とする一般の方からのアクセスを待っているのではなく、そもそもどうすれば地域や一般の方が関心を持ってくれるのかはもちろんですが、すでに関心を持っている一般の方によりわかりやすく伝えていくためにはどうしたらいいのかを念頭に置きつつ試行錯誤しながらも諦めることなく発信し続ける義務があるといえるでしょう。

 また、一般の方々も自らの要望を実現したいのであれば、人まかせや先送りといった姿勢ではなく、もっともっと有益な情報を収集し取捨選択しながら、きちんと自分自身の意思を表示する責任があるのではないでしょうか。

 私は、医療の専門家ではありませんので、『自分らしく最期を迎えるためのケアや看取り』に対して直接お手伝いすることはできません。しかし、『自分らしく最期を迎えるための準備はどうしたらいいか』あるいは『自分の亡き後の事務処理はどうしたらいいか』という分野では『ひらざい』のメンバーの皆さんとともにお手伝いすることができると確信しています。

 人生には必ず終焉が訪れます。そんな人生の最期の時間に、カラダや心の痛みや苦しみはもちろん不安な想いをされる方を可能な限りなくしていきたい。そのためにも私は、『ひらざい』のメンバーの皆さんとともにひとりでも多くの方が元気なうちに『人生の素晴らしいエンディングを迎えるための準備』ができるような選択肢をご提案し続けていきます。 

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加藤俊光
専門家

加藤俊光(行政書士)

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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