オンライン連載小説『リバウンド』書いています。
今回のコラムは、出版企画を抜粋して、私たちの臨床活動がどのようなものなのかをシェアしてみます。
出版企画書 2024.8
アダルト・チルドレン(AC)という「生き延びる力」
ー22の事例ワークショップー
■なぜ、「この本」をつくろうと思ったのか?:
80年代後半から2000年代前半にかけてのアダルト・チルドレンブームにおいて、この用語は少し誤解されたまま広がりました。幸運なことと言えば子ども時代に不適切な養育環境を体験し、その影響を少なからず受けたまま青年期を向かえた人々が、自身の苦難の理由を知る機会が開かれたことです。けれど、ACとは診断名ではないため、自分にはどのような援助が必要なのかわからず、専門機関の援助に繋がりにくい人々がいまもなお少なくありません。また、かれらの苦難には学校や職場、家族の中でも周囲の目に見え難いという特徴があるため「恋愛依存」「仕事依存」または「引きこもり」、果ては「キレル人」「パーソナリティ障害」などのレッテルを貼られることを恐れながら、援助の場を探し続けています。
精神科医の和田秀樹によれば、現在の日本の精神医療はお薬処方が中心のため、ストレスチェックで引っかかる「不安障害」や「適応障害」「依存症」「トラウマ」「PTSD」(心的外傷後ストレス障害)「強迫性障害」「身体症状症」あるいは子どもの「発達障害」などには十分に対応できていない。
他方、アメリカではベトナム戦争後の70年代、80年代にトラウマやPTSDの患者さんが急増しましたが、この頃から、アメリカの精神療法家たちにより精神療法が見直されるようになった。そのため、今のアメリカの精神医療の体制は、日本のような薬物中心ではありません。薬より精神療法のほうが「治せる治療」だからである。
<引用文献>:和田秀樹,ダイヤモンド・オンライン,メンタルクリニックが「治らない患者」であふれ返る深刻な理由,https://diamond.jp/articles/-/348321?page=3 2024.8.7 20:00.
和田秀樹著,「精神医療」崩壊 メンタルの不調が心療内科・精神科で良くならない理由 ,青春出版社,2024.
こうした現状の中で、援助の場を探している潜在的な読者にむけて、精神療法を実践している開業カウンセラーの現場報告を書籍にすることは、かれらとかれらの家族にひとつの指針を分かち合える機会となるのではと考えた。
■この出版企画の狙い:
アダルト・チルドレン(以下:AC)という言葉を専門的援助の必要がないと片付けてしまうわけにはいかない苦難を抱えている「人々の状態」として敬意を表する。そして、差別され蔑む用語ではなく、自分自身を理解しより成熟した自分になるためのひとつの「自覚」として再考する。
■対象読者:
1,まったくACという言葉を知らないが、心の悩みや課題の推移について関心がある人々
2,ACを自認している。親密な対人関係、感情の制御などに問題を抱えている。
3、配偶者や恋人がACらしいが理解、対応に困っている人々
4,ACにとりくんでいる援助に携わっている人々
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