アダルト・チルドレンの再考、複雑性PTSD 2/3
アダルト・チルドレン(以下:AC)とは?
私たちの心理臨床にとってとても大切な概念です。そして、自分自身の生きづらさについて自覚をすすめる人々にとってとても有効な言葉です。
しかしながら、その概念を各々の理解しやすい部分のみをきりとった記述が少なくなく、とても誤解がおおい状態があります。
今回から数回、ACの概念について、心理臨床に携わるカウンセラー、研究者などがどのような概念として臨床現場でつかっているのかをまとめてみたいと思います。
ACとは米国において戦争トラウマやアルコール依存などの問題を抱えた家族と子どもたちを対象とした治療者から生まれた言葉であったが、日本においては米国の指摘に加え、機能不全家族の中で育った人々の心的外傷の後遺症(以下:家族トラウマ)を臨床対象とするための言葉として拡張された。
ACは診断基準ではないため自覚があるないにかかわらず家族トラウマを抱える人々は治療機会につながりにくい側面を持つ。近年では開業心理療法家がその受け皿として期待が高まっている。
「アダルト・チルドレンを対象とした集団心理療法の実施事例」明石郁生(2020)未投稿論文
ACという言葉は、診断のための医学用語や人を誹謗中傷するレッテルではなく、自らの生きにくさの理由を自分なりに理解しようと努める人がたどりつくひとつの自覚。この自覚を用いて,より有効で自由な自己をつくり,その自己を保護するコンセプトである。(斎藤,1996)
とてもよい子、勉強家で多彩ですが、心の傷に自分の言葉や行動が大きくコントロールされていて、生きづらさを感じていることが多い。(西尾,1997)
「アダルト・チルドレンと癒し- 本当の自分を取りもどす」 西尾和美(1997)学陽書房.
「アダルト・チルドレンと家族- 心のなかの子どもを癒す」 斎藤学(1996)、学陽書房.
『ACという生きる力』ー自分の専門家になるーあなたの悩みは専門性に変わる!明石郁生 (2020)web連載エッセイ https://ikuoakashi.jp/https://ikuoakashi.jp/category/alive-as-an-ac/