中学受験の国語が苦手な子が変わった!「古典素読+ 論理的思考」で国語嫌いを克服した実例

篠田啓彦

篠田啓彦

テーマ:体験

「中学受験を考えているけれど、うちの子は国語がどうしても苦手……」
「国語の勉強になると嫌がってしまう」
「音読をさせようとしても、なかなかやってくれない」
「算数の計算はできるのに、文章題になるとできない」

小学生のお子さまをお持ちの保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。

今回は、実際に啓理学舎で指導した、国語が大の苦手だった小学5年生の男の子の事例をご紹介します。

大手進学塾に通いながら中学受験を目指していたものの、国語だけはなかなか伸びない。

しかも、音読さえ嫌がるほどの「国語嫌い」。

そんな男の子が、「古典素読」と「論理的思考力のトレーニング」を中心とした学習によって、少しずつ国語への苦手意識をなくしていきました。

※個人が特定されないよう、一部内容を変更しています。


小学2~3年生ごろから「読むこと」が苦手だった




今回ご紹介する男の子は、関西在住の小学5年生。

中学受験を目指しており、大手進学塾に通っていました。

しかし、特に苦手だったのが国語です。

小学2~3年生ごろから、読み聞かせや音読を嫌がるようになったそうです。

そして小学3年生ごろになると、学校の国語の成績も徐々に下がっていきました。

小学4年生のときには、同級生の言葉を勘違いして受け取ってしまい、友達とのトラブルになったこともありました。

お母さまは、

「もしかすると、発達面に何か問題があるのではないか」

と心配されていました。

さらに、

・算数の計算問題はできる
・しかし算数の文章題は苦手
・理科・社会はそれなりにできる
・国語のテキストを音読することさえ嫌がる
・ただし、学校や塾に行くこと自体は嫌がっていない

という状態でした。

つまり、勉強そのものが嫌いだったわけではありません。

特に大きな壁になっていたのが、「国語」そして「読むこと」だったのです。


「国語が苦手」でも、本をまったく読まない子ではなかった


授業を進めていく中で、この男の子の意外な一面が見えてきました。

実は、理科が好きでした。

そして将来の夢は、

「宇宙飛行士になりたい」

というものでした。

そのためか、宇宙に関する本や図鑑はかなり読んでいたそうです。

また、スポーツでは野球が好きで、

「中学生になったら野球部に入りたい」

という希望も持っていました。

とてもアクティブな男の子で、クラスでは中心的な存在。

少し反抗期にも入っており、お母さまに対してはかなり横柄な言葉遣いをすることもありました。

しかし、授業で見ていると、

「分からなくても、何とかして答えを出そうとする」という強さを持っている

ことが分かりました。

これは、この男の子の大きな長所でした。


お母さまに最初にお願いしたこと――「小言を言わない」


この男の子の指導を始めるにあたって、お母さまに最初にお伝えしたことがあります。

それは、

「小言を言わないようにしてください」

ということでした。

国語ができない。
音読ができない。
文章を読まない。
問題が解けない。

このような状態を見ると、保護者としては、

「もっと本を読みなさい」
「ちゃんと音読しなさい」
「どうしてこんな問題もできないの?」

と言いたくなるかもしれません。

しかし、国語が苦手な子に対して、できないところばかりを指摘してしまうと、

「自分は国語ができない」

という意識をさらに強くしてしまうことがあります。

そこで、

「良いところを見る。そして、良いところを褒める」

ということをお願いしました。

国語だけを見て、その子を評価しないこと。

宇宙が好き。
野球が好き。
活発である。
何とか問題を解こうとする。

そうした本人の長所を大切にしながら、国語の学習を進めていくことにしました。


最初の音読で分かった「読む力」の課題


最初の授業では、音読に取り組みました。

ところが、それほど難しくない文章でも、途中でつっかえてしまいます。

また、文末が曖昧になるような読み方も見られました。

そこで、しばらく中学受験用の国語テキストを使って音読練習を行いました。

しかし、思ったような効果は出ませんでした。

ここで重要なのは、

「音読をさせれば、それだけで国語力が伸びる」とは限らない

ということです。

その子の状態を見ながら、必要な指導方法を考える必要があります。


そこで「古典素読」に切り替えました


中学受験用の国語テキストによる音読だけでは十分な効果が得られなかったため、指導方法を変えました。

取り入れたのが、

「古典素読」

です。

古典素読では、文章(古典)を一音一音、丁寧に声に出して読むことを重視します。

母音・子音の口の形もしっかり指導し、

「一音一音切って読む」

ということを徹底的に練習しました。

難しい長文をいきなり読ませるのではなく、まずは、

「正確に音を出して読む」

という基本に戻ったのです。


※『「基礎学力」を伸ばすためには…古典素読』↓
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5210752/


「論理的思考力」のトレーニングも始めた


古典素読と同時に、もう一つ取り組んだのが、

論理的思考力を鍛える学習

です。

授業では、

・言いかえる力
・くらべる力
・たどる力

などを鍛える教材を使いました。

国語の読解問題では、文章をただ読めば答えが出てくるわけではありません。

文章に書かれていることを正確に読み取り、

「これはどういう意味なのか」
「前の文章とどうつながっているのか」
「なぜ、この答えになるのか」

と考える必要があります。

そこで、国語の問題だけではなく、論理的に考える練習そのものを行いました。


※『「論理的思考力」を身につけるためには...』↓
https://mbp-japan.com/kanagawa/pega-yk6/column/5114843/


授業の最初には「論理パズル」も


授業の最初には、論理的思考力を鍛えるパズルにも取り組みました。

これが本人にはかなり合っていたようです。

国語の文章を読むことには抵抗があっても、パズルには興味を持って取り組みました。

しかも、

「分からないからやめる」

のではなく、

「何とか解いてみよう」

という姿勢がありました。

最初は戸惑っていましたが、少しずつ問題形式にも慣れてきました。

そして徐々に、

「答えはこれです」

だけではなく、

「なぜなら、ここにこう書いてあるからです」

というように、答えの根拠を説明できるようになっていきました。

これは、国語の読解力を育てるうえで大きな変化でした。


長文になると、まだまだ厳しかった


もちろん、すぐに国語が得意になったわけではありません。

短い文章であれば対応できても、文章が長くなると、まだ厳しい状態でした。

しかし、ここで焦ってはいけません。

大切なのは、

「できない」→「できるようになる」

という二段階だけではないからです。

実際には、

「少し分かる」
↓
「問題に取り組める」
↓
「答えを出せる」
↓
「答えの根拠を説明できる」
↓
「長い文章にも少しずつ対応できる」

というように、段階を踏んで力がついていきます。

この男の子も、まさにその過程を進んでいきました。


「古典素読+論理的思考」の二本柱


この男の子の国語指導では、

①古典素読

正確に読む力を育てる

②論理的思考力

文章を読み、考え、根拠を見つける力を育てる

という二本柱で授業を進めました。

すると、少しずつですが、

「国語は苦手だ」

という意識が薄れていきました。

そして、

実際に国語の問題も少しずつ解けるようになっていった

のです。


小6で大手進学塾から個別指導塾へ


小学6年生になるころ、それまで通っていた大手進学塾の授業についていくことが難しくなり、個別指導塾へ転塾することになりました。

その個別指導塾で入塾時に国語の評価を受けたところ、

「国語はまずまず」

という評価でした。

小学5年生のころには、音読さえ嫌がっていた男の子です。

そこから考えると、

少しずつですが確実に変化していた

ことが分かります。


入試直前には「学力」だけでなく「心」も支える


そして、いよいよ中学入試が近づいてきました。

年が明けると、学校を休み、個別指導塾で過去問対策を行うようになりました。

しかし、入試直前の本人はかなり精神的に参っている状態でした。

そこで急遽、入試直前の1週間は夜にも授業を行い、精神面を支えることを意識した指導を行いました。

中学受験では、入試直前になるほど、勉強だけではなく、

「本番で力を出せる状態をつくること」も大切

になります。


第1志望校には届かなかった。それでも……




入試結果は、第1志望だった大学附属中には届きませんでした。

しかし、

第2志望以下の学校にはすべて合格。

そして、本人は第2志望校へ進学することになりました。

中学受験という一つの目標に向かって努力する中で、この男の子は、国語に対する苦手意識を少しずつ変えていきました。


国語が苦手な子には「なぜ苦手なのか」を考えることが大切


この事例から、私たちは何を学ぶことができるでしょうか。

国語が苦手な子に、

「もっと本を読みなさい」
「もっと問題を解きなさい」
「もっと音読しなさい」

と言うだけでは、十分ではない場合があります。

なぜなら、

「国語が苦手」といっても、その原因やつまずいている場所は一人ひとり違う

からです。

今回の男の子の場合は、

・音読そのものに抵抗があった
・一音一音を正確に読むことが難しかった
・長い文章になると対応が難しかった
・言葉を正確に受け取ることに課題があった
・答えの根拠を説明することが難しかった

という様子が見られました。

そこで、

読む力
↓
考える力
↓
答えの根拠を探す力
↓
自分の言葉で説明する力

というように、一つずつ力を育てていきました。


「国語が苦手=国語の才能がない」ではありません


国語が苦手なお子さまを見ていると、

「この子は国語の才能がないのでは?」

と思ってしまうことがあります。

しかし、「国語力」は一つの能力だけで成り立っているものではありません。

文章を読む力。
言葉を正確に受け取る力。
文章の構造を考える力。
言葉を言い換える力。
くらべる力。
文章の中から根拠を探す力。
そして、自分の考えを言葉にする力。

さまざまな力が組み合わさって、国語の読解力につながっていきます。

だからこそ、

「国語が苦手だから、国語の問題をもっと解かせよう」

と考えるだけではなく、

「この子は、国語のどの部分でつまずいているのだろう?」と考えてみることが大切

なのです。


お子さまの「できない」ではなく「できる」にも目を向ける


もう一つ、この事例で大切にしたのが、

お子さまの良いところを見ること

でした。

宇宙が好き。
野球が好き。
活発である。
クラスの中心的な存在である。
分からない問題でも、何とか解こうとする。

こうした長所は、国語のテストの点数だけを見ていたら、見落としてしまうかもしれません。

しかし、子どもの成長を考えるなら、

「できないこと」だけではなく、

「できていること」「好きなこと」「夢中になれること」を見ること

も大切です。

その子の長所を認めながら、苦手な部分を少しずつ伸ばしていく。

それが、子どもが前向きに学習を続けるための一つの方法だと考えています。


中学受験の国語でお悩みの保護者の方へ


もし、お子さまが、

・中学受験の国語が苦手
・国語の成績がなかなか上がらない
・長文読解が苦手
・音読を嫌がる
・国語の問題を見るだけで嫌がる
・算数でも文章題になると苦手になる
・「国語が嫌い」と言っている
・何を勉強させればよいのか分からない

という状態でしたら、まずは、

「もっと勉強させる」前に、「どこでつまずいているのか」を見つけること

から始めてみてはいかがでしょうか。

国語の力は、一朝一夕に身につくものではありません。

しかし、読む力、考える力、根拠を探す力を一つずつ育てていくことで、少しずつ変化が
見えてくることがあります。

啓理学舎では、お子さま一人ひとりの国語のつまずきを確認しながら、「読む力」と「考える力」の両方を育てる国語指導を大切にしています。

「うちの子は、なぜ国語ができないのだろう?」

そう感じていらっしゃる保護者の方は、ぜひ一度、お子さまの国語の学習方法を見直してみてください。

国語が苦手な理由が分かれば、取り組むべきことも見えてくるかもしれません。

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篠田啓彦
専門家

篠田啓彦(塾講師)

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎

保護者の方に家族関係改善等を助言させていただくとともに、国語が苦手なお子さまでも特別な学習方法で真の「基礎学力」「国語力」が身につき、さらに各教科の成績向上、中学・高校合格へ導いている。

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