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コラム

【WLBコラム】管理職、教育担当者のための「共感力を高めて新人教育を円滑にする方法」

2018年8月22日

テーマ:リーダー・管理職向け

コラムカテゴリ:ビジネス

WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントコーチの山本武史です。



夏から秋にかけて比較的多い研修テーマは
『部下育成スキル』系です。



OJTトレーナー向けの研修やコーチング研修は
毎年この時期多くなりますし、


また、

育成のための時間を捻出するための
タイムマネジメント研修なども比較的多いです。



ちょうど今は、新人が現場に配属されて、
もっとも教育が必要な時期と重なりますので、
管理職や教育担当者にとっても重要な時期ですよね。



さて、あなたは部下を育成する上で
何が重要になっていると思いますか?




作業手順をきっちり教えることでしょうか?

それとも、

企業理念やチーム方針など、
仕事上の判断基準として大切なものでしょうか?



はたまた、

もっと基本的なマナーや言葉遣いでしょうか?



そこからもう少し進めて、

正しい『報・連・相』の仕方でしょうか?







実は、もっと大切なことがあります。




それは、

適切な『関係性』を築くこと。





なぜ、関係性が大切かというと、
新人や若手は経験が浅いですよね?

そうすると、迷ったり、立ち止まったり、
時にはミスや失敗をしてしまうことがあります。



そんな時、上司や教育担当者に
即座に報告や相談ができると、

無駄な時間を使わずにすみますし、
ミスや失敗が起こっても比較的早期に解決しやすいでしょう。



なので、報告や相談がしやすい
適切な『関係性』が重要なのです。




そんな関係性を築く上で大切なのが、
やはり『コミュニケーション能力』です。



関係性を築くコミュニケーションというと、
最近では、よく『雑談力』などと言われますが、
その雑談力の中でも重要になってくるのは、
話題と『共感力』です。



話題はまたの機会にご紹介するとして・・・、
今日は『共感』についてご紹介しますね。



前置きが長くなってしまいましたが・・・。



さて、『共感』とは何でしょうか?



漢字で表すと
『共』に『感』じると書きます。



少し話は逸れますが、
僕たち人間はどうやら進化の過程で
『助け合う』ということをシステム化したようです。




誰かが困っていれば助けるし、
助けられた側も恩を返すことでいい関係を続けられます。



その結束力が
他の野生動物よりも優れているからこそ、
外敵に襲われる心配がない環境を作ってこれたとされているのです。




(ちなみに、遺伝子が1%しか違わないチンパンジーは
 助けて欲しいとヘルプを出さない限りは助けないそうです)



この辺りは、人類の進化を学んでいただけると
ご理解いただけると思います。





さて、その『助け合い』をする上でも
『共感』が大切になってくるのですが、

実は、共感には2種類あります。




一つ目は『生理学的な意味での共感』です。

先ほど、進化の過程でシステム化したと表現した
『共感』です。



どういうことかというと、

例えば、家の中で家族の誰かが
足の小指をタンスの角にぶつけて痛がっているところを
想像してみてください。


自分がぶつけたわけでもないのに、
その痛みが伝わってくるかのような感覚になりませんか?



あるいは、親友から失恋の相談を受けて、
親身になって聞いているうちに、
何だか自分までその悲しみをリアルに感じてしまったり
といった経験はありませんか?



この、『自分が経験したわけではないのに感じる他者の感覚』を
生理学的な意味での共感と言います。



この共感ができるからこそ、
相手の困りごとにも目が行き、
助けるといった行動に出られると考えられています。



ただし、この生理学的な意味での共感は、
逆の感覚をもたらすことがあります。



これも想像していただくとわかりやすのですが、

例えば、あなたの大嫌いな人がやってきて、
あなたに当然のように文句を言ったとしましょう。


その直後、その大嫌いな人が、
振り向きざまにタンスの角に足の小指をぶつけたとしたら・・・

あなたはどう思うでしょうか?




「ザマァ見ろ!」

と思ったりしませんか???




実は、これも『助け合い』を支えるシステムが
働いた結果だそうです。



つまり、助け合わない人に対しては、
阻害する気持ちを持つことで、
『助け合いの輪』を保とうとしているのです。



社内で「ザマァ見ろ」なんて思い合うような
関係があちこちにみられると・・・嫌ですよね^^;


そんな人間関係がギスギスした会社にいて
いい仕事ができるとは思えません。




では、お互いに助け合えるような関係を
築いていくためにはどうすれば良いのでしょうか?


そのためには、
二つ目の共感が重要になってきます。



それは、
『心理学的な意味での共感』です。



これは、感覚ではなく、『スキル』です。




相手の立場に立ち、
相手の目で見て、
相手の耳で聞いて、
相手の肌で感じて、
相手の気持ちを推察すること



これを心理学的な意味での共感と呼びます。




無理やり納得したり、
迎合することではなく、
相手の気持ちに寄り添う態度をいうのです。



もちろん、
自分の考えや価値観を押し付けることは
NGですのでご注意くださいね。





この心理学的な意味での共感をするには、

自分が新人の頃を思い出しながら、
同じ景色が目に浮かぶくらいに
今目の前にいる新人の話に耳を傾け、

さらに
その新人がかけているメガネ(価値観や考え方)を
自分でもかけてみて、同じ景色を眺めてみることが大事です。



そこから何が見えるのか?
どんな音が聞こえるのか?
どんな気持ちになるのか?

そんなききかたをしていけば、
自ずと『生理学的な意味での共感』も起こるはずです。



そうして、しっかりと共感しながら話をしていくと、
関係性もどんどん良好なものになっていくでしょう。



この適切な関係が築けたら、
あとは、報告されたり相談されたりした時に
しっかりと話し合いながら教育ができるでしょう。



ぜひ、共感力を高めてコミュニケーションを円滑にして、
新人の教育を進めていってくださいね!


では、今回はこの辺りで失礼します。

この記事を書いたプロ

山本武史

ワークライフバランスを実現するタイムマネジメントのプロ

山本武史(ポテンシャルビジョン)

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