中小企業の未来を財務戦略から考える ~第2部:財務の視点から考える対応策~
はじめに
先日、高校の授業で、金融経済教育の外部講師を務めました。
今回は高校での授業でしたが、去年は小学校の授業で金融経済教育の講師をしました。
第1部では、金融経済教育授業の現状や、国が金融経済教育に力を入れる背景などについて解説します。
現代の高校生が学ぶ資産形成と世代間格差
2022年4月から施行された高等学校の新しい学習指導要領(文部科学省)により、公民科(公共)や家庭科の授業において、これまでの「家計管理や消費者被害の防止(守り)」だけでなく、新たに「資産形成や投資信託(攻め)」の視点を含んだ授業が必修化されました。
この金融経済教育は小学生は2020年4月から、中学生は2021年4月から必修となっており、現在の若年層は学校の授業で投資の基本やリスク分散の仕組みを学んでいます。
一方で、企業の経営層や既存の従業員世代は、こうした金融教育を学校で受ける機会がありませんでした。ここに、「世代間の知識格差」が生まれつつあります。
この知識格差や金融に対する意識の違いが、働く上で潜在的なリスクとなる可能性があります。
政府の成長戦略「資産運用立国の実現」
この教育を後押ししているのが、政府が掲げる成長戦略「資産運用立国」です。
金融庁の「資産運用立国の実現(2024年1月11日)」をはじめとする政府の方針では、2,000兆円を超える現預金を主とした日本の個人金融資産の投資割合を増やし、「成長と分配の好循環」を生み出すことが、日本の経済成長に不可欠であると位置づけられています。
NISAの拡充や、iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額引き上げなどは、この国策に基づいています。さらに、2024年には官民一体の認可法人「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」が本格稼働し、国民一人ひとりが金融知識を学べる環境が一元化されました。
国を挙げたこの潮流は一過性のものではなく、日本の経済・金融構造を変えようとする国家戦略です。
まとめ
第1部では、私が高校での講師を務めた背景から、学校教育の変化、政府の成長戦略としての「資産運用立国」の現状をお伝えしました。お金に対する社会の常識や意識が変わろうとしています。
第2部では、日本の金融リテラシーや資産運用の環境を諸外国と比較し、課題について掘り下げていきます。



