「型にはめないレッスン」を、放任だと勘違いされがちな理由

三上緑

三上緑

テーマ:“困った子”を生まない指導 ― 先生の見立てを問い直す

「型にはめない、自由度の高いレッスンをしているのですが、保護者の方にどう理解してもらえばよいでしょうか」。
こうした相談をよく聞きます。
子どもに合わせて進めているつもりが、「何をしているかわからない」「放任では」と受け取られてしまう。
レッスンの中身は自信があるのに、伝え方・見せ方でつまずいている。
実は、問題の中心はレッスンの内容ではなく、その「意図」をどう言語化するかです。



1. 自由なレッスン=放任ではない


型にはめないレッスンは、何もしていないわけではありません。
むしろ、何をいつ・どの子に・どの程度渡すかを、その都度判断している。
その判断の積み重ねが「自由に見える」だけです。
放任は、判断を手放している状態。
意図ある自由は、判断を手元に置いたまま、形を柔軟に変えている状態。
この違いを、先生自身が言葉にできると、保護者にも伝わりやすくなります。




2. 「何を育てているか」を言葉にすると、伝わる



保護者が知りたいのは、多くの場合「今、何が起きているか」「この先、どうなるか」です。
だから、育てているものを言語化することが大切になります。
「今月は、自分で選ぶ経験を増やしています」「この子には、まず音と仲良くなる時間を取っています」。
そうした一言があるだけで、「何もしていない」という誤解は減ります。
目に見えにくい成長こそ、言葉で補う。
その設計があると、自由なレッスンが「意図ある自由」として伝わります。


3. 意図ある自由として、説明する



「自由なレッスン」ではなく、「意図ある自由」としてどう説明するか
——ここに焦点を当てると、やることははっきりします。
何を大切にしているか。今、この子に何を渡しているか。
どこまで見守り、どこで手を添えているか。
それを、保護者が「なるほど」と受け取れる言葉で、定期的に渡す。
型にはめないことの価値は、その意図が伝わって初めて、共有できます。


まとめ



型にはめないレッスンを放任と勘違いされがちなのは、意図が外から見えていないからです。
何を育てているかを言葉にし、「意図ある自由」として説明する。
その視点を持つ先生が増えれば、保護者とよりよい関係を築きやすくなると思います。

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三上緑
専門家

三上緑(音楽教育家)

一般社団法人カラフルエデュ協会

音楽教育家として「カラフルさん」を肯定。児童心理学と境界線リフレーミングを軸に母・指導者の判断力を整えます。二人の息子を私立小から大学へ導いた経験と音楽指導から子の才能を社会へ繋ぐ未来設計をサポート。

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