本を読まない子は国語ができない? 小学生の読解力を伸ばす方法
「うちの子は、音読が苦手です」
「教科書を読ませると、何度もつっかえてしまいます」
「文章を読むのが遅く、国語のテストでもなかなか点数が取れません」
小学生のお子さんをお持ちの保護者の方から、このようなご相談をいただくことがあります。
音読は、単に「声を出して文章を読む練習」だと思われがちです。
しかし、実際には、文章を正確に読み、言葉の意味を捉え、文のまとまりを意識しながら読むための大切な活動でもあります。
そのため、音読の様子を観察すると、お子さんが文章を読むときに、どこでつまずいているのかが見えてくることがあります。
ただし、ここで大切なのは、
「音読が苦手だから、必ず国語も苦手になる」と決めつけない
ことです。
音読の苦手さにはさまざまな原因があり、国語の苦手さについても、語彙、文章理解、設問理解、記述など、いくつもの要素があります。
今回は、
音読が苦手な子どもに見られやすい特徴と、それが国語の学習とどのようにつながるのか
を考えてみます。
1.音読が苦手な子に見られる特徴
音読が苦手なお子さんには、いくつかの特徴があります。
たとえば、
・文章を読むときにつっかえる
・言葉を読み間違える
・文章の一部を読み飛ばす
・同じところを何度も読み直す
・句読点を意識せずに読む
・一文が長くなると、どこまで読んだのかわからなくなる
・文の途中で意味がわからなくなる
・文章を読むのに時間がかかる
などです。
もちろん、これらが一つ見られたからといって、すぐに「国語が苦手」と判断する必要はありません。
大切なのは、
「なぜ、そのような読み方になっているのか?」を見ること
です。
2.「つっかえる」ことには意味がある
音読をしていて、何度もつっかえる子がいます。
「もっと練習すれば、スラスラ読めるようになるよ」
と声をかけることもあるでしょう。
もちろん、練習によって改善する場合もあります。
しかし、つっかえる場所をよく観察すると、単なる練習不足ではないこともあります。
たとえば、
・知らない言葉が出てきた
・漢字が読めない
・一文が長くなると構造がわからなくなる
・文の意味を取りながら読むことができていない
などです。
つまり、「どこでつっかえたのか」には、その子の読む力を考えるためのヒントが隠れていることがあります。
「つっかえないように何回も読む」だけではなく、
「なぜ、ここでつっかえたのだろう?」と考えてみることが重要
です。
3.読み飛ばし・読み間違いが多い場合
音読では、文章の一部を飛ばしてしまったり、言葉を別の言葉に読み間違えたりすることがあります。
たとえば、助詞を飛ばしてしまったり、似た漢字を読み間違えたりするケースです。
このような読み方が多い場合には、
文章を一文字ずつ正確に追えているかを確認
してみましょう。
文章を読むときには、
文字を見る → 言葉として認識する → 文の中で意味を捉える
という過程があります。
その過程のどこかでつまずいていると、読み間違いや読み飛ばしにつながることがあります。
そして、文章を正確に読めなければ、その後の「文章の意味を理解する」という段階にも影響する可能性があります。
4.句読点を意識せず読む場合
「、」や「。」を意識せずに、文章を一気に読んでしまう子もいます。
たとえば、長い一文を途中で区切らずに読んでしまうと、文の構造がわかりにくくなることがあります。
文章には、
・文
・文節
・言葉のまとまり
・段落
など、さまざまなまとまりがあります。
そのまとまりを意識して読むことで、文章の意味を捉えやすくなります。
したがって、音読を見るときには、
「きちんと声が出ているか」だけではなく、
「文章のまとまりを意識して読めているか」にも注目
してみましょう。
5.「意味のまとまり」で読めない場合
国語が苦手なお子さんを指導していると、
「一文字一文字は読めている。でも、文章全体の意味が頭に入っていない」
ということがあります。
これは、
文字を「音」に変えることと、文章を「意味」として理解することが、同じではない
からです。
たとえば、
「太郎は、学校から帰ると、すぐに宿題を始めた。」
という文章があったとします。
これを一文字ずつ正確に読むことができても、
「誰が、いつ、何をしたのか」
という文の内容を捉えられているとは限りません。
国語の読解では、文字を読めることに加えて、
「言葉と言葉の関係」や「文と文のつながり」を捉えること
が重要になります。
そのため、音読を見るときには、「正しく読めたか」だけではなく、
「意味を考えながら読めているか」という視点も大切
です。
6.音読と国語の読解力にはどのような関係があるのか
国語の読解問題では、まず文章を読まなければなりません。
そして、
文章を読む
↓
言葉の意味を捉える
↓
文の内容を理解する
↓
段落や文章全体の内容を理解する
↓
設問に答える
という過程を経て、問題を解いていきます。
この最初の「読む」という部分でつまずいていると、その後の理解にも負担がかかることがあります。
特に、
・読むのに時間がかかる
・読み間違いが多い
・読み飛ばしが多い
・一文の意味を捉えにくい
・文のまとまりを意識できない
といった特徴がある場合には、読解問題を解く前に、
まず「文章をどのように読んでいるのか」を確認することが大切
です。
7.「音読が苦手=国語が苦手」とは限らない
ここは非常に重要なポイントです。
音読が苦手だからといって、必ず国語が苦手になるわけではありません。
音読の苦手さには、さまざまな要因が考えられます。
また、音読があまり得意ではなくても、文章の内容をしっかり理解できる子もいます。
逆に、音読は流暢にできても、文章の内容を十分に理解できていない子もいます。
ですから、
「音読ができないから、この子は国語が苦手だ」
と単純に判断するのではなく、
「読む過程のどこでつまずいているのか」を確認することが大切
です。
8.家庭でできる音読の見方
ご家庭で音読を聞くときには、「上手に読めたか」だけを評価しないことをおすすめします。
次のような点を観察してみてください。
① 読み間違いはないか
漢字や言葉をどのように読んでいるでしょうか。
② 読み飛ばしはないか
文章の一部を飛ばしていないでしょうか。
③ つっかえる場所はどこか
毎回同じ場所でつっかえる場合には、その原因を考えてみましょう。
④ 句読点を意識しているか
「、」「。」で自然に区切って読めているでしょうか。
⑤ 意味のまとまりで読めているか
一文をただ機械的に読むのではなく、言葉のまとまりを意識して読めているでしょうか。
このように見ると、音読は単なる宿題ではなく、
「子どもの文章の読み方を観察する機会」
にもなります。
9.大切なのは「たくさん読ませる」ことではなく「どこでつまずいているか」を見ること
「音読が苦手なら、もっと音読をさせればいい」
と考えることもあるでしょう。
もちろん、読む経験を積むことは大切です。
しかし、それだけでは十分ではない場合があります。
重要なのは、
「何回読んだか」ではなく、「どのように読んでいるか」を見ること
です。
たとえば、
「漢字が読めない」
のであれば、語彙や漢字の確認が必要かもしれません。
「文章の途中で意味がわからなくなる」
のであれば、一文の構造や言葉のつながりを見る必要があるかもしれません。
「長い文章になると内容がわからなくなる」
のであれば、段落ごとの内容を整理する練習が必要かもしれません。
このように、同じ「音読が苦手」でも、必要な指導は一人ひとり違います。
10.啓理学舎が大切にしている国語指導
啓理学舎では、国語が苦手なお子さんに対して、単に国語の問題をたくさん解かせることだけを指導の中心にはしていません。
大切にしているのは、
「読む」
→「理解する」
→「考える」
→「答える」
という国語の学習過程です。
「国語ができない」という結果だけを見るのではなく、
「どこでつまずいているのか?」を確認することから始めます。
音読が苦手なお子さんについても、
・どこでつっかえるのか
・何を読み間違えるのか
・読み飛ばしがあるのか
・文のまとまりを捉えられているか
・読んだ内容を理解できているか
などを見ながら、その子に必要な力を考えていきます。
まとめ――音読は「読む力」を知る大切な手がかり
音読が苦手な子どもには、
・つっかえる
・読み飛ばす
・読み間違える
・句読点を意識しない
・意味のまとまりで読めない
などの特徴が見られることがあります。
こうした特徴があるからといって、すぐに「国語が苦手」と決めつける必要はありません。
大切なのは、
「音読が苦手」という結果ではなく、「なぜ音読が苦手なのか」を考えること
です。
そして、その原因を一つずつ確認していくことが、文章を読む力、理解する力を育てることにつながります。
「うちの子は国語が苦手だけれど、何が原因なのかわからない」
「音読でつっかえることが多い」
「文章を読むのが遅い」
「本を読んでも、内容を理解できているのか心配」
このようなお悩みをお持ちでしたら、まずはお子さんの「読む様子」をじっくり観察してみてください。
国語の苦手には、必ず原因があります。
啓理学舎では、単に問題を解かせるだけではなく、お子さんが「どこで文章を読むことにつまずいているのか」を確認し、その原因に合わせて国語を指導しています。
「うちの子は、なぜ国語ができないのだろう?」
そう感じていらっしゃる保護者の方は、ぜひ一度ご相談ください。


