『家族関係』にこだわる理由 ー啓理学舎
「勉強しなさい」と言うほど、子どもは勉強しなくなる…
「何度言ったら勉強するの?」
「受験生なんだから、少しは机に向かいなさい!」
子育てをしていると、つい口にしてしまう言葉ではないでしょうか。
親としては子どもの将来を心配するからこそ言っているのですが、不思議なことに、この言葉を繰り返すほど子どもは勉強から遠ざかってしまうことがあります。
今回は、「勉強しなさい」と言うことをやめ、子どもの好きなことに歩み寄ることで、娘さんが自ら受験勉強に取り組み、内申点が9ポイントも上がった実話をご紹介します。
子どものやる気を引き出したいと考えている保護者の方に、ぜひ読んでいただきたいお話です。
部活動に夢中で、家ではほとんど勉強しなかった娘
娘さんは部活動に熱中していました。
毎日遅くまで練習があり、帰宅すると疲れ切ってしまいます。
そのため、自宅ではほとんど勉強をしませんでした。
一方、お母さんは高校受験が近づくにつれ、不安が大きくなります。
「このままで志望校に合格できるのだろうか。」
そんな思いから、「勉強しなさい」という言葉を何度も口にするようになりました。
ところが、その言葉は娘さんにはまったく届きません。
それどころか、娘さんは大好きなアイドルグループにますます夢中になっていったのです。
親としては焦るばかりでした。
ママ友からもらった一言が転機になった
そんなある日、お母さんはママ友から思いがけないアドバイスを受けます。
「一度、『勉強しなさい』と言うのをやめてみたら?」
最初は驚きました。
「そんなことをしたら、ますます勉強しなくなるのではないか。」
そう思ったそうです。
しかし、このまま同じことを続けても状況は変わらない。
そう考えたお母さんは、思い切って実践してみることにしました。
そして、もう一つ、大きな決断をします。
娘を変えようとする前に、自分が変わることを選んだ
お母さんが始めたこと。
それは、娘さんの大好きなアイドルグループについて、『本気で学ぶ』ことでした。
「娘が好きなものを知れば、娘の気持ちが少しでも理解できるかもしれない。」
そんな思いからです。
まずはメンバー全員のフルネームを漢字で覚えました。
CDも何度も聴き、「この曲ならタイトルが分かる」というほど繰り返し聴きました。
テレビ出演の日程も調べ、雑誌の記事にも目を通しました。
まるで学生が試験勉強をするような熱心さだったそうです。
最初は「キモい」と言われた
突然、お母さんがアイドルに詳しくなったので、娘さんは驚きました。
「何それ、キモい。」
そんな反応だったそうです。
それでも、お母さんは続けました。
娘さんを変えるためではありません。
娘さんの世界を理解したいという純粋な気持ちがあったからです。
すると、少しずつ娘さんの気持ちが変わり始めます。
「お母さんは私の好きなものを否定しない。」
「私のことを理解しようとしてくれている。」
そんな安心感が生まれていったのです。
親子の信頼関係が深まると、子どもは変わり始める
その後、二人は一緒にカラオケへ行き、コンサートにも出かけるようになりました。
親子の会話は以前よりずっと増え、お互いに笑顔で話せる時間が増えていきました。
そして、中学3年生になる頃には、娘さん自身がお母さんの真心を理解するようになります。
「お母さんは私を信じてくれている!」
そう感じた娘さんは、自分から受験勉強に向かうようになりました。
誰かに言われたからではありません。
自分自身の意思で勉強を始めたのです。
ここが何より大きな変化でした。
内申点が8ポイントアップ!先生たちも驚いた
努力は結果となって表れました。
中学3年生の2学期には、内申点が8ポイント(9教科)もアップしたのです。
高校入試では、学力試験だけでなく内申点も大きな評価対象になります。
そのため、この伸びは非常に大きな意味を持っていました。
学校や塾の先生方も、短期間での成績向上に驚いたそうです。
そして、娘さんは第一志望校への合格を果たしました。
子どものやる気は「信頼関係」から生まれる
このお話で大切なのは、「アイドルが好きだったから成功した」ということではありません。
お母さんが、娘さんを変えようとする前に、自分自身が変わることを選んだことです。
親はつい、「子どもを変えたい」と考えがちです。
しかし、本当に子どもの心を動かすのは、「理解しよう」「受け入れよう」という親の姿勢なのかもしれません。
子どもは、自分を理解してくれる人の言葉には耳を傾けます。
反対に、自分を否定する人の言葉には心を閉ざしてしまいます。
信頼関係こそが、勉強への意欲を育てる土台なのです。
アイドルでもゲームでもスポーツでも構わない
今回ご紹介した事例では、娘さんが夢中になっていたのはアイドルグループでした。
しかし、お子さんが好きなものは家庭によって違います。
ゲーム、スポーツ、アニメ、漫画、YouTube、音楽、鉄道、昆虫、料理…。
何であっても構いません。
大切なのは、「そんなものばかり」と否定することではなく、「教えて」「一緒にやってみよう」と歩み寄ることです。
その姿勢が、子どもの安心感を育て、親子の絆を深めます。
そして、その絆が、「勉強も頑張ろう」という気持ちにつながることがあるのです。
まとめ|「勉強しなさい」よりも心に届く言葉がある
子どものやる気は、命令では生まれません。
「勉強しなさい」と何度言うよりも、「あなたの好きなことを知りたい」「あなたを理解したい」という気持ちの方が、子どもの心には深く届きます。
もちろん、すべてのご家庭で同じ結果になるとは限りません。
しかし、親子の信頼関係が深まれば、子どもは自分で考え、自分で行動できるようになります。
もし今、お子さんへの声かけに悩んでいるなら、一度「勉強しなさい」をお休みして、お子さんの好きな世界に一歩踏み込んでみてはいかがでしょうか。
その小さな一歩が、親子関係を変え、子どもの未来を大きく変えるきっかけになるかもしれません。


