中学生が『会読』するメリット

篠田啓彦

篠田啓彦

テーマ:コース/授業スタイル

みなさん、こんにちは。

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。

今回は、「中学生が『会読』するメリット」についてお話をさせていただきます。

中学生が『会読(かいどく)』をすることには、単なる「音読」以上の大きな教育的メリットがあります。


『会読』とは、みんなで同じ文章を声に出して読み合い、意味を考えながら共有していく学び方です。古くは藩校や寺子屋、漢学塾などでも行われていました。

中学生にとっての『会読』の主なメリットを整理すると、次のようになります。

中学生の会読


『会読』とは?


メリットを紹介する前に、『会読』について説明させていただきます。

一般的に『会読』と言われるものは、みんなで同じ文章を読み、声を合わせたり、順番に読んだりしながら、内容について考え合う学び方です。

たとえば、
  「一文ずつ交代して読む」
  「全員でそろえて読む」
  「意味を話し合う」
  「感想を共有する」
などを含みます。

江戸時代に藩校等で実際に実施されていた教育方法で、現在でも大学のゼミ等で行われています。

弊塾では、『会読』を以下のように定義しています。

『会読』とは、複数人で一つのテキスト(岩波文庫)を一緒に読み、その内容を検討、解釈し合う学習方法。

それでは、中学生が会読をするメリットを述べたいと思います。


① 読解力が深まる


一人読みでは気づかなかった内容に、他の人の読み方や解釈によって気づけます。

例えば、
  「どこで区切るか」
  「どこを強調するか」
  「なぜこの言葉を使ったのか」
などを共有することで、文章を立体的に理解できるようになります。

特に中学生では、「抽象語」「比喩」「筆者の主張」「古典特有の言い回し」が増えるため、『会読』は非常に効果的です。


② 語彙力・表現力が伸びる


『会読』では、自分が普段使わない言葉に触れます。

たとえば古典や名文では、
  「格調高い表現」
  「リズムのある文章」
  「深い感情表現」
に自然と触れることができます。

声に出して繰り返すことで、「知っている言葉」が「使える言葉」に変わっていきます。


③ 集中力が高まる


一人で黙読していると流し読みになりやすいですが、『会読』では
  「自分の番を意識する」
  「周囲とテンポを合わせる」
  「声を出す」
必要があるため、集中が持続しやすくなります。

特にスマホ時代の中学生にとって、「長い文章に集中する訓練」として価値があります。


④ 思春期でも“自然に”コミュニケーションできる


中学生は思春期に入り、
  「自分の意見を言いづらい」
  「人前で話すのが恥ずかしい」
と感じることがあります。

しかし『会読』では、「文章を介して」交流するため、直接的な自己主張より心理的負担が少なくなります。

その結果、「他者の考えを聞く」「自分の感じ方を比較する」「共感する」力が育ちます。


⑤ 古典・名文のリズムが身体に入る


中学生期は、「言葉の型」を身体化しやすい時期です。

例えば、
  「論語」
  「徒然草」
  「枕草子」
  漢文
  名作文学
などを『会読』すると、日本語の美しいリズムや論理構成が自然に身についていきます。

これは作文力や記述力にもつながります。


⑥ 記憶力・理解力が高まる


「目で読む」だけでなく、「声に出す」「耳で聞く」「他人の声を聞く」という複数の感覚を使うため、内容が定着しやすくなります。

特に歴史・古典・哲学的文章では効果的です。


⑦ “考える力”が育つ


『会読』の本質は、「正解探し」ではなく、
  「この文章は何を言おうとしているのか」
を皆で探ることにあります。

そのため、「多面的に考える力」「根拠を持って考える力」「問いを立てる力」が育ちます。

これは高校入試や、その後の学びの土台にもなります。

また、中学生は、
  「子どもから大人」へ移る時期
  「感情と言語が急速に発達」する時期
  「自分とは何か」を考え始める時期
です。

この時期に良い文章を『会読』すると、
  「深い言葉」
  「人生観」
  「倫理観」
  「他者理解」
に触れる機会になります。

つまり『会読』は、単なる国語学習ではなく、「人格形成」にも関わる学びなのです。


⑧ リベラルアーツが身につく


「リベラルアーツ」とは、多角的な視点や思考の土台を築くことです。

『会読』を通して、日本にある思想を客観化し、世界の宗教・思想の源泉を知ることができます。

「論語」を読むと、日本の思想に近いものがあり、納得しやすい部分が多いのです。

「新約聖書」や「旧約聖書」を読むと、日本人の常識的な感覚とはかなりズレるところがあり、議論をすると大変興味深いものがあります。


⑨ 大学入試に強くなる


「啓理学舎」の『会読』では、「岩波文庫」の書籍で実施いたします。

その理由は、2つあります。

1つ目は、テキストの信頼性が高いということです。

岩波文庫の筆者は、その分野では一流と言われる人だからです。

また、注釈や解説が充実していることも理由にあげられます。

2つ目は、岩波文庫の執筆者と大学入試の問題作成者が「同じ人材層」であることが多いということです。

詳しく説明すると、以下になります。

○海外の古典の翻訳者(哲学・思想・宗教)の解説を書く研究者は、学会のトップ層(大学教授・研究機関の専門家)であることが多い。

○大学入試(特に難関大学)問題は、各大学の教授、その分野の専門研究者が作成することが多い。

つまり、岩波文庫で『会読』をすることにより、入試の文体に早くから慣れることができるということになります。

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篠田啓彦
専門家

篠田啓彦(塾講師)

国語専門オンライン学習塾 啓理学舎

保護者の方にお子さまとの接し方等をアドバイスさせていただくとともに、国語が苦手なお子さまでも特別な学習方法で真の「国語力」が身につき、さらに各教科の成績向上、中学・高校合格へ導いている。

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