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加藤俊光プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

遺言書とエンディングノートの違い!(1) 正しく理解して賢く使おう

加藤俊光

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テーマ:時々雑感【平塚|法律専門職の視点】

 先日のコラムで、『遺言こそが家族に贈る最後の手紙です』とお話をしましたところ、それならエンディングノートでもいいのではないでしょうかとお尋ねになった方がいました。最近は、エンディングノートがちょっとしたブームにもなっているようで、これならばあまり死を意識せずに気軽に書けるのではないかと多くに人に受け入れられていることが要因だと捉えています。

 確かに、葬儀や埋葬についての在り方や、ご自身が亡くなられた後のペットの世話や身の回りの品々の整理などについての要望や想いを伝えることが目的であるとするならば、エンディングノートでも十分役割を果たすことができるかもしれません。

 しかし、エンディングノートは気軽に作成できる反面、法律的に見ると内容として無効となってしまうケースや、実際に相続が開始して各相続人が読んだ際にどちらにでもとれる表現が使われていることから思わぬトラブルが起きてしまうケースが後を絶たないのが現実です。また、せっかく作成されたエンディングノートですからご自身が亡くなられるまで長期にわたって安全に確実に保管される必要がありますが、ご自宅のタンスなどで保管して紛失や毀損してしまったりするケースがあるようです。さらに、エンディングノートは一般的には不動産や金融機関の名義変更などの手続に使うことはできません。結局は、エンディングノートの内容に沿って『誰が何を相続するかの話し合い』、すなわち遺産分割協議が必要となるというのが現在の法律の立場です。

 この点、公正証書で遺言を作成しておけば、①公証人が作成する公正証書である以上、無効・争いになってしまうことはほとんどありませんし、②公正証書の原本は遺言者が120歳になるまで公証役場で保管されることから、紛失してしまったり内容を書き換えられてしまったりすることはまずありません。さらに、③不動産や金融機関の名義変更手続にもそのまま使うことができますので、相続トラブルの原因である遺産分割協議をする必要がありません。

 またもうひとつ見落としがちなことがありますが、遺言公正証書を作成する際には遺言の中で『遺言執行者』も定めておくことです。いくら有効な遺言があったとしても、ご本人がこの世を去った後で遺言書に書かれた内容を実現するためには、結局はこの世に生存している誰かが行う必要があるからです。そして、遺言執行者は相続人の中のどなたかではなく、利害関係のない公平な立場の第三者である私どものような専門家を指定しておくことをお勧めしています。

 あなたがお書きになったエンディングノートは、本当に速やかに円満に相続手続が行われる内容となっていますか。あなたがこの世を去った後で思わぬトラブルを引き起こしたり、せっかく作ったあなたの大切な想いがどこかへ紛れ込んでしまったりするおそれはありませんか。

 私自身もすでに遺言を書いていますから、あなたが残された人にどんな想いを伝えたいかはよく分かるつもりです。これからも私は、遺言者の想いが理解できる相続・遺言の専門職として、ひとりでも多くの方に『争わないための遺言書』をご提案し続けていきます。
 

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加藤俊光
専門家

加藤俊光(行政書士)

相続まちなかステーション/加藤法務行政書士事務所

単身者・子どものいない夫婦世帯が人生の最終章で直面する介護や医療、金銭管理、死後の事務手続、お墓、ペットなどの切実な問題に寄り添い解決。地元の在宅医療・介護の専門職と密接な連携が取れる体制にも自信あり

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