シルバー世代の『読み聞かせ』の8つのメリット
みなさん、こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、「中学生が『会読』するメリット」についてお話をさせていただきます。
中学生が『会読(かいどく)』をすることには、単なる「音読」以上の大きな教育的メリットがあります。
『会読』とは、みんなで同じ文章を声に出して読み合い、意味を考えながら共有していく学び方です。古くは藩校や寺子屋、漢学塾などでも行われていました。
中学生にとっての『会読』の主なメリットを整理すると、次のようになります。
目次
『会読』とは?
メリットを紹介する前に、『会読』について説明させていただきます。
一般的に『会読』と言われるものは、みんなで同じ文章を読み、声を合わせたり、順番に読んだりしながら、内容について考え合う学び方です。
たとえば、
「一文ずつ交代して読む」
「全員でそろえて読む」
「意味を話し合う」
「感想を共有する」
などを含みます。
江戸時代に藩校等で実際に実施されていた教育方法で、現在でも大学のゼミ等で行われています。
弊塾では、『会読』を以下のように定義しています。
『会読』とは、複数人で一つのテキスト(岩波文庫)を一緒に読み、その内容を検討、解釈し合う学習方法。
それでは、中学生が会読をするメリットを述べたいと思います。
① 読解力が深まる
一人読みでは気づかなかった内容に、他の人の読み方や解釈によって気づけます。
例えば、
「どこで区切るか」
「どこを強調するか」
「なぜこの言葉を使ったのか」
などを共有することで、文章を立体的に理解できるようになります。
特に中学生では、「抽象語」「比喩」「筆者の主張」「古典特有の言い回し」が増えるため、『会読』は非常に効果的です。
② 語彙力・表現力が伸びる
『会読』では、自分が普段使わない言葉に触れます。
たとえば古典や名文では、
「格調高い表現」
「リズムのある文章」
「深い感情表現」
に自然と触れることができます。
声に出して繰り返すことで、「知っている言葉」が「使える言葉」に変わっていきます。
③ 集中力が高まる
一人で黙読していると流し読みになりやすいですが、『会読』では
「自分の番を意識する」
「周囲とテンポを合わせる」
「声を出す」
必要があるため、集中が持続しやすくなります。
特にスマホ時代の中学生にとって、「長い文章に集中する訓練」として価値があります。
④ 思春期でも“自然に”コミュニケーションできる
中学生は思春期に入り、
「自分の意見を言いづらい」
「人前で話すのが恥ずかしい」
と感じることがあります。
しかし『会読』では、「文章を介して」交流するため、直接的な自己主張より心理的負担が少なくなります。
その結果、「他者の考えを聞く」「自分の感じ方を比較する」「共感する」力が育ちます。
⑤ 古典・名文のリズムが身体に入る
中学生期は、「言葉の型」を身体化しやすい時期です。
例えば、
「論語」
「徒然草」
「枕草子」
漢文
名作文学
などを『会読』すると、日本語の美しいリズムや論理構成が自然に身についていきます。
これは作文力や記述力にもつながります。
⑥ 記憶力・理解力が高まる
「目で読む」だけでなく、「声に出す」「耳で聞く」「他人の声を聞く」という複数の感覚を使うため、内容が定着しやすくなります。
特に歴史・古典・哲学的文章では効果的です。
⑦ “考える力”が育つ
『会読』の本質は、「正解探し」ではなく、
「この文章は何を言おうとしているのか」
を皆で探ることにあります。
そのため、「多面的に考える力」「根拠を持って考える力」「問いを立てる力」が育ちます。
これは高校入試や、その後の学びの土台にもなります。
また、中学生は、
「子どもから大人」へ移る時期
「感情と言語が急速に発達」する時期
「自分とは何か」を考え始める時期
です。
この時期に良い文章を『会読』すると、
「深い言葉」
「人生観」
「倫理観」
「他者理解」
に触れる機会になります。
つまり『会読』は、単なる国語学習ではなく、「人格形成」にも関わる学びなのです。
⑧ リベラルアーツが身につく
「リベラルアーツ」とは、多角的な視点や思考の土台を築くことです。
『会読』を通して、日本にある思想を客観化し、世界の宗教・思想の源泉を知ることができます。
「論語」を読むと、日本の思想に近いものがあり、納得しやすい部分が多いのです。
「新約聖書」や「旧約聖書」を読むと、日本人の常識的な感覚とはかなりズレるところがあり、議論をすると大変興味深いものがあります。
⑨ 大学入試に強くなる
「啓理学舎」の『会読』では、「岩波文庫」の書籍で実施いたします。
その理由は、2つあります。
1つ目は、テキストの信頼性が高いということです。
岩波文庫の筆者は、その分野では一流と言われる人だからです。
また、注釈や解説が充実していることも理由にあげられます。
2つ目は、岩波文庫の執筆者と大学入試の問題作成者が「同じ人材層」であることが多いということです。
詳しく説明すると、以下になります。
○海外の古典の翻訳者(哲学・思想・宗教)の解説を書く研究者は、学会のトップ層(大学教授・研究機関の専門家)であることが多い。
○大学入試(特に難関大学)問題は、各大学の教授、その分野の専門研究者が作成することが多い。
つまり、岩波文庫で『会読』をすることにより、入試の文体に早くから慣れることができるということになります。


